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くら寿司のニュース
日経平均は反落。261.95円安の29954.80円(出来高概算7億6000万株)で前場の取引を終えている。
18日の米株式市場でNYダウは反落し、153ドル安となった。連邦準備理事会(FRB)
による金融緩和の長期化観測からインフレが加速するとの見方が広がり、長期金利が1.7%台まで上昇。対中国・ロシアを巡る地政学リスクの高まりや原油先物価格の下落、週間の新規失業保険申請件数の増加なども相場を下押しした。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3.0%の下落となり、今年2番目の下落率を記録。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで312円安からスタートしたが、その後は寄り付きを
安値に軟調もみ合いとなった。押し目買いが下値を支える一方、日銀の金融政策決定会合の結果発表を前に持ち高を積極的に増やす動きは限られた。
個別では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、東エレク<8035>が2%超の下落。
米長期金利の上昇を受けて値がさグロース(成長)株が軟調で、レーザーテック<6920>は4%を超える下落となっている。パンパシHD<7532>なども下げが目立つ。また、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請すると伝わったワタベ<4696>は急落し、東証1部下落率上位に顔を出している。一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といったメガバンク株はしっかり。東証1部上昇率上位には千葉興銀<8337>などの地銀株が多く顔を出している。その他では東芝<6502>とホンダ<7267>が2%前後の上昇。株主分割実施を発表したくら寿司<2695>は株主優待の実質増加が好感されて大きく買われている。
セクターでは、鉱業、その他製品、石油・石炭製品などが下落率上位。一方、銀行業、海運業、保険業が上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の51%、対して値上がり銘柄は46%となっている。
前日の当欄で懸念を示したとおり、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)通過後も長期金利の上昇が止まらず、再び株価の重しとなってきた。ブレークイーブン・インフレ率(期待インフレ率の指標)は18日、2.27%(-0.02)とやや低下したものの高止まり。長期金利は1.6%で「2022年内の利上げ開始をほぼ織り込んだ」水準とされるが、これを上抜けてきたことで、市場参加者の目線が「インフレ加速によるFRBの政策急転換」に向いていることは明確となりつつある。FRBは2023年末までゼロ金利政策を続ける見通しを示したが、これが図らずもインフレ加速観測と長期金利の一段の上昇を招いた格好だろう。
格差拡大などから生活物価に下押し圧力がかかり、消費者物価を目標とする金融政策が緩和的となるのは自明だ。それに誤解している向きが多く見受けられるが、経済対策に基づく現金給付などといった一時的収入は消費性向を上向かせることができない。「継続的に所得が向上する」という期待がなければ消費者の財布のヒモは堅くなる一方だ。コロナ禍ですっかり忘れられた感があるが、2019年の消費増税時にもこうした傾向が見られなかったか。
だぶついたマネーはインフレヘッジ目的から株式等の資産に向かう。こうして金融緩和の長期化と資産インフレという構図ができあがる。
さて、午後には日銀決定会合の結果が伝わるが、長期金利の変動幅拡大や上場投資信託(ETF)買い入れ方針の見直しなどが検討されているという。既に観測報道が伝わっているためサプライズとはならないだろうが、日米での方向感の違いが意識される可能性はありそうだ。金融政策を巡る市場の動揺は当面続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
18日の米株式市場でNYダウは反落し、153ドル安となった。連邦準備理事会(FRB)
による金融緩和の長期化観測からインフレが加速するとの見方が広がり、長期金利が1.7%台まで上昇。対中国・ロシアを巡る地政学リスクの高まりや原油先物価格の下落、週間の新規失業保険申請件数の増加なども相場を下押しした。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3.0%の下落となり、今年2番目の下落率を記録。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで312円安からスタートしたが、その後は寄り付きを
安値に軟調もみ合いとなった。押し目買いが下値を支える一方、日銀の金融政策決定会合の結果発表を前に持ち高を積極的に増やす動きは限られた。
個別では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、東エレク<8035>が2%超の下落。
米長期金利の上昇を受けて値がさグロース(成長)株が軟調で、レーザーテック<6920>は4%を超える下落となっている。パンパシHD<7532>なども下げが目立つ。また、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請すると伝わったワタベ<4696>は急落し、東証1部下落率上位に顔を出している。一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といったメガバンク株はしっかり。東証1部上昇率上位には千葉興銀<8337>などの地銀株が多く顔を出している。その他では東芝<6502>とホンダ<7267>が2%前後の上昇。株主分割実施を発表したくら寿司<2695>は株主優待の実質増加が好感されて大きく買われている。
セクターでは、鉱業、その他製品、石油・石炭製品などが下落率上位。一方、銀行業、海運業、保険業が上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の51%、対して値上がり銘柄は46%となっている。
前日の当欄で懸念を示したとおり、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)通過後も長期金利の上昇が止まらず、再び株価の重しとなってきた。ブレークイーブン・インフレ率(期待インフレ率の指標)は18日、2.27%(-0.02)とやや低下したものの高止まり。長期金利は1.6%で「2022年内の利上げ開始をほぼ織り込んだ」水準とされるが、これを上抜けてきたことで、市場参加者の目線が「インフレ加速によるFRBの政策急転換」に向いていることは明確となりつつある。FRBは2023年末までゼロ金利政策を続ける見通しを示したが、これが図らずもインフレ加速観測と長期金利の一段の上昇を招いた格好だろう。
格差拡大などから生活物価に下押し圧力がかかり、消費者物価を目標とする金融政策が緩和的となるのは自明だ。それに誤解している向きが多く見受けられるが、経済対策に基づく現金給付などといった一時的収入は消費性向を上向かせることができない。「継続的に所得が向上する」という期待がなければ消費者の財布のヒモは堅くなる一方だ。コロナ禍ですっかり忘れられた感があるが、2019年の消費増税時にもこうした傾向が見られなかったか。
だぶついたマネーはインフレヘッジ目的から株式等の資産に向かう。こうして金融緩和の長期化と資産インフレという構図ができあがる。
さて、午後には日銀決定会合の結果が伝わるが、長期金利の変動幅拡大や上場投資信託(ETF)買い入れ方針の見直しなどが検討されているという。既に観測報道が伝わっているためサプライズとはならないだろうが、日米での方向感の違いが意識される可能性はありそうだ。金融政策を巡る市場の動揺は当面続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
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