今週のポイントは何と言っても18日のFOMC終了後に行われる
バーナンキ議長による最後の公式記者会見の内容だと思います。(日本時間19日、AM4時)
ところで米国の11月非農業部門雇用者数は前月比20.3万人増、失業率も7.0%へ低下し
QE3の早期縮小が益々現実味を帯びて来たと思います。
しかし年末商戦が今一つ伸び悩んでいることもあり、株式市場は依然疑心暗鬼相場が続いています。
先日一営業日でVIX指数が11%近く上昇しましたが、その後もジリジリ上昇している事実が
投資家の迷いを象徴している様に思えます。
またバーナンキ議長のFOMC出席は今回が最後になる可能性があり
「最後の花道を飾る」という意味で
市場の反応を探る目的を含め年内に僅かでも資産購入を減らすのではないかという見方もある様です。
何れにしても来年度のFOMCでは投票権を有する委員がタカ派にシフトすることから
遅くても来春辺りには縮小が開始される可能性が高い様な気がします。
因みにQE3の年内縮小開始については既に5月頃から牽制球が投げられており
市場はある程度織り込み済みではないかという意見が主流になっています。
つまり世界的な株価の下落や、新興国からの資金流出が再燃することは考え難いという判断ですが
個人的には「織り込み済み」という判断は発言者の思い込みであることが多く
予想が的中する確率は50%程度だと考えています。(過去に何度も騙されたので
)
その根拠は、米国の経済成長が加速しているという判断は専門家の考えであり
国民の多くが景気回復を疑問視している実態が明らかになっていることです。
例えばブルームバーグが行った国民の意識調査によれば
景気拡大のペースが今後1年間にさらに加速すると回答した人は27%に止まり
44%がほぼ同じ、28%は悪化を予想しています。
次に国内市場ですが
16日の日銀短観や18日に発表される貿易統計が注目されると思いますが
内容はそれぞれ思わしくないとの事前予想が大勢を占めている様です。
しかし何よりも現実的な関心事はやはりQE3の縮小に対する市場の反応でしょう。
特に為替は気になるところですが、QE3の縮小時期が早まりそうなら年内に1ドル105円以上
逆に来春以降というニュアンスであれば一時的に100~101円台に逆戻りすることもありそうです。
何れにしてもアベノミクス相場は早々と冬眠中なので
年末年始の株価はQE3の行方と為替に振り回されることになりそうです。