まさに先週のNY市場は売りが売りを呼ぶ展開になりましたが
根底には昨年来充満していた高値警戒感と
来月に迫った財政協議が今まで以上に難航するのではないかという懸念から連日利益確定売りが先行し
さらにそこを狙った売り仕掛けが加わって大幅な株価下落に繋がったのだと思います。
何故なら、QE3の縮小と新興国経済(通貨安)の関連性は当初から予測されていたことで
個人的には何を今更と言いいたいところですが
相場が自分の考え通りに動いた例は滅多に無いので納得するしかありません![]()
恐らく相場の世界には心理戦を巧みに利用する輩が存在しているからそうなるのでしょうね。
確かに新興国の通貨安が進んでいるのは事実ですが、先進国の景気が順調に回復すれば
輸出が活発な国は立ち直りも早いと思います。
以下は昨年の新興国の輸出入バランスですが
大幅な輸入超過 → インド、香港、トルコ
やや輸入超過 → タイ、フィリピン、インドネシア、ミャンマーなど
輸出超過 → シンガポール、マレーシア、ブラジル、ベトナム、アルゼンチンなど
この中でベトナムと香港は事実上ドルペッグ制を採用しており
ベトナムの場合はドルが買われると経常収支の悪化に繋がる恐れがあります。
またインドネシアは経常赤字や外貨建ての債務が大きい上に
資源の輸出を制限したことから輸出入のバランスがさらに悪化する可能性があり
これら両国に関しては経済の回復がかなり難航する様な気がします。
ところで通貨安が問題となっている国にブラジル、アルゼンチン、メキシコなどがありますが
これら中南米に対する与信残高は圧倒的にスペインが大きく(ブラジルに対しては約1800億ドル)
中南米諸国の景気悪化がスペイン経済を直撃する可能性も侮れません。
現在スペインの銀行はおよそ1800億ユーロの不良債権を抱えており
そのうち5行は破綻の危機にあるとも言われています。
また今年5月に行われる欧州議会選挙は混乱が予想されており
選挙の結果如何ではユーロ危機が再燃するとの見方も根強い様です。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYEA0M03B20140123
さて東京市場に話を戻しますが
取り敢えず週明けの日経平均株価は15000円の攻防になりそうです。
またテクニカル的には3つの移動平均線が意識されると思います。
①75日線(15109円) ②100日線(14881円) ③200日線(14353円)
何れにしても為替次第ということになりそうですが
75日線を死守するためには1ドル103円台の回復が条件になりそうですし
逆に90円台に突入すれば200日線が意識されることになると思います。
ここで問題となるのが週明けにNK225が15000円を割り込んだ場合、絶好の買い場と考えるか
それとも200日線を意識して暫く様子を見る方が賢明かの判断だと思います。
折しも四半期決算の時期が近づいていることもあり
為替の判断は極めて重要な意味を持つと思います。
万一来週1ドル100円前後、1ユーロ140円前後の状況が続けば
企業の通期業績見込みは慎重にならざるを得ないでしょうし
最悪の場合、見込みの段階でEPS1000円(現状996.21円)も怪しくなる可能性があります。
そうなると気になるのが昨年日本株を史上最高の15兆円も買い越した海外勢の出方です。
因みに、2014年度の実質成長率についてIMFの予測は先進国2.2%(世界全体3.7%、日本1.7%)
これに対して日本政府の予想は1.4%となっており
この見通しが海外勢の日本株に対するウェイトに影響するかどうかも見届けたいポイントの一つです。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL230PL_T20C14A1000000/
従って個人的には既に買ってしまった銘柄はそのままホールドするとして
日経平均が100日線以上で下げ止まるかどうか(出来れば75日線以上)
為替が早い段階で1ドル103円台を回復するか(出来れば104円台を窺う水準)
この辺りを来週以降投資判断の基準にしようと考えています。
ただ私が慎重になる時は「案ずるより産むが易し」という結果になることが多いので・・・(^_^;)