[11日 ロイター]
ゴールドマン・サックスは来年までの原油価格の見通しを引き下げ、
1バレル=20ドルまで下落する可能性があるとの見方を示した。
供給過剰と中国経済の先行き懸念を理由として挙げた.
/////////////////////////////////////////////////////////////////////
供給過剰の主な原因はOPECが原油市場でのシェア争いを優先し、増産を継続していることですが
中国の景気失速に加え、米国産シェールガスのコストが低下したことなどから
今後石油の需要はさらに低下すると見られています。
因みに原油価格が1バレル20$まで下落すれば、1999年(アジア通貨危機)以来のことになりますが
<1999年の年間平均価格 ➡ WTI(19.17$)、ブレント(17.08$)、ドバイ(17.70$)>
そうなると原油価格に業績が左右され易い業種は注意が必要です。
特に原油価格の下落が業績の下押しに繋がり易い以下の業種は、来年も苦戦する恐れがありそうです。
[石油・エネルギープラント、石油開発、石炭、代替エネルギー、シェールガス開発etc]
但し石油精製企業や商社の場合は、既に原油価格はかなり下落していますから
ここから先の下落に対する評価損の影響は軽微だと考えています。
(5002勝和シェル石油、5020JXH.D、8031三井物産など)
尤も原油価格が安値圏にあるうちが、関連企業の株は買い場だという考え方もあり
ざっくりですが、短~中期的には売り、長期的には買いのスタンスで大きなズレはななさそうです。
ところで昨夜のダウは102ドル上昇しましたが、CME円建ては18090円(前日比-80円)でした。
NY市場は週末にFOMCを控えているため、暫く乱高下を繰り返す可能性が高く
来週の東京市場もその煽りをまともに受ける様な気がします。
大方の予想は、FRBが中国の景気後退や新興国経済に配慮するのでは?としていますが
利上げの先送りが株式市場にとってプラスに働くとは限らず
疑心暗鬼相場の延長や、円高に振れる可能性を考慮すると、むしろマイナスかも知れません。
従って、このまま不安定な相場が続けば、9月の権利取りはリスクが高そうですね。
あくまでも個人的な見解ですが
仮に2%の配当を取りに行っても、株価が3%以上下落すれば意味が無いと考える投資家が
今年は例年以上に多いのではないでしょうか。
9月は一年を通じて株価が最も低迷するというアノマリーは、どうやら今年も健在の様です。