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日経平均株価のニュース
明日の株式相場に向けて=AI関連の潮流かき消す台湾有事の憂鬱
週明け17日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比52円安の5万0323円と続落。小安く引けたが、朝方は先物を絡めた売り注文が覆い被さる形で、一時500円を超える下げをみせた。一瞬ではあるが9月4日以来約2カ月半ぶりに25日移動平均線を下回る場面があったが、その後は立ち直った。ソフトバンクグループ<9984.T>、アドバンテスト<6857.T>、東京エレクトロン<8035.T>のAI・半導体関連の日経平均ブラザーズが揃って買い戻されたことで全体相場はバランスを取り戻したが、その割には今一つ日経平均の反発力が鈍い。これは、今や日経平均構成上位銘柄の中では異形の存在であるファーストリテイリング<9983.T>が大幅安に売り込まれたことによる。あちらを立てればこちら立たずで、中国関連株に売り仕掛けが入り、全体相場の地合いを悪くした。
台湾有事に際し日本側が何らかの動きをみせれば、中国は黙っていないという脅しをかけてきた。名刺代わりに中国外務省は中国国民に対し日本への渡航を控えるように注意喚起を行ったが、これは高市氏を警戒しているということよりも、何のことはない台湾有事にヤル気満々であることを宣言したようなもので、これまでになく一歩踏み込んだ強硬的なスタンスを印象づける。一連の米中摩擦ではトランプ米政権を事実上譲歩させたようなところがあり、米国に抱いていた恐怖の念が薄れた表れともいえそうだ。ファストリに限らず中国関連株に位置付けられる銘柄への売り圧力は仕掛け的な要素が強いとはいえ、仮にきょうの相場がエヌビディア<NVDA>決算発表後でAI・半導体関連が全面リスクオフモードであったとしたら、強烈な下げ相場に遭遇していたことになる。
個別株の主力ハイテク株がきょうは戻り足に転じたとはいえ、それらをリバウンド一巡後も保有したままで報われるのかを考えた場合、甚だ心許ない。例えば5日移動平均線が壁となってリバウンドを拒まれ続けてきたソフトバンクGは、下を見れば中期波動の分水嶺である75日移動平均線を視界に捉えてきた。テクニカル的にそろそろ買い場であろうという思惑を漂わせているのだが、その傍らでここ急増傾向にある信用買い残を見ると躊躇せざるを得ない面もある。
また、今月5日に上方修正を発表したにもかかわらず、AIアルゴリズム売買の売りプログラム作動で急落の憂き目に遭ったサンリオ<8136.T>。きょうの下落局面でさすがに時価は値ごろ感から買い向かう動きが観測されているが、直近データで信用買い残が爆増している。信用買い残が急激に膨らんだ際には、貸株市場を通じてヘッジファンド系の空売りターゲットとなるケースが多い。今回のようなアンチ日本を旗幟鮮明とした中国関連の一角という切り口でにわかに逆風が強まった際には、典型的な売り仕掛けの対象となる。この場合、信用で買い溜めている向きの追い証回避の投げが出るまでは、株価がリバウンドしても綾(あや)戻しにとどまるため注意が必要である。何ものにも需給が優先するというのが相場における鉄壁のセオリー。おそらく長い目でみれば買い場を提供しているはずだが、今が底値限界ゾーンかどうかについてピンポイントでは容易に判断できない。あくまで買うなら信用ではなく“現物沈潜”のスタンスであることが条件となる。
きょうは売買代金上位の主力株が一斉に高くなったが、順張りで明らかに強い相場といえるのは三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>などのメガバンクくらい。AI関連や半導体系銘柄は依然として気迷い相場の只中であり、1日で風向きが変わったとは言い難い。まして19日はエヌビディアの決算発表というビッグイベントを控える。日経平均が底堅さを発揮したとはいえ油断はならない。今週に週足陰線を形成した場合は高値圏での三羽ガラス示現となり、中長期的な下降トレンドへの転換を警戒せざるを得ないタイミングを示唆する。その意味で目先は主力株買いに追随するのはリスクが伴う。
株価が低位にある銘柄群の中から業績実態が良好な銘柄に着目してみたい。今回は個人投資家が買いやすい300円台の好実態株をピックアップ。まず、外食産業を主要顧客にクラウド型の企業間取引向けECサイト基盤「BtoBプラットフォーム」を提供するインフォマート<2492.T>。足もとでは会社側の想定を上回って採算が向上し、25年12月期営業利益は従来予想の23億円から28億900万円(前期比2.3倍)に大幅増額するなど絶好調だ。また、ディスラプターズ<6538.T>は求人情報と賃貸不動産関連のWebサイトを運営するが、こちらも業績回復色が際立ち、26年3月期は最終利益段階で前期比62%増益を見込む。ITセキュリティーに特化し、情報セキュリティーの構築・運用、ログ解析サービスを手掛けるセキュアヴェイル<3042.T>も直近マド開けて株価を下落させたが、貸株市場経由の空売りが機能したとみられ、ショートカバーを交えた仕切り直し相場に期待。26年3月期は営業利益3.1倍化を見込み、前期から3円の増配を計画している。
あすのスケジュールでは、取引時間中は目立ったイベントは見当たらないが、後場取引終了後に日本政府観光局から開示される10月の訪日外国人客数にマーケットの関心が向かいそうだ。海外では11月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数、10月の米鉱工業生産指数など。また、この日はバーFRB理事が講演を行う予定でその内容に耳目が集まる。また、個別ではホーム・デポ<HD>の8~10月決算が発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
台湾有事に際し日本側が何らかの動きをみせれば、中国は黙っていないという脅しをかけてきた。名刺代わりに中国外務省は中国国民に対し日本への渡航を控えるように注意喚起を行ったが、これは高市氏を警戒しているということよりも、何のことはない台湾有事にヤル気満々であることを宣言したようなもので、これまでになく一歩踏み込んだ強硬的なスタンスを印象づける。一連の米中摩擦ではトランプ米政権を事実上譲歩させたようなところがあり、米国に抱いていた恐怖の念が薄れた表れともいえそうだ。ファストリに限らず中国関連株に位置付けられる銘柄への売り圧力は仕掛け的な要素が強いとはいえ、仮にきょうの相場がエヌビディア<NVDA>決算発表後でAI・半導体関連が全面リスクオフモードであったとしたら、強烈な下げ相場に遭遇していたことになる。
個別株の主力ハイテク株がきょうは戻り足に転じたとはいえ、それらをリバウンド一巡後も保有したままで報われるのかを考えた場合、甚だ心許ない。例えば5日移動平均線が壁となってリバウンドを拒まれ続けてきたソフトバンクGは、下を見れば中期波動の分水嶺である75日移動平均線を視界に捉えてきた。テクニカル的にそろそろ買い場であろうという思惑を漂わせているのだが、その傍らでここ急増傾向にある信用買い残を見ると躊躇せざるを得ない面もある。
また、今月5日に上方修正を発表したにもかかわらず、AIアルゴリズム売買の売りプログラム作動で急落の憂き目に遭ったサンリオ<8136.T>。きょうの下落局面でさすがに時価は値ごろ感から買い向かう動きが観測されているが、直近データで信用買い残が爆増している。信用買い残が急激に膨らんだ際には、貸株市場を通じてヘッジファンド系の空売りターゲットとなるケースが多い。今回のようなアンチ日本を旗幟鮮明とした中国関連の一角という切り口でにわかに逆風が強まった際には、典型的な売り仕掛けの対象となる。この場合、信用で買い溜めている向きの追い証回避の投げが出るまでは、株価がリバウンドしても綾(あや)戻しにとどまるため注意が必要である。何ものにも需給が優先するというのが相場における鉄壁のセオリー。おそらく長い目でみれば買い場を提供しているはずだが、今が底値限界ゾーンかどうかについてピンポイントでは容易に判断できない。あくまで買うなら信用ではなく“現物沈潜”のスタンスであることが条件となる。
きょうは売買代金上位の主力株が一斉に高くなったが、順張りで明らかに強い相場といえるのは三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>などのメガバンクくらい。AI関連や半導体系銘柄は依然として気迷い相場の只中であり、1日で風向きが変わったとは言い難い。まして19日はエヌビディアの決算発表というビッグイベントを控える。日経平均が底堅さを発揮したとはいえ油断はならない。今週に週足陰線を形成した場合は高値圏での三羽ガラス示現となり、中長期的な下降トレンドへの転換を警戒せざるを得ないタイミングを示唆する。その意味で目先は主力株買いに追随するのはリスクが伴う。
株価が低位にある銘柄群の中から業績実態が良好な銘柄に着目してみたい。今回は個人投資家が買いやすい300円台の好実態株をピックアップ。まず、外食産業を主要顧客にクラウド型の企業間取引向けECサイト基盤「BtoBプラットフォーム」を提供するインフォマート<2492.T>。足もとでは会社側の想定を上回って採算が向上し、25年12月期営業利益は従来予想の23億円から28億900万円(前期比2.3倍)に大幅増額するなど絶好調だ。また、ディスラプターズ<6538.T>は求人情報と賃貸不動産関連のWebサイトを運営するが、こちらも業績回復色が際立ち、26年3月期は最終利益段階で前期比62%増益を見込む。ITセキュリティーに特化し、情報セキュリティーの構築・運用、ログ解析サービスを手掛けるセキュアヴェイル<3042.T>も直近マド開けて株価を下落させたが、貸株市場経由の空売りが機能したとみられ、ショートカバーを交えた仕切り直し相場に期待。26年3月期は営業利益3.1倍化を見込み、前期から3円の増配を計画している。
あすのスケジュールでは、取引時間中は目立ったイベントは見当たらないが、後場取引終了後に日本政府観光局から開示される10月の訪日外国人客数にマーケットの関心が向かいそうだ。海外では11月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数、10月の米鉱工業生産指数など。また、この日はバーFRB理事が講演を行う予定でその内容に耳目が集まる。また、個別ではホーム・デポ<HD>の8~10月決算が発表される。(銀)
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