723円
マクアケのニュース
日経平均は大幅に3日続落。690.00円安の26321.33円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えている。
26日の米株式市場でNYダウは続落し、129ドル安となった。連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の会見は、3月以降全ての会合での利上げを否定せず、また利上げ実施後の量的引き締め(QT)の方針も示すなど、タカ派的な内容と受け止められた。短期の年限を中心に金利が急上昇し、会見前には大幅上昇する場面もあったNYダウは急速に伸び悩んだ。ナスダック総合指数は+0.02%と小幅に上昇。一方、本日の日経平均はFOMC通過による買い戻し、それに日本電産<6594>やファナック<6954>の決算を好感した買いが先行し、128円高からスタートした。しかし、米金融引き締めへの警戒感が一段と強まったことで値がさグロース(成長)株を中心に売りが広がり、前引けにかけて26305.51円(705.82円安)まで下落する場面もあった。
個別では、売買代金上位のレーザーテック<6920>とソニーG<6758>が6%前後、ソフトバンクG<9984>が8%超の大幅下落。前述の日本電産は寄り付きをこの日の高値に失速し、4%超の下落で前場を折り返した。その他売買代金上位も東エレク<8035>、郵船
<9101>、トヨタ自<7203>など軒並み軟調。決算発表銘柄では日東電<6988>なども売りがかさんでおり、サイバー<4751>は東証1部下落率上位に顔を出している。一方、前述のファナックが伸び悩みながらも3%の上昇で前場を折り返し、ガビロン穀物事業の売却が評価された丸紅<8002>も3%近く上昇している。決算発表銘柄ではキヤノンMJ<8060>が急伸。また、業績・配当予想を上方修正したクロスキャット<2307>が東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、精密機器、サービス業、情報・通信業などが下落率上位で、その他も全般軟調。鉱業、保険業の2業種のみ上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の90%、対して値上がり銘柄は7%となっている。
FOMC通過後の日経平均はあく抜け期待に反し、大幅な下落を強いられる展開となっている。取引時間中としては2020年11月26日以来の安値を付ける場面もあった。米金利上昇を受けて値がさグロース株の下げがきつく、東証1部下落率上位には中小型グロース株が多くランクインしている。米金融引き締めによる景気悪化が懸念されているのだろうが、景気敏感株もグロース株ほどではないにしろ軟調。日経平均の-2.55%に対し、東証株価指数(TOPIX)は-1.98%となっている。日本電産の大幅下落やファナックの伸び悩みを見ると、今後の企業決算に対する株価反応にも警戒せざるを得ないか。ここまでの東証1部売買代金は1兆7000億円あまりと、値幅の大きさに伴いかなり膨らんでいる。
新興市場ではマザーズ指数が-5.78%と大幅反落。こちらも取引時間中としてはコロナショック直後の2020年4月24日以来の安値を付けている。東証1部市場と同様、中小型グロース株への逆風が一段と強まり、メルカリ<4385>を中心に主力IT株は軒並み軟調。前日にマクアケ<4479>が決算を受けてストップ安まで売り込まれたのが意識されてか、本日決算発表が控えている弁護士コム<6027>は一時ストップ安を付けている。
従前指摘していたとおり、メルカリなど人気のマザーズ銘柄では信用買いを膨らませて押し目を拾う動きが見られていた。そうした銘柄もここにきて一段安を強いられ、個人投資家のダメージはかなり大きいとみておいた方がよいだろう。
さて、FOMC後のパウエルFRB議長の会見は、3月以降全ての会合での利上げを否定しなかった、また利上げ実施後の量的引き締め(QT)の方針が示された、などの点で想定よりタカ派的と受け止める市場関係者が多かったようだ。また、明確な言質も与えなかったことで金融政策の不確実性が高まったとの指摘があり、更なる引き締め加速への懸念はむしろ強まった感がある。
やはりと言うべきか、米債券市場では3月FOMCでの0.25pt以上の利上げを織り込む動きが強まり、2年物国債利回りが1.15%(+0.13pt)に急上昇。10年物も1.86%(+0.09pt)に上昇した。原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI3月物)は地政学リスクの高まりから1バレル=87.35ドル(+1.75ドル)に上昇したが、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.38%
(-0.03pt)に低下している。
その割にNYダウは129ドル安にとどまり、「事前に持ち高削減の売りはかなり出た」との見方を強める市場参加者もいたようだが、むしろ戻りが鈍かったと受け止めるべきだろう。実際、NYダウ先物は時間外取引で下落している。直近では景気減速懸念から景気敏感株にも売り持ちを増やす動きが見られたが、FOMC直前のウクライナ情勢を巡る相場乱高下の際にこれらの買い戻しを先食いしてしまった感がある。
これらの結果、金融引き締めを意識してグロース株を中心に持ち高縮小の動きが続くだろう。もちろん日本株もそれと無縁ではいられない。前引けのTOPIX下落率がぎりぎり2%に届かず、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ実施が見込みづらいことから、後場の日経平均も不安定な展開になるとみておきたい。なお、本日は日本で信越化<4063>、キヤノン<7751>、富士通<6702>などの決算、米国で昨年10-12月期国内総生産(GDP)や12月耐久財受注、アップルなどの決算が発表される。企業業績や米経済指標も注視しておく必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
26日の米株式市場でNYダウは続落し、129ドル安となった。連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の会見は、3月以降全ての会合での利上げを否定せず、また利上げ実施後の量的引き締め(QT)の方針も示すなど、タカ派的な内容と受け止められた。短期の年限を中心に金利が急上昇し、会見前には大幅上昇する場面もあったNYダウは急速に伸び悩んだ。ナスダック総合指数は+0.02%と小幅に上昇。一方、本日の日経平均はFOMC通過による買い戻し、それに日本電産<6594>やファナック<6954>の決算を好感した買いが先行し、128円高からスタートした。しかし、米金融引き締めへの警戒感が一段と強まったことで値がさグロース(成長)株を中心に売りが広がり、前引けにかけて26305.51円(705.82円安)まで下落する場面もあった。
個別では、売買代金上位のレーザーテック<6920>とソニーG<6758>が6%前後、ソフトバンクG<9984>が8%超の大幅下落。前述の日本電産は寄り付きをこの日の高値に失速し、4%超の下落で前場を折り返した。その他売買代金上位も東エレク<8035>、郵船
<9101>、トヨタ自<7203>など軒並み軟調。決算発表銘柄では日東電<6988>なども売りがかさんでおり、サイバー<4751>は東証1部下落率上位に顔を出している。一方、前述のファナックが伸び悩みながらも3%の上昇で前場を折り返し、ガビロン穀物事業の売却が評価された丸紅<8002>も3%近く上昇している。決算発表銘柄ではキヤノンMJ<8060>が急伸。また、業績・配当予想を上方修正したクロスキャット<2307>が東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、精密機器、サービス業、情報・通信業などが下落率上位で、その他も全般軟調。鉱業、保険業の2業種のみ上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の90%、対して値上がり銘柄は7%となっている。
FOMC通過後の日経平均はあく抜け期待に反し、大幅な下落を強いられる展開となっている。取引時間中としては2020年11月26日以来の安値を付ける場面もあった。米金利上昇を受けて値がさグロース株の下げがきつく、東証1部下落率上位には中小型グロース株が多くランクインしている。米金融引き締めによる景気悪化が懸念されているのだろうが、景気敏感株もグロース株ほどではないにしろ軟調。日経平均の-2.55%に対し、東証株価指数(TOPIX)は-1.98%となっている。日本電産の大幅下落やファナックの伸び悩みを見ると、今後の企業決算に対する株価反応にも警戒せざるを得ないか。ここまでの東証1部売買代金は1兆7000億円あまりと、値幅の大きさに伴いかなり膨らんでいる。
新興市場ではマザーズ指数が-5.78%と大幅反落。こちらも取引時間中としてはコロナショック直後の2020年4月24日以来の安値を付けている。東証1部市場と同様、中小型グロース株への逆風が一段と強まり、メルカリ<4385>を中心に主力IT株は軒並み軟調。前日にマクアケ<4479>が決算を受けてストップ安まで売り込まれたのが意識されてか、本日決算発表が控えている弁護士コム<6027>は一時ストップ安を付けている。
従前指摘していたとおり、メルカリなど人気のマザーズ銘柄では信用買いを膨らませて押し目を拾う動きが見られていた。そうした銘柄もここにきて一段安を強いられ、個人投資家のダメージはかなり大きいとみておいた方がよいだろう。
さて、FOMC後のパウエルFRB議長の会見は、3月以降全ての会合での利上げを否定しなかった、また利上げ実施後の量的引き締め(QT)の方針が示された、などの点で想定よりタカ派的と受け止める市場関係者が多かったようだ。また、明確な言質も与えなかったことで金融政策の不確実性が高まったとの指摘があり、更なる引き締め加速への懸念はむしろ強まった感がある。
やはりと言うべきか、米債券市場では3月FOMCでの0.25pt以上の利上げを織り込む動きが強まり、2年物国債利回りが1.15%(+0.13pt)に急上昇。10年物も1.86%(+0.09pt)に上昇した。原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI3月物)は地政学リスクの高まりから1バレル=87.35ドル(+1.75ドル)に上昇したが、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.38%
(-0.03pt)に低下している。
その割にNYダウは129ドル安にとどまり、「事前に持ち高削減の売りはかなり出た」との見方を強める市場参加者もいたようだが、むしろ戻りが鈍かったと受け止めるべきだろう。実際、NYダウ先物は時間外取引で下落している。直近では景気減速懸念から景気敏感株にも売り持ちを増やす動きが見られたが、FOMC直前のウクライナ情勢を巡る相場乱高下の際にこれらの買い戻しを先食いしてしまった感がある。
これらの結果、金融引き締めを意識してグロース株を中心に持ち高縮小の動きが続くだろう。もちろん日本株もそれと無縁ではいられない。前引けのTOPIX下落率がぎりぎり2%に届かず、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ実施が見込みづらいことから、後場の日経平均も不安定な展開になるとみておきたい。なお、本日は日本で信越化<4063>、キヤノン<7751>、富士通<6702>などの決算、米国で昨年10-12月期国内総生産(GDP)や12月耐久財受注、アップルなどの決算が発表される。企業業績や米経済指標も注視しておく必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
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