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丹青社のニュース
*12:10JST 日経平均は反発、日本株の相対的強さ光るも短期筋の買い余力は徐々に低下
日経平均は反発。342.49円高の33049.01円(出来高概算7億5761万株)で前場の取引を終えている。
13日の米株式市場でダウ平均は70.46ドル安(-0.20%)と続落、ナスダック総合指数は+0.29%と反発。8月消費者物価指数(CPI)は予想を上回ったが、利上げサイクル終了の軌道を修正する内容ではないとの見方から買いが先行。ダウ平均は終盤にかけ下落に転じたが、長期金利の低下を背景にハイテクは概ね堅調に推移した。
米CPIを波乱なく消化できた安心感から日経平均は219.02円高からスタート。寄り付き直後は心理的な節目を前にもみ合いが続いていたが、時間外取引の米株価指数先物が大幅に上昇していることが支援材料となり、景気敏感株からハイテク株まで買われるなか、日経平均は前場中ごろには33085.86円(379.34円高)まで上昇した。
個別では、出光興産<5019>、ENEOS<5020>の石油・石炭製品、東京鐵鋼<5445>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、東北電力<9506>、東京電力HD<9501>の電気・ガス、野村<8604>、大和証G<8601>の証券、第一生命HD<8750>、T&DHD<8795>の保険、帝人<3401>、東レ<3402>の繊維製品、レンゴー<3941>、王子HD<3861>のパルプ・紙などバリュー(割安)系が全般強い。ほか、HOYA<7741>、東京精密<7729>、TOWA<6315>、東エレク<8035>、ディスコ<6146>、イビデン<4062>、TDK<6762>の半導体関連やハイテクの一角も高い。決算が好感されたトルク<8077>、丹青社<9743>、鳥貴族HD<3193>などは大幅に上昇。
一方、国内証券が投資判断を引き下げた川崎汽船<9107>が大きく下落。7月機械受注の下振れが嫌気されたかファナック<6954>、オークマ<6103>などが軟調。英半導体設計大手アームの公開価格が決定したソフトバンクG<9984>は材料出尽くし感から下落。小糸製作所<7276>は外資証券による投資判断の格下げで大幅安。エイチ・アイ・エス<9603>、ヤーマン<6630>は決算が失望されて大きく下落している。
セクターでは石油・石炭製品、鉄鋼、精密機器が上昇率上位に並んでいる一方、空運、ゴム製品、海運、鉱業のみが下落している。東証プライム市場の値上がり銘柄が全体の57%、対して値下がり銘柄は38%となっている。
前日の米株式市場ではダウ平均は下落、ナスダック総合指数は上昇したものの上昇率は0.29%と小幅だった。これに対し、日経平均は1%を超える上昇率で33000円を回復するなど想定以上の強い動きを見せている。東京証券取引所による改革要請や中間配当の権利取りを狙った動きのほか、日米の金利先高観などを背景に引き続きバリュー(割安)系が全体的に強い動きを見せている。加えて、米消費者物価指数(CPI)を波乱なく通過できことを材料に指数寄与度の大きいハイテク株に買いが入っていることが好影響を与えているようだ。また、為替の円安基調が維持されている点、13日に発足した第2次岸田内閣による今後の経済対策への期待なども寄与しているもよう。
一方、米8月CPIは総合指数が前年同月比+3.7%と7月(+3.2%)から加速し、市場予想(+3.6%)を上回った。前月比は+0.6%と予想に一致したが7月(+0.2%)からは大きく加速。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同月比では+4.3%と予想に一致し、7月(+4.7%)からは鈍化したが、モメンタムを示す前月比は+0.3%と予想(+0.2%)を上回った。上振れ幅が大きくなかったことで、株式市場は神経質に反応しなかったが、総じて上振れ気味で米金融政策の先行き不透明感を強める内容だったといえる。
また、警戒されている原油市況については、国際エネルギー機関(IEA)が13日、サウジアラビアとロシアによる減産延長を理由に、2023年後半には大幅な供給不足が生じる恐れがあると警告した。12日の石油輸出国機構(OPEC)の月報も供給不足に懸念を示しており、立て続けの警告となった。今後の原油市況は引き続きインフレ・金融政策動向のリスク要因になりそうだ。
日本株の世界株に対する相対的な強さが光っているが、やや気がかりな点もある。東京証券取引所が13日に公表したプログラム売買に係る現物株式の売買状況によると、9月8日時点の裁定残高はネットベースで1兆2983.82億円の買い越しとなり、前週(1兆2104.03億円の買い越し)から増加した。ネットの買い越し金額は2021年以降のレンジ上限に近い水準にまで増加してきた。海外短期筋の先物買いが裁定買い(現物買い・先物売り)を誘発してきたことが読み取れるが、そろそろ短期筋の買い余力は限られてきたと推察される。
本日、33000円を回復している日経平均も心理的な節目では売り買いが拮抗しているようで、決して上値が軽いようには見えない。本日の後場も33000円を維持して終えられるかが目先の焦点になりそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
13日の米株式市場でダウ平均は70.46ドル安(-0.20%)と続落、ナスダック総合指数は+0.29%と反発。8月消費者物価指数(CPI)は予想を上回ったが、利上げサイクル終了の軌道を修正する内容ではないとの見方から買いが先行。ダウ平均は終盤にかけ下落に転じたが、長期金利の低下を背景にハイテクは概ね堅調に推移した。
米CPIを波乱なく消化できた安心感から日経平均は219.02円高からスタート。寄り付き直後は心理的な節目を前にもみ合いが続いていたが、時間外取引の米株価指数先物が大幅に上昇していることが支援材料となり、景気敏感株からハイテク株まで買われるなか、日経平均は前場中ごろには33085.86円(379.34円高)まで上昇した。
個別では、出光興産<5019>、ENEOS<5020>の石油・石炭製品、東京鐵鋼<5445>、神戸製鋼所<5406>の鉄鋼、東北電力<9506>、東京電力HD<9501>の電気・ガス、野村<8604>、大和証G<8601>の証券、第一生命HD<8750>、T&DHD<8795>の保険、帝人<3401>、東レ<3402>の繊維製品、レンゴー<3941>、王子HD<3861>のパルプ・紙などバリュー(割安)系が全般強い。ほか、HOYA<7741>、東京精密<7729>、TOWA<6315>、東エレク<8035>、ディスコ<6146>、イビデン<4062>、TDK<6762>の半導体関連やハイテクの一角も高い。決算が好感されたトルク<8077>、丹青社<9743>、鳥貴族HD<3193>などは大幅に上昇。
一方、国内証券が投資判断を引き下げた川崎汽船<9107>が大きく下落。7月機械受注の下振れが嫌気されたかファナック<6954>、オークマ<6103>などが軟調。英半導体設計大手アームの公開価格が決定したソフトバンクG<9984>は材料出尽くし感から下落。小糸製作所<7276>は外資証券による投資判断の格下げで大幅安。エイチ・アイ・エス<9603>、ヤーマン<6630>は決算が失望されて大きく下落している。
セクターでは石油・石炭製品、鉄鋼、精密機器が上昇率上位に並んでいる一方、空運、ゴム製品、海運、鉱業のみが下落している。東証プライム市場の値上がり銘柄が全体の57%、対して値下がり銘柄は38%となっている。
前日の米株式市場ではダウ平均は下落、ナスダック総合指数は上昇したものの上昇率は0.29%と小幅だった。これに対し、日経平均は1%を超える上昇率で33000円を回復するなど想定以上の強い動きを見せている。東京証券取引所による改革要請や中間配当の権利取りを狙った動きのほか、日米の金利先高観などを背景に引き続きバリュー(割安)系が全体的に強い動きを見せている。加えて、米消費者物価指数(CPI)を波乱なく通過できことを材料に指数寄与度の大きいハイテク株に買いが入っていることが好影響を与えているようだ。また、為替の円安基調が維持されている点、13日に発足した第2次岸田内閣による今後の経済対策への期待なども寄与しているもよう。
一方、米8月CPIは総合指数が前年同月比+3.7%と7月(+3.2%)から加速し、市場予想(+3.6%)を上回った。前月比は+0.6%と予想に一致したが7月(+0.2%)からは大きく加速。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同月比では+4.3%と予想に一致し、7月(+4.7%)からは鈍化したが、モメンタムを示す前月比は+0.3%と予想(+0.2%)を上回った。上振れ幅が大きくなかったことで、株式市場は神経質に反応しなかったが、総じて上振れ気味で米金融政策の先行き不透明感を強める内容だったといえる。
また、警戒されている原油市況については、国際エネルギー機関(IEA)が13日、サウジアラビアとロシアによる減産延長を理由に、2023年後半には大幅な供給不足が生じる恐れがあると警告した。12日の石油輸出国機構(OPEC)の月報も供給不足に懸念を示しており、立て続けの警告となった。今後の原油市況は引き続きインフレ・金融政策動向のリスク要因になりそうだ。
日本株の世界株に対する相対的な強さが光っているが、やや気がかりな点もある。東京証券取引所が13日に公表したプログラム売買に係る現物株式の売買状況によると、9月8日時点の裁定残高はネットベースで1兆2983.82億円の買い越しとなり、前週(1兆2104.03億円の買い越し)から増加した。ネットの買い越し金額は2021年以降のレンジ上限に近い水準にまで増加してきた。海外短期筋の先物買いが裁定買い(現物買い・先物売り)を誘発してきたことが読み取れるが、そろそろ短期筋の買い余力は限られてきたと推察される。
本日、33000円を回復している日経平均も心理的な節目では売り買いが拮抗しているようで、決して上値が軽いようには見えない。本日の後場も33000円を維持して終えられるかが目先の焦点になりそうだ。
(仲村幸浩)
<AK>
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