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日経平均は続伸、中国株の落ち着きが安心感につながるが

配信元:フィスコ
投稿:2018/08/08 12:16
 日経平均は続伸。87.74円高の22750.48円(出来高概算7億株)で前場の取引を終えている。

 7日の米国市場でNYダウは126ドル高と3日続伸し、約5ヶ月ぶりの高値を付けた。アジア・欧州株がほぼ全面高となり、米国株も買いが先行した。ただ、米通商代表部(USTR)
が7日、中国に対する制裁関税の第2弾を23日に発動すると発表し、米中貿易摩擦の激化に対する懸念が重しとなって本日の日経平均は3円高からスタートした。寄り付き後はソフトバンクG<9984>が前日に続き買われたほか、好決算を発表したダイキン<6367>ニコン<7731>も押し上げ役となり、日経平均は上げ幅を拡大する展開となった。動向が注目される中国株も比較的底堅い動きを見せ、日経平均は前場中ごろを過ぎると一時22768.27円(105.53円高)まで上昇した。

 個別では、前述のソフトバンクGが売買代金トップで4%近い上昇となったほか、ダイキンやキーエンス<6861>NTT<9432>などが堅調だった。ダイキンの第1四半期決算は市場予想並みながら好調な出足だった。NTTは堅調な第1四半期決算やグループ再編が好感された。第1四半期が市場予想を大きく上回る増益となり、通期予想も上方修正したニコンは8%超高。また、タカラトミー<7867>はストップ高を付け、東証1部上昇率トップとなった。一方、任天堂<7974>、ソニー<6758>、トヨタ自<7203>スズキ<7269>などがさえない。東海カーボ<5301>キリンHD<2503>は決算を受けて下げが目立ち、上期の営業利益見通しを下方修正した明治HD<2269>は10%安と急落した。セクターでは、海運業、情報・通信業、パルプ・紙などが上昇率上位。半面、食料品、ゴム製品、繊維製品などが下落率上位だった。

 USTRが対中追加関税の発動を公表して動向が警戒された中国株は落ち着きを見せており、後場の日経平均もしっかりとした展開が続きそうだ。ただ、日足チャートで見ると狭いレンジでこう着感を強めており、今月1日の高値(22775.47円)に迫る場面では売りも出やすいと考えられる。かねて指摘しているとおり、明日9日には日米新貿易協議(FFR)の初会合が予定されており、米トランプ政権が追加関税を検討している自動車・自動車部品などでは警戒感が強まりそうだ。日経平均をけん引するソフトバンクGも昨年10月高値(1
0550円)に迫り、目先は上げ一服となる可能性がある。

 新興市場ではマザーズ指数が続伸し、比較的強い動きを見せている。週後半にはミクシィ<2121>などの主力株が決算発表を予定しており、その前に買い戻しの動きが広がっているものと考えられる。ただ、これら主力株の決算は全般にポジティブサプライズに乏しいとみられ、再評価機運が高まるかどうかは慎重に見極めたい。
(小林大純)
<AK>
配信元: フィスコ

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