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日経平均は3日ぶり反落。266.72円安の28799.60円(出来高概算5億2000万株)で前場の取引を終えている。
16日の米株式市場でNYダウは小幅に反落し、29ドル安となった。英イングランド銀行(中央銀行)が予想外の利上げに踏み切り、15日まで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めに傾いたことも改めて意識されて、ハイテク株を中心に売りに押された。景気敏感株が買われNYダウを支えたが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は-2.47%。また、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は-4.27%となった。前日にFOMCを通過した安心感から大幅高となった日経平均も、本日は米株安の流れを引き継いで211円安からスタート。寄り付き後は軟調もみ合いの展開となり、前場中ごろを過ぎると香港株の軟調な出足を受けて28766.69円(299.63円安)まで下落する場面があった。
個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、東エレク<8035>、任天堂<7974>などが軟調。郵船<9101>は小安い。前日上げの目立ったOLC<4661>だが、東京都内で新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」の感染者が確認されたこともあり、本日一転して3%超の下落。新型コロナ飲み薬の開発中止を発表した中外薬<4519>も下げが目立つ。また、来週のIPO(新規株式公開)ラッシュを前に15日上場したばかりのネットプロHD<7383>が売られ、東証1部下落率上位に顔を出している。一方、川崎船<9107>や商船三井<9104>が続伸し、村田製<6981>は小じっかり。決算発表のアスクル<2678>や自社株買い実施のFB<3843>は急伸し、双信電機<6938>が東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、精密機器、サービス業、その他製品などが下落率上位。一方、鉱業、非鉄金属、石油・石炭製品などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の65%、対して値上がり銘柄は29%となっている。
本日の日経平均はFOMC通過後の大幅上昇から一転、軟調な展開となっている。日足チャートでは、前日に29100円近辺に位置する75日移動平均線に迫る動きを見せたものの、本日は28800円台に位置する25日移動平均線を挟んでのもみ合い。売買代金上位では米ハイテク株安を受けて値がさ株の軟調ぶりが目立つ。一方、原油などの商品高を受けて市況関連株は堅調。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりで、前日よりやや少ない。
新興市場ではマザーズ指数が-2.27%と3日ぶり大幅反落。前日も日経平均と比べると伸び悩みが鮮明で、本日再び取引時間中の年初来安値を更新してきた。売買代金トップのサイエンスアーツ<4412>は好需給を背景に物色人気が続くが、相対的に時価総額の大きい銘柄の軟調ぶりを見ると、損失拡大に苦しむ個人投資家がなお少なくないと考えざるを得ない。東証1部のネットプロHDに見られるように、来週のIPOラッシュに備えるための換金売りも出ているのだろう。
さて、足元で新型コロナ新規感染者数が過去最多を更新している英国は、中銀が予想外の利上げに踏み切った。ジョンソン首相が感染抑制に向けた一段の規制強化も示唆するなかでの利上げは、各国中銀がインフレへの懸念を強めていることを印象付けそうだ。
FOMC直後こそ大幅に上昇した米ハイテク株も急失速。もっとも米国では今晩、先物取引と株価指数オプション取引、個別株オプション取引の取引期限が重なる「トリプルウィッチング」を迎えるため、需給要因によるものとの見方もある。しかし、ナスダック総合指数は長めの陰線を付ける格好となり、S&P500指数も11月22日に付けた取引時間中の最高値に届かず下げたことから、ムードの悪さを感じざるを得ない。
前日指摘したとおり、そもそも多くのファンドマネジャーにとって「タカ派的な中央銀行」はリスク要因として捉えられている。また、11月の小売売上高に続き、12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)やフィラデルフィア連銀製造業景況指数などの米経済指標が市場予想を下回ったのも気になるところ。外部環境をよく見極めたうえで取り組む必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
16日の米株式市場でNYダウは小幅に反落し、29ドル安となった。英イングランド銀行(中央銀行)が予想外の利上げに踏み切り、15日まで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めに傾いたことも改めて意識されて、ハイテク株を中心に売りに押された。景気敏感株が買われNYダウを支えたが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は-2.47%。また、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は-4.27%となった。前日にFOMCを通過した安心感から大幅高となった日経平均も、本日は米株安の流れを引き継いで211円安からスタート。寄り付き後は軟調もみ合いの展開となり、前場中ごろを過ぎると香港株の軟調な出足を受けて28766.69円(299.63円安)まで下落する場面があった。
個別では、レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、東エレク<8035>、任天堂<7974>などが軟調。郵船<9101>は小安い。前日上げの目立ったOLC<4661>だが、東京都内で新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」の感染者が確認されたこともあり、本日一転して3%超の下落。新型コロナ飲み薬の開発中止を発表した中外薬<4519>も下げが目立つ。また、来週のIPO(新規株式公開)ラッシュを前に15日上場したばかりのネットプロHD<7383>が売られ、東証1部下落率上位に顔を出している。一方、川崎船<9107>や商船三井<9104>が続伸し、村田製<6981>は小じっかり。決算発表のアスクル<2678>や自社株買い実施のFB<3843>は急伸し、双信電機<6938>が東証1部上昇率トップとなっている。
セクターでは、精密機器、サービス業、その他製品などが下落率上位。一方、鉱業、非鉄金属、石油・石炭製品などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の65%、対して値上がり銘柄は29%となっている。
本日の日経平均はFOMC通過後の大幅上昇から一転、軟調な展開となっている。日足チャートでは、前日に29100円近辺に位置する75日移動平均線に迫る動きを見せたものの、本日は28800円台に位置する25日移動平均線を挟んでのもみ合い。売買代金上位では米ハイテク株安を受けて値がさ株の軟調ぶりが目立つ。一方、原油などの商品高を受けて市況関連株は堅調。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりで、前日よりやや少ない。
新興市場ではマザーズ指数が-2.27%と3日ぶり大幅反落。前日も日経平均と比べると伸び悩みが鮮明で、本日再び取引時間中の年初来安値を更新してきた。売買代金トップのサイエンスアーツ<4412>は好需給を背景に物色人気が続くが、相対的に時価総額の大きい銘柄の軟調ぶりを見ると、損失拡大に苦しむ個人投資家がなお少なくないと考えざるを得ない。東証1部のネットプロHDに見られるように、来週のIPOラッシュに備えるための換金売りも出ているのだろう。
さて、足元で新型コロナ新規感染者数が過去最多を更新している英国は、中銀が予想外の利上げに踏み切った。ジョンソン首相が感染抑制に向けた一段の規制強化も示唆するなかでの利上げは、各国中銀がインフレへの懸念を強めていることを印象付けそうだ。
FOMC直後こそ大幅に上昇した米ハイテク株も急失速。もっとも米国では今晩、先物取引と株価指数オプション取引、個別株オプション取引の取引期限が重なる「トリプルウィッチング」を迎えるため、需給要因によるものとの見方もある。しかし、ナスダック総合指数は長めの陰線を付ける格好となり、S&P500指数も11月22日に付けた取引時間中の最高値に届かず下げたことから、ムードの悪さを感じざるを得ない。
前日指摘したとおり、そもそも多くのファンドマネジャーにとって「タカ派的な中央銀行」はリスク要因として捉えられている。また、11月の小売売上高に続き、12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)やフィラデルフィア連銀製造業景況指数などの米経済指標が市場予想を下回ったのも気になるところ。外部環境をよく見極めたうえで取り組む必要があるだろう。
(小林大純)
<AK>
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