自律反発期待も手控え続く、75日線割れで調整色強まる
明日の東京株式市場見通し
16日の東京株式市場は、きょうまでの2日間で
日経平均株価が664円安と急落していることから、自律反発を想定した買いが見込まれる。ただ一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利引き上げ転換の内容発表を目前にして、手控え姿勢は継続しそうだ。
市場関係者からは「きのう、きょうの大幅続落で、
日経平均株価は終値で75日移動平均線(1万8736円=15日終値)を下回った。これは11月4日以来約1カ月超ぶりのこと。FOMC後に短期間で75日線上に復帰しないと調整が長引く懸念がある」との見方が出ていた。
15日の東京株式市場は、原油市況安や外国為替市場での円高進行などがリスク回避ムードを高め、後場に入ると株価指数先物先導で現物市場でも下げが加速した。
日経平均株価終値は、前日比317円52銭安の1万8565円90銭と大幅続落した。
15日の動意株
システムディ<3804>=後場一時ストップ高。
同社はきょう午後2時に、16年10月期通期の連結業績予想を発表。営業利益は3億1400万円(前期比2.0倍)と見込んでいることが買い手掛かりとなっている。
信越ポリマー<7970>=8日ぶりに反発。
きょう付の化学工業日報で、「マレーシアの生産拠点を増強する。既存工場のなかに車載用キースイッチとプリンター用ローラの設備を新たに導入する」と報じられており、これを好材料視した買いが入っている。記事によると、車載用キースイッチは来年早々、プリンター用ローラは来年後半の稼働を予定しているという。ASEAN(東南アジア諸国連合)などアジア新興国の旺盛な需要に対応するのが狙いで。増産による業績への寄与が期待されている。
トランスジェニック
<2342>=後場に入って動意。
同社はきょう、糖鎖合成および糖鎖解析の受託サービスを開始したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。同社は6月30日に医化学創薬(札幌市)と戦略的資本業務提携を結んでおり、今回の受託サービスはその一環。なお、同社は医化学創薬が実施した第三者割当増資の一部1250株(持ち株割合43.5%)を5000万円で取得している。
ケーヒン<7251>が急伸。
同社は14日の取引終了後、「事業体質強化施策」を発表、16年4月時点で46歳以上の正規従業員を対象に400人程度の早期退職者を募集すると発表した。国内個別の業績は12年3月期以降の営業利益ベースでは赤字基調が続いていることを受けたもの。この発表に対して、ゴールドマン・サックス証券は14日、「市場の趨勢に沿ったアクション」とし「ポジティブに捉えられよう」と指摘した。同証券では、投資判断の「中立」と目標株価2150円は継続している。
イメージワン<2667>=ストップ高。
14日の取引終了後、聖マリアンナ医科大学(川崎市宮前区)と、同社が販売するテレメトリー式心電送信機「duranta」を用いて不整脈を早期発見することで、脳卒中の発症や再発を予防するための共同研究を開始したと発表しており、これを好感した買いが入っている。
ロゼッタ
<6182>=続伸。
14日の取引終了後、12月31日を基準日として1対2株の株式分割を実施すると発表しており、これを好感した買いが入っている。投資単位当たりの金額を引き下げることで一層投資しやすい環境を整え、投資家層のさらなる拡大を図ることが目的という。効力発生日は16年1月1日。
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