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ヴィンクスのニュース
日経平均は小幅に3日続伸。18.24円高の27598.11円(出来高概算7億3000万株)で前場の取引を終えている。
9日の米株式市場でNYダウは3日続伸し、305ドル高となった。NY州が室内でのマスク着用義務化を撤廃し、英国も新型コロナウイルス感染抑制のための規制撤廃を計画しているなど、経済活動の正常化への期待が高まった。また、アトランタ連銀のボスティック総裁がインフレ鈍化の見通しを示し、インフレを巡る警戒感が後退。10年債入札が好調だったこともあり、10年物国債利回りは1.94%(-0.02%)に低下し、ハイテク株の買いを誘った。ナスダック総合指数は+2.08%、フィラデルフィア半導体株指数
(SOX)は+3.35%となった。本日の日経平均はこうした米株高の流れを引き継いで238円高からスタートすると、朝方には一時27880.70円(300.83円高)まで上昇。ただ、今晩の米1月消費者物価指数(CPI)発表や明日からの国内の3連休を前に伸び悩んだ。
なお、日経平均オプション2月物の特別清算指数(SQ)値は概算で27835.60円となっている。
個別では、東エレク<8035>、郵船<9101>、ソニーG<6758>などがまずまずしっかり。好決算の半導体関連株が大きく買われ、SUMCO<3436>が5%近い上昇、ルネサス<6723>が7%の上昇となっている。その他の決算発表銘柄ではホンダ<7267>が5%超上昇し、ISID<4812>やフジクラ<5803>も急伸。また、ヴィンクス<3784>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、売買代金トップのレーザーテック<6920>がマイナス転換。ソフトバンクG<9984>とトヨタ自<7203>も反落し、揃って3%あまり下落している。決算発表銘柄ではテルモ<4543>などが売りに押され、住友ゴム<5110>は急落。また、ファインデクス<3649>などとともにヤマトHD<9064>や博報堂DY<2433>が東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、化学、金属製品、医薬品などが上昇率上位。一方、輸送用機器、ゴム製品、銀行業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の51%、対して値下がり銘柄は43%となっている。
本日の日経平均は朝方に上げ幅を300円まで広げる場面があったものの、その後伸び悩む展開となっている。日足チャートを見ると、27600円台に位置する25日移動平均線を上回って始まったが、同線をやや下回るところまで押し返されて陰線を引く格好。
ひとまずSQ値を上回る場面こそあったものの、下降中の25日線を上回って売りというセオリーどおりで、値動き良化で買いを入れていた短期投資家の期待はややしぼまざるを得ないか。価格帯別の出来高を見ると、昨年10月や12月に下げ渋る動きを見せた2
7800円前後が膨らんでおり、戻り売り圧力が強そうなことも窺える。前引けの日経平均が+0.07%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+0.05%。ここまでの東証1部売買代金は1兆8000億円あまりだが、オプションSQの影響を除くとここ数日とおおむね同水準だろう。
SUMCOやルネサスといった半導体関連、それに自動車のホンダなどが決算を受けて大きく買われているのは明るい材料だが、朝方からトヨタ自の軟調ぶりが目立った点には不安もあった。また、半導体関連でも失速したレーザーテックを見ると、個人投資家のセンチメントはさほど改善していない印象を受ける。ヤマトHDや博報堂DYが急落するなど、決算発表銘柄も好調なものばかりでない。
新興市場ではマザーズ指数が+1.27%と続伸。メルカリ<4385>などの主力IT株は全般堅調だ。前日上場したばかりのライトワークス<4267>が連日でストップ高を付けており、値幅の大きさを狙った新興株物色も窺える。ただ、マザーズ指数も朝方の買いが一巡すると上値が重く、2日高値808.64ptを抜けられないあたり、本格的にトレンド好転した印象はなお薄い。
さて、米国では経済活動の正常化への期待に10年物国債利回りの低下も加わり、主要株価指数が揃って続伸した。ボスティック氏の発言だけでなく、一部から「1月CPIが予想を下回る」との話も伝わってきたことで、インフレを巡る警戒感が和らいだとみられる。もっとも、2年物国債利回りは1.35%(+0.01pt)と横ばいを維持。引き続き金融引き締めペースの加速を示唆する発言があり、3月の0.5%利上げ観測もくすぶっているようだ。
「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は19.96(-1.48)と、節目の20を下回るまで低下した。これまで金融引き締め観測とともに売り持ち高が積み上がっていたところ、VIXの低下などから買い戻しを迫られる向きが多かったのが米株の堅調ぶりにつながっていると考えられる。ただ、一部メディアでVIXが株価の先行きを示す指標として機能しづらくなっていると指摘しているのが注目される。また、ブラックスワン・ファンドを運用する米ユニバーサ・インベストメンツのマーク・スピッツナーゲル最高投資責任者(CIO)は米メディアのインタビューで「現在の流動性がいかに金融システムに組み込まれているか」というリスクについて、市場は「理解が極めて不足している」などと述べたという。
実際、筆者も強気の投資家・市場関係者は金融緩和下での流動性を前提にシナリオを描いている印象を受けている。金利上昇下での米株高は市場リスクの大きさも映しているのかもしれない。
差し当たり今晩発表の米1月CPIだが、予想値やその後の市場反応についての見方がかなりばらついている印象。3連休を挟んで国内企業の決算発表もラストスパートとなり、後場の取引は様子見ムードが強まってくるとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
9日の米株式市場でNYダウは3日続伸し、305ドル高となった。NY州が室内でのマスク着用義務化を撤廃し、英国も新型コロナウイルス感染抑制のための規制撤廃を計画しているなど、経済活動の正常化への期待が高まった。また、アトランタ連銀のボスティック総裁がインフレ鈍化の見通しを示し、インフレを巡る警戒感が後退。10年債入札が好調だったこともあり、10年物国債利回りは1.94%(-0.02%)に低下し、ハイテク株の買いを誘った。ナスダック総合指数は+2.08%、フィラデルフィア半導体株指数
(SOX)は+3.35%となった。本日の日経平均はこうした米株高の流れを引き継いで238円高からスタートすると、朝方には一時27880.70円(300.83円高)まで上昇。ただ、今晩の米1月消費者物価指数(CPI)発表や明日からの国内の3連休を前に伸び悩んだ。
なお、日経平均オプション2月物の特別清算指数(SQ)値は概算で27835.60円となっている。
個別では、東エレク<8035>、郵船<9101>、ソニーG<6758>などがまずまずしっかり。好決算の半導体関連株が大きく買われ、SUMCO<3436>が5%近い上昇、ルネサス<6723>が7%の上昇となっている。その他の決算発表銘柄ではホンダ<7267>が5%超上昇し、ISID<4812>やフジクラ<5803>も急伸。また、ヴィンクス<3784>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、売買代金トップのレーザーテック<6920>がマイナス転換。ソフトバンクG<9984>とトヨタ自<7203>も反落し、揃って3%あまり下落している。決算発表銘柄ではテルモ<4543>などが売りに押され、住友ゴム<5110>は急落。また、ファインデクス<3649>などとともにヤマトHD<9064>や博報堂DY<2433>が東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、化学、金属製品、医薬品などが上昇率上位。一方、輸送用機器、ゴム製品、銀行業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の51%、対して値下がり銘柄は43%となっている。
本日の日経平均は朝方に上げ幅を300円まで広げる場面があったものの、その後伸び悩む展開となっている。日足チャートを見ると、27600円台に位置する25日移動平均線を上回って始まったが、同線をやや下回るところまで押し返されて陰線を引く格好。
ひとまずSQ値を上回る場面こそあったものの、下降中の25日線を上回って売りというセオリーどおりで、値動き良化で買いを入れていた短期投資家の期待はややしぼまざるを得ないか。価格帯別の出来高を見ると、昨年10月や12月に下げ渋る動きを見せた2
7800円前後が膨らんでおり、戻り売り圧力が強そうなことも窺える。前引けの日経平均が+0.07%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は+0.05%。ここまでの東証1部売買代金は1兆8000億円あまりだが、オプションSQの影響を除くとここ数日とおおむね同水準だろう。
SUMCOやルネサスといった半導体関連、それに自動車のホンダなどが決算を受けて大きく買われているのは明るい材料だが、朝方からトヨタ自の軟調ぶりが目立った点には不安もあった。また、半導体関連でも失速したレーザーテックを見ると、個人投資家のセンチメントはさほど改善していない印象を受ける。ヤマトHDや博報堂DYが急落するなど、決算発表銘柄も好調なものばかりでない。
新興市場ではマザーズ指数が+1.27%と続伸。メルカリ<4385>などの主力IT株は全般堅調だ。前日上場したばかりのライトワークス<4267>が連日でストップ高を付けており、値幅の大きさを狙った新興株物色も窺える。ただ、マザーズ指数も朝方の買いが一巡すると上値が重く、2日高値808.64ptを抜けられないあたり、本格的にトレンド好転した印象はなお薄い。
さて、米国では経済活動の正常化への期待に10年物国債利回りの低下も加わり、主要株価指数が揃って続伸した。ボスティック氏の発言だけでなく、一部から「1月CPIが予想を下回る」との話も伝わってきたことで、インフレを巡る警戒感が和らいだとみられる。もっとも、2年物国債利回りは1.35%(+0.01pt)と横ばいを維持。引き続き金融引き締めペースの加速を示唆する発言があり、3月の0.5%利上げ観測もくすぶっているようだ。
「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は19.96(-1.48)と、節目の20を下回るまで低下した。これまで金融引き締め観測とともに売り持ち高が積み上がっていたところ、VIXの低下などから買い戻しを迫られる向きが多かったのが米株の堅調ぶりにつながっていると考えられる。ただ、一部メディアでVIXが株価の先行きを示す指標として機能しづらくなっていると指摘しているのが注目される。また、ブラックスワン・ファンドを運用する米ユニバーサ・インベストメンツのマーク・スピッツナーゲル最高投資責任者(CIO)は米メディアのインタビューで「現在の流動性がいかに金融システムに組み込まれているか」というリスクについて、市場は「理解が極めて不足している」などと述べたという。
実際、筆者も強気の投資家・市場関係者は金融緩和下での流動性を前提にシナリオを描いている印象を受けている。金利上昇下での米株高は市場リスクの大きさも映しているのかもしれない。
差し当たり今晩発表の米1月CPIだが、予想値やその後の市場反応についての見方がかなりばらついている印象。3連休を挟んで国内企業の決算発表もラストスパートとなり、後場の取引は様子見ムードが強まってくるとみておきたい。
(小林大純)
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