【これからの見通し】4月相場は不安定なスタート、一部にショートカバーも

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/04/02 15:53
【これからの見通し】4月相場は不安定なスタート、一部にショートカバーも

 4月の相場は不安定な地合いでスタートしている。昨日は日経平均が一時1000円超安となる弱い展開だった。その後の米株式市場も売りに押されており、ダウ平均は一時1000ドル超安となる場面があった。トランプ米大統領がここ2週間は厳しい状況となると警戒を促した。NY州での感染拡大ペースが加速しており、人工呼吸器の不足が深刻化しているという。医療崩壊が懸念されている。その場合は、イタリアのように急速にパンデミック状態に陥るリスクがある。

 今日の東京市場でも株安の動きとなり、日経平均は246円安で引けた。前日よりは下げ幅が少ないものの、反発力の弱さが気がかりだ。ドル円は前日NY市場で106.92レベルの安値をつけたあとは、今日の東京市場では107.57レベルまで反発。しかし、足元では再び107円台前半へと下げてきている。

 昨日のNY市場では、豪ドルが神経質な動きをみせていた。日本時間午前零時のロンドンフィキシングにかけて一時急上昇する場面があった。豪ドル/ドルは0.60台半ばから0.61台後半へと上昇。しかし、すぐに売り戻されて0.60台後半に落ち着いた経緯がある。豪ドル買いの明確な理由は不明。ただ、現在に至るまで急上昇前の0.60台半ばはサポートされ続けており、ポジションの偏在が残っているのか、大口買いが待ち構えているのか、思惑を呼んでいる。

 きょうは原油相場が急反発している。一部報道によると、中国が国家備蓄向けに原油購入を開始するという。NY原油先物は21ドル近辺から一気に22ドル台半ばまで急伸した。ポンドも含めて、カナダドルやノルウェークローネなど石油関連通貨が買われている。

 コロナ相場で円高圧力が根強いものの、時折、ショートカバーや好材料に沸く場面もあり、極めて神経質な相場の地合いとなっている。

 この後に発表される経済指標は、ユーロ圏生産者物価指数(2月)、カナダ国際商品貿易(2月)、米貿易収支(2月)、米新規失業保険申請件数(28日までの週)、米製造業新規受注(2月)、米耐久財受注・確報値(2月)など。新型コロナの影響を受けた米失業保険申請の急増が話題になっており、きょう発表される数字も事前予想中央値は370万件と通常よりも一桁多い。前回の328.3万件をさらに上回る見込みとなっている。ただ、市場の反応は前回発表時と同様に微妙なものとなりそうだ。
 
MINKABU PRESS 松木秀明

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