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★★★国際金融のトリレンマ

  金融政策は、全ての政策の基盤になる経済政策の根幹である(おカネが無ければどんな政策でも崩壊)。

 政策を一本の木とするなら金融政策は根っこ。 葉っぱ(企業)やその中の葉緑素の粒々(国民)が幾ら頑張って光合成したところで、根っこの金融政策がおかしければ、木は生い茂らない。 立ち枯れていくばかりである。 これが1990以降(正確には1975以降)の日本の状況である。


 さて、この金融政策の重要テーマである国際金融のトリレンマについて、wikiに分かりやすい解説が載っていた。 分かりにくい解説に書き換えられないうちに転載、補足しておく、、、


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国際金融のトリレンマ、、、以下の3つの政策は同時に実現することができず、同時に2つしか実現できない


固定相場制(1ドル100円で固定等)で自由な資本移動を実現すると、固定相場の対象としている国の金融政策に合わせる必要が生じるため独立した金融政策が行えなくなる。 独立した金融政策を行えないということは、自国の景気が固定相場の対象としてる国と連動してしまうことを意味する。自国の利益と無関係にバブルやデフレに巻き込まれることになる。


固定相場制で独立した金融政策を実現すると、自国の金融政策を拘束することになる外国との自由な資本移動は行えなくなる。 海外からの資本(資金)を活用できないので経済成長はその分、制約されてしまう


したがって先進国では、独立した金融政策と自由な資本移動を実現するために変動相場制を採用するようになった

 先進国は、国際金融のトリレンマに対し、金融政策、資本移動、為替市場の三つを自由化する道を選んだ(それ以前は金融政策の独立、固定相場で資本移動制限であった)。

 これが近年における経済のグローバル化の端緒である。 グローバル化は資本移動の自由化に始まる。 国家間を自由に行き来する資金がグローバル化の始まり 


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金融政策は通貨供給量と短期金利の調整により、国内の景気水準を決める政策だが、この政策は通貨供給量を変えるので、それにより通貨価値が変化し、中長期的に為替相場が変動していくことになる。


同時に金融政策による景気水準の変化はインフレ率の変化となり、それと短期金利の調整により実質金利が変化していく。 この実質金利の変化が各国間の資本移動を決めることになる

 (実質金利が「低くなる」国から「高くなる」国へ資本移動。 低い国から高い国へ

  資本移動でないことに注意)

この資本移動は中短期の為替相場に影響を与える。


金融政策は直接的には国内の景気水準を調整する政策だが、以上のように、為替市場や資本移動にも影響を及ぼす


為替レートは通貨安になるほど、国内経済活動のコスト低下になるので、国際競争力の上で有利になる。 そうするには、他国よりも通貨増大率を上げればいい。


 しかし、通貨増大率を上げすぎると経済成長率は過大になり、国内景気はバブル化する。 バブルが起きれば野放図で非効率な投資が増え、それらは不良債権になっていき、事後、デフレを引き起こす。 これは景気変動を急激にするので、経済的なロスになり、好不況均しの経済成長の下押し要因になる。


 結局、バブルにならず、デフレにもならない「景気中立(インフレ率2%程度)を維持する通貨増大率」が好不況均しの経済成長率を上げるには最適であり、各国がそうした通貨増大率を目指せば、為替レートは互いの競争条件が均衡した適正レートから大きく外れない


 金融政策の最適化により為替レートや資本移動も適正化する


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 実際には各国がエゴの固まりになって通貨安競争をやっても、各国の景気が中立水準になる金融緩和規模で均衡してしまう

 世界的に通貨安競争があるならば、それに積極的に参戦するのが金融政策の最適化につながる


 現在、中国と欧米、その他の新興国はそういう綱引きの最中であり、日本だけがそこに参戦せず、円高状態に甘んじてる。

 現在の日本は民主党政権時代の超円高からそれ以前の普通の円高に戻っただけであり、1990以降の日本経済凋落を起こした円高政策は変わっていない

 アベノミクス以降もコアコアインフレ率が0~1%を行き来し、2014、2015と景気後退が頻発してるのがその証しである。

 黒田日銀(財務官僚主導)は口先と裏腹にアベノミクスを骨抜きにしている


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 中国の異常な緩和策に対し、先進国の緩和規模を適正化するには、新発債の発行やマイナス金利化(欧州が既に実施)が必要になってくる。

 新発債発行で財政出動(減税や期限付きクーポン配布)を行えば緩和効果は格段に上がり、緩和政策の効率性が高まる
 マイナス金利化もまた然り
 通貨供給がダムの水量調整ならば、短期金利はゲート開度に相当するので、中国発のデフレ圧に抗して、市中に通貨を流すには短期金利のマイナス化も重要。
 

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 金融政策は景気水準を調整する政策ゆえ、投資リスク許容度の調整にもなり、生産性の増減にも影響を及ぼす。

 生産性とは「富を生み出す効率」であり、付加価値の増大と原価の低減(効率化)によりそれは上昇する。
 付加価値の増大=新たな製品・サービスの創造にはリスクが伴うので、投資リスク許容度が上がらねばそれは進まない。 リスク許容度が上がり過ぎ野放図な投資が増えても、付加価値増大につながりにくい。
 また、原価の低減(効率化)は余剰資金を生み、それはリスク性の資金にもなっていくので、これも付加価値増大につながる。
 
 金融緩和が過剰で景気がバブル化すると、リスク許容度が過剰になり、野放図な投資が増え、事後のデフレ化と相まって生産性はそれほど上がらない。
 景気がデフレ化するとリスク許容度は過少になり、やはり生産性は増大しにくくなる。

 結局、生産性を効率良く上げるには、リスク許容度を程よく上げる事=景気水準を中立化する事=金融政策を最適化する事が必要になる。

 生産性は好不況均しの経済成長率を決める主因なので、金融政策の最適化は経済成長率を上げるうえでも最適となる。

 なお、人口変動は経済成長にあまり影響しない。
 それは、経済成長率に比し人口の自然変動は小さいからであり、それゆえ経済成長が人口変動に及ぼす影響の方が大きいからである。
 日本は人口減で経済成長低下になってるのでなく、金融緩和過少で長期の景気低迷で低成長長期化で人口減になっている。
 金融政策の最適化は人口減少問題の最も主要な解決策でもある。



11件のコメントがあります
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    futuredreamさん
    2016/1/17 08:55

    こんにちは。

     日本は2000年 ITバブル崩壊後 異例ともいわれた金融緩和を実施、さらに量的緩和 そしていまは安倍政権下黒田日銀は異次元といわれる量的緩和に踏み切っていますがこの緩和策に限界はないのでしょうか。
     日本の現状を見る限り金融緩和が経済成長を支援はしても生み出すことはできない気がしてますが・・・・。

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    jojuさん
    2016/1/17 12:48
     中国が異常な緩和政策を続け、先進国にデフレ圧力をかけ続けているので、先進国の金融政策はそれ以前に比し、異常と思える水準が最適圏になっています。

     それが分かっているのが欧米であり、分かってないのが日本。
     その差が日本経済一人負けになっているのです。

     黒田日銀の金融緩和はコアコアインフレ率が0~1%で推移してることから分かるように過少なんです。そのうえ、消費増税に対する追加緩和も小出しでした。 だから経済成長どころか景気後退頻発になってます。

     金融政策は景気水準を調整する政策ゆえ、投資リスク許容度の調整にもなり、生産性の増減にも影響を及ぼします。
     生産性は好不況均しの経済成長を決める主因なので、結局、金融政策の最適化は経済成長率を上げる上でも最適なのです。

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     中国の異常な緩和策に対し、先進国の緩和規模を適正化するには、新発債の発行やマイナス金利化が必要になってきます。
     新発債発行を財政出動を行えば緩和効果は格段に上がり、緩和政策の効率性も高まります。

     マイナス金利化もまた然りです。 通貨供給がダムの水量調整ならば、短期金利はゲート開度に相当するので、中国発のデフレ圧に抗して、市中に通貨を流すには短期金利のマイナス化も重要です。 



     
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    futuredreamさん
    2016/1/17 15:37
    お答えいただきありがとうございます。真剣に答えていただきこころから感謝です。
    ( 正直私は金融緩和否定派です。というか頼り過ぎと思っています。がそれより私の見識不足も恐れています。ろくに勉強してないので。)

     「異常と思える水準が最適圏に」

    では、中国が異常な緩和政策で国内景気を支えるのが先進国にとってダメージになってるということで、それに対抗して日銀も負けじとさらに大胆な金融緩和に踏み切ればいいのでしょうか。
     アメリカもまだまだ景気加速とはいいがたいので金利引き上げではなくQE4の実施して対抗と。

     正直言うと、無制限の金融緩和が可能なのか、私にはよくわかりません。

     もしできるなら国の経済政策なんてそんなに難しくない。
     まだまだ足らんなと思えばどんどんやればいい。
     日銀だって物価上昇2パーセント実現遠いからまた社会がびっくりする規模でやればいいことになりますね。

     一方でいままで、日本でもアメリカでも欧州でもいくら金融緩和を実施しても国民生活全体を豊かにできてるわけではなくて、日本では少子高齢化、人口減、生産現場の衰退、富の偏在の加速そんなことが進むばかりの現状です。
     本当に効果があるのか疑問なのです。円安によって大企業の利益率が高まっただけのような。小泉さんの時も。

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    jojuさん
    2016/1/17 20:37
     コメントありがとうございます。

     金融政策とは国内景気水準の調整政策(中立化政策)なので、景気が中立水準より低ければ緩和するのが当然と思います。
     国民が景気低迷に苦しむのが良いと思うならば、今の黒田日銀のように緩和しない選択もありますが、それは普通の国ではありえません。

     欧州も新興国もそういうふうに動いており、中国の利下げ、切り下げに対して更に緩和方向にカジを切ってます。

     日銀だけが緩和不足を続けているので、安倍政権が相当な経済音痴でない限り、早晩、日銀に圧力がかかってくるのではないでしょうか?

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     国民生活を第一に考えるなら、びっくりすべきは金融緩和の規模でなく、インフレ率の低さ=景気低迷のひどさの方でしょうね。

     1990以降(正確には1975以降)、そうした金融政策が常態化してることにこそ、驚かれた方がいいと思います(若干の改善が見られた小泉時代も含め)。

     インフレ率が2%目標の金融緩和は無制限になり得ないです。
     詳細は本文に補足しましたし、以前の日記にも書いてますのでそちらをご参照ください。
     他国に合わせて景気中立化への緩和を行っている限り、副作用などなく、むしろ、やらないことで国民の貧困化が進むデメリットがあるだけなのです。

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     今はリーマンショックからの景気回復初動段階だから、欧州は生活改善がそれほどでないでしょうね。
     米国はマスコミ論説が不正確で、データからは国民が潤ってる様が見えます。
     日本のマスコミ論説はかなりテキトー(デタラメ)なので、それを基準に考えても逆噴射になりやすいです。


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    futuredreamさん
    2016/1/18 16:34
    ありがとうございます。

    物価が上昇しない理由について私は別のことを考えています。まとまりがありませんが・・・・・。

     過去においては物の生産には多くの人手と手間が必要で、それを手に入れるためには相応の対価が必要でしたし、また実際大多数の人が物の生産に携わらないと必要とする需要を満たせなかった。

     ところが、今は農産物にしろ、工業製品にしろ機械化が進み産業ロボットも進化、コンピュータを使って生産管理できて、過去に比べてほとんど人間の労働を必要としないぐらいで品物を供給できるようになってきました。
     実際、今の労働人口の中で、生産に携わる人はほんの少数で、圧倒的多数になってきたのはサービス業です。生産に人はいらない。

     つまり、どんなに大量でも物を作ることについてはコストを下げどんどん安く作れるようになってきているということです。

     需要はそれほど大きく増えるわけでありませんから、安くできなければ他に負けてビジネス成り立たない。

     で物は高くならないし、人手はあまり必要としないから給料は安いまま。
     まあ、物は高くないから人々も給料上がらなくても物質的にはそんなに苦労はしないで生活して行ける。

     小泉時代も今も金融緩和して大企業の収益は劇的に向上しましたが、それによって賃金はどうかというと約40%円安で価値目減りしてるのに、賃上げは2,3パーセントあるかどうか。

     向上した収益の大部分は企業の内部留保、あるいは自社株買い、あるいは設備投資に回り、賃金は2の次3の次というのが現実。
     金融緩和が成功だったといえるためにはせめて円安分を補って賃金が上がってこそではないかと。それなら誰もが納得。

     果たして金融緩和だけに頼ってそれが可能か私には全くわかりませんが、過去の事実では、潤ったのは大企業と大株主などの富裕層ばかりという結果。
     アメリカや欧州でも同様。
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    jojuさん
    2016/1/19 21:10
     どうもです。

     企業の生産性の増大は均しで年率数%でしょう。
     一方、中央銀行の通貨供給増大率は年率数十%に出来ます(中国は100%以上でしたよ)

     成しうるオーダーが全然違いますね。

     だから、市中の金回り、景気、インフレ率は、中央銀行の通貨供給量次第なんですよ

     日銀が長期景気低迷の主犯なのは明らかです。
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    futuredreamさん
    2016/1/19 22:01
    私に理解力がないせいかもしれません。ご容赦を。
    お答えいただいて感謝です。私の理解不足があれば正したいとの思いのでお聞きしております。他意はございません。

    たとえば 100円均一にたくさんの商品並んでますよね。

     極端だしそんな単純じゃないかもしれないと思いますが

     安物でも、たわし一個でも手仕事で作っていた。

     いまは、機械で大量生産。100円で。

     それで、とんでもなく物価が下がってる。景気が悪い証拠だ。
     金融緩和で物価上昇させ景気を良くする必要がある?のかな。

     例えば、最新のパソコン。
     その同程度の性能をもつパソコンを20年前に手に入れたいと思えば、億単位のお金があっても買えたかどうか。
     だから、景気が悪くて物価が下がってるとは考えませんよね。

     例が良くないかもしれません。
     物価が下がるということと景気とは簡単に結び付けるわけにいかないと思うのは間違ってますか。
     金融政策でどうこうじゃないのでは。

     また、緩和して通貨の価値が目減りしてしまってるのに、賃金でそれさえも補えないのに国民生活のために金融緩和したというのもおかしな話で、そこははっきり企業利益優先政策なのではありませんか。
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    jojuさん
    2016/1/23 23:58
     100年間の生産性の変動と毎年の通貨供給量の変化を比較して、生産性が重要だと言ってるわけですね。

     生産性と通貨供給量の景気への影響を比較するなら、どちらも年率で論ずべきですよね。

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     景気とは金回りですから、それは物価上昇率とリンクするのです。
     景気と国民生活(雇用増大もしくは報酬増大)とインフレ率はリンクしてますよ
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    futuredreamさん
    2016/1/24 10:56

    johuさんのお考えは、日本、およびアメリカ、欧州などの先進国の経済が停滞してるのは金融緩和が不十分なためで、どこまでも金融緩和することで物価は上昇し、それに伴って必ず経済成長は実現し、企業も発展、賃金も上昇して国民生活も豊かになり、それによって今ある様々な問題もおのずと解決するということでしょうか。

    2000年はじめまでの例ですが、1800年からの200年でアメリカの例ですけど、ドルの実質価値は0.07倍になったそうです。
    一方株価は約600000倍、金価格は1.4倍ぐらい、国債は500倍から1000倍。
    資本主義経済発展の中で株価と国債はおおむね指数関数的な上昇をしてきました。すごいです。
    でも、この発展期と今とでは様子が違うのではないかというのが私の率直な感想です。日本では1990年以降。アメリカでは2007年以降。

    一方で無茶な通貨発行を行ったために通貨暴落ハイパーインフレ起こして経済が全く自国通貨では機能いなくなった国もあります。もちろん大戦後の先進国でそのようなことが起きた国はありませんが。
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    jojuさん
    2016/1/24 17:39
     どこまでも金融緩和とは書いてないですよ。
     景気中立化を維持するように通貨供給を調整せよ、と書いてます。

     1975以降の日本経済の凋落は、通貨供給の不足が主因です。

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     過去200年の経済成長の総和と、リーマン後の10年のデフレ的時代は同列に論じれられないですよ。 同じ10年で論じてください。
     過去200年にも10年のデフレ的時代は度々あります。

     それに世界の成長率は第二次大戦前よりも戦後のほうが高くなってますよ。 平和の長期化によるイノベーションの累積があるからです。


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    futuredreamさん
    2016/1/26 09:35
    ありがとうございました。

    おっしゃることに同意してるわけではありませんが、私なりに見方を深めることができたと思います。

    健闘を祈ります。
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