金融決定会合を巡り神経質な展開、事前の織り込みに警戒感
明日の東京株式市場見通し
15日の東京株式市場は、来週の日銀金融政策決定会合の内容を巡りさまざまな思惑が広がるなか、その影響を推し量りながらの神経質な展開となりそうだ。14日は、一部でマイナス金利の深掘りとともに超長期国債の買い入れを抑制するとの観測が伝えられるなか、銀行株が売られた半面、金利敏感株の不動産や保険に買いが集まった。これとは別に、15日からはゲーム関連の見本市である「東京ゲームショウ2016」が開幕することから、手掛かり材料不足の地合いのなかで、関連銘柄に物色の矛先が向く可能性もある。
市場関係者からは「マイナス金利の深掘りなど追加緩和策が事前に伝えられると、実際に発表された時点では、材料出尽くしとなる可能性が高く、これに対する警戒感が高まっている。また、追加緩和観測で、1ドル=103円台をつけても、きょうの
日経平均株価は下げ止まる程度で、上昇に転じる勢いは無く、後場後半は株価指数先物先行で下落幅が広がったのが気掛かり」としていた。
14日の東京株式市場は、前日の米株式市場でのNYダウ平均株価の大幅反落などを受け、終始買い手控えられる流れとなった。
日経平均株価は終盤に下げ幅を広げ、終値は前日比114円80銭安の1万6614円24銭と反落した。
14日の動意株
エキサイト<3754>=ストップ高まで買われ、年初来高値を更新。
同社はきょう、「エキサイト翻訳」が米アップルの新基本ソフト「iOS 10」の機能であるiMessage APPに対応したことを明らかにした。エキサイト翻訳は、累計320万ダウンロードを超える翻訳アプリ。今回のiMessage APPへの対応で、ユーザーは翻訳アプリをわざわざ起動することなく、その場で気になるワードやメッセージを翻訳できることに加え、日本語を外国語に翻訳した文章をそのまま送信することもできる。
任天堂<7974>=小幅反発。
前場の売買代金は880億円弱に達し、全上場銘柄のなかできょうも断トツの商いをこなし市場の注目度の高さを反映している。米アップルの今月7日の新製品発表イベントで、任天堂は「スーパーマリオ」の新作をiPhone向けに配信することを発表、これを受けて8日にマドを開けて急騰したものの、その後は戻り売りに押され短期的な調整局面にあった。きょうはその時に開けたマドを寄り後早々の下げでほぼ埋めるかたちとなり、セオリー通り切り返しに転じてきた。
リログループ<8876>=5日ぶりに反発。
13日の取引終了後、海外赴任に関する各種データの販売などを手掛ける米アソシエイツ・フォー・インターナショナル・リサーチ(AIRINC)の株式を取得し、子会社化すると発表しており、これを好感した買いが入っている。今回の買収により、今後は北米はもちろん、欧州やアジアなどでのさらなる市場シェア向上によりAIRINCの業績伸長を目指すほか、同社を足掛かりにリログループが目指す「日本初のグローバル・リロケーションカンパニー」の実現に向けた取り組みを本格化するとしている。
日本アイ・エス・ケイ<7986>=急騰。
14日付の日本経済新聞は、日銀の「総括的な検証」で「今後の金融政策の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針」と伝えた。これを受け、金利低下から銀行預金を引き出し、タンス預金が増えるとの思惑から耐火金庫を手掛ける同社株が買われている。同社株は1月下旬に日銀が初めてマイナス金利政策の採用を発表後、株価が急伸した経緯があるだけに、思惑人気が再燃している格好だ。
バーチャレクス・コンサルティング
<6193>=ストップ高。
同社は13日、賃貸管理ビジネスのコンサルティングサービスを展開しているオーナーズエージェント(東京都新宿区)に、顧客対応業務支援のためのCRMソフトウエア「インスピーリ」を提供したことを明らかにした。インスピーリは、企業と顧客の関係構築に役立つ電話やメール、ウェブ、ファックスなどマルチチャネル対応型の顧客対応履歴管理ソフトウエア。同社では不動産業界向けなどに積極的に推進していくとしている。
ヤーマン<6630>=続急伸し、連日の上場来高値更新。
13日取引終了後、17年4月期の第1四半期(5~7月)連結決算を発表し、売上高は55億6400万円(前年同期比23.9%増)、営業利益は11億700万円(同2.2倍)と大幅な営業増益で着地したことが好材料視されている。通販部門でショッピング専門チャンネル向けは振るわなかったが、その他の販売先が好調だった。また、店販部門で大手家電量販店向け卸売事業における販売形態の直接取引化が一巡し、安定的に売り上げを獲得したことや、免税店向け卸売事業も伸長したことも寄与した。
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