今年のヘッジファンドはリーマンショック以来の不振に喘いでいるそうですが、
12月決算のヘッジファンドは、45日ルール該当日ギリギリまで手を緩めない可能性があるので
10月最終週までは油断大敵だと思います。
現に9月29日、日経平均株価の前日比-714円という暴落を演出した張本人はCTAだと言われており
その後の急反騰にはイベントドリブン系ヘッジファンドが関与するなど
ハゲタカファンドが今年最後の勝負に出ている様子が窺えます。
ところで、投機筋は26週線に当たる121.86円付近から円買いポジションを積み上げている様で
万一日本株を売り崩すとすれば、1ドル119円以下の円高を演出する可能性があると考えます。
下図は10月6日までの、投機筋による円・建て玉の推移を表しています。
(棒グラフは円のロングとショートを差し引いた枚数)

一方、主に原油相場を手掛けるCTAの関与があるとすれば
底打ちの兆しを見せる原油を再度売り崩し、NY市場に揺さぶりを掛けることも充分考えられます。
因みに、ヘッジファンドの運用成績は、今年前半で平均約3.7%と推察されていますが(ロイター他)
後半に入り、中国発世界同時株安や、米国のバイオ株急落で損失を被り
運用成績がマイナスに転じたヘッジファンドもあることが予想されます。
無論必ずハゲタカ連中が仕掛けて来るとは限りませんが、こうした背景を考えると
米・中の経済指標が悪化した場合や、米国主要企業の不振な決算等に付け込む可能性があるため
少なくとも10月中は要注意ではないかと思います。
(米国主要企業の第三四半期決算予想=各前同比)
売上高-3.3%、経常利益-4.4%、EPS-5.5%
最も不振が予想されるのは原油価格の影響を受けるエネルギー・セクターで全体への影響も大きい。
売上高-38%、EPS-65%
その他の主なセクター(予想EPS)
素材(-19%)、工業(-5%)
消費循環セクター(+9.7%)=自動車、アパレル、レジャー用品、ホテル、レストラン、小売業etc
ヘ ル ス ケ ア(+6.3%)、金融(+3.9%)
<今月の主な留意点>
円相場、原油価格、米・中経済指標、米国主要企業決算、国内企業決算及び業績予想