東京株式（大引け）＝２６９円高、朝安後切り返し後場に上げ幅広げる

　１０日の東京株式市場は、前日の米株安を受け朝方は日経平均が安く始まったが、その後は一貫して下値を切り上げる展開でプラス圏に浮上、後場も買われて引け際にこの日の高値をつけた。

　大引けの日経平均株価は前営業日比２６９円３２銭高の３万２４７３円６５銭と反発。プライム市場の売買高概算は１６億５３９５万株、売買代金概算は４兆１４１５億円。値上がり銘柄数は１３４０、対して値下がり銘柄数は４４１、変わらずは５４銘柄だった。

　きょうの東京市場は、取引開始直後はリスク回避目的の売りが優勢だった。前日の米国株市場では７月の米消費者物価指数（ＣＰＩ）の発表を控え、買いが見送られる形でＮＹダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落、東京市場でもこの流れを引き継いだ。しかし、外国為替市場でドル高・円安に振れたことが全体相場の支えとなったほか、中国人の日本への団体旅行を中国政府が解禁する方針が伝わり、インバウンド関連株などをはじめ内需株に買いが広がった。また、原油市況の上昇を背景に資源エネルギー関連株にも投資資金が流入し、全体相場はほどなくしてプラス圏に浮上した。なお、個別ではプライム市場全体の７３％にあたる銘柄が値を上げた。売買代金はオプションＳＱ算出日だったこともあり高水準に膨らみ、４兆円台に乗せている。

　個別では、ＩＮＰＥＸ<1605.T>が高水準の商いをこなし急騰したほか、ファーストリテイリング<9983.T>、ダイキン工業<6367.T>なども高い。トヨタ自動車<7203.T>もしっかり。三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ<8306.T>などメガバンクも上昇した。川崎汽船<9107.T>が高く、ホンダ<7267.T>も値を飛ばした。富士フイルムホールディングス<4901.T>が大幅高に買われ、ロート製薬<4527.T>、日本板硝子<5202.T>、長野計器<7715.T>など大きく水準を切り上げている。

　半面、売買代金で断トツのレーザーテック<6920.T>が安く、ソニーグループ<6758.T>、ソシオネクスト<6526.T>なども売られた。オリンパス<7733.T>が大幅安となり、リクルートホールディングス<6098.T>の下げも目立つ。テルモ<4543.T>が軟調、コーセー<4922.T>は大きく下値を試す展開に。円谷フィールズホールディングス<2767.T>がストップ安となったほか、じげん<3679.T>、シンクロ・フード<3963.T>なども急落した。

出所：MINKABU PRESS