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新興市場見通し:IPOから窺える物色意欲の根強さ、来週はcolyなど3社上場

配信元:フィスコ
投稿:2021/02/20 14:54
今週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに下落した。日経平均は週初の2月15日、およそ30年6カ月ぶりに3万円台を回復。さらに翌16日にかけて大幅に上昇し、マザーズも買いが優勢だった。ただ、日経平均の急ピッチの上昇により、国内投資家を中心に高値警戒感が台頭。週後半になって日経平均が調整に転じると、新興市場では個人投資家の売りがかさんだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.7%であったのに対して、マザーズ指数は-3.5%、日経ジャスダック平均は-1.6%だった。マザーズ指数は1200pt台後半に位置する25日移動平均線水準で今週の取引を終えた。

個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で10.2%安、ラクス<3923>が同16.4%安、JMDC<4483>が同13.3%安などと大きく下落。売買代金上位ではAI inside<4488>が同19.6%安となり、GMOフィナンシャルゲート<4051>なども下げが目立った。また、前の週末に決算発表したインパクトHD<6067>などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、時価総額上位でもフリー<4478>は同1.7%高と堅調で、BASE<4477>は同13.9%高。また、2月5日上場のQDレーザ<6613>は賑わいが続き、INCLUSIVE<7078>は前の週末の約2.7倍に急伸した。ジャスダック主力では、日本マクドナルドHD<2702>が同1.9%安、ワークマン<7564>が同4.2%安などと軟調。また、グラフィコ<4930>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、東映アニメーション<4816>は同8.6%高となり、売買代金上位でもフェローテックHD<6890>などが堅調。また、ベクター<2656>が上昇率トップだった。IPOでは、18日上場のアクシージア<4936>が公開価格を4割あまり上回る初値を付け、19日上場のWACUL<4173>は買い気配のまま初値持ち越しとなっている。

来週の新興市場では、株式相場全体として高値警戒感をはらみつつも、押し目買いのタイミングを探る動きが出てきそうだ。QDレーザの賑わい、それにアクシージアやWACULの初値買いの強さなどを見ると、資金の足は速いかもしれないが、個人投資家の物色意欲が大きく後退したわけではないだろう。また、海外機関投資家も取引参加しているマザーズ主力銘柄などはまずまず底堅い印象だ。今週末のマザーズ指数は1250pt近辺で下げ渋り、陽線を付けており、下値模索とまではなっていない。

海外機関投資家が相次ぎ大量保有報告書を提出したBASEは、今週末にかけて個人投資家も買い向かったようだ。従来、海外勢の空売りが多く観測されていただけに、買い戻しの動きが出てくる可能性もありそうだ。また、今週末にラクスが東証1部への市場変更を発表しており、かねて候補に挙がっているJMDCなどにも注目したい。

IPO関連では、2月25日にアピリッツ<4174>がジャスダックへ、26日に室町ケミカル<4885>がジャスダックへ、coly<4175>がマザーズへそれぞれ新規上場する。公開規模の軽量感から初値を飛ばしてきそうなのはウェブシステム開発等のアピリッツ。いわゆる「夢女子・腐女子ゲーム」を手掛けるcolyはやや大型ながら注目度が高いようだ。なお、今週は6社の新規上場が発表され、12月IPOは現時点で10社となっている。


<FA>
配信元: フィスコ
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