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小田急電鉄のニュース
*13:24JST テラスカイ Research Memo(4):ソリューション事業が売上高の90%以上を占める
■クラウドサービス市場の動向と事業内容
2. 事業内容
テラスカイ<3915>の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2023年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で90.2%、営業利益で107.7%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が14%前後と比較的安定した水準で推移している。同事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率が15%程度となっており、開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性によって利益率が変動することになる。ここ数年は不採算プロジェクトも殆どなく、受注好調により稼働率も高水準が続いていることから、利益率も安定して推移している。特にSalesforce関連の案件に関しては国内トップクラスのエンジニアを抱えており、難易度の高い案件も手掛けることが可能なため、価格競争も受け難いポジションを確立している。
一方、製品事業の利益率は期によって変動が大きい。売上規模がまだ小さいため、売上高や開発費の増減が利益率に大きく影響を与えるためだ。特に、2022年2月期以降は大型案件が一巡したことや「mitoco」の開発費負担増により2期連続で赤字となったが、2024年2月期以降は開発費がピークアウトすることやストック収入の積み上がりにより、収益性も向上するものと予想される。
また、売上構成比をクラウド別で分けると2023年2月期はSalesforce関連が62%、IaaS関連(AWS、GCP等)が38%となった。Salesforce関連の売上構成比が2020年2月期の69%から7ポイント低下したが、これは製品事業において2020年2月期にSalesforce関連の大型導入案件の売上貢献があり、同プロジェクトが一巡したこと、子会社で展開するIaaS関連もリソース強化により順調に成長していることが要因であり、実額ベースではSalesforce関連の売上高も2ケタ成長を続けている。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システム等の要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、セールスフォースとSalesforceのライセンス販売契約を締結し、導入支援を展開している。Salesforceを中心としたクラウドシステムの累計導入実績は同社単体で6,500件超(グループで16,000件超)と国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野で強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。また、売上高の5割超は既存顧客からの保守・運用料や継続・追加開発案件で占められる。Salesforceを導入した場合、新機能の追加も含めて開発が継続するケースが大半であり、その場合は最初に導入支援を行ったクラウド・インテグレーターが継続して受注することになる。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも顧客要望があれば対応可能)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWS等のクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供している。そのほか、売上規模としてはまだ小さいがテラスカイ・テクノロジーズやCuon、リベルスカイ、Quemix、DiceWorks、タイ子会社の事業がソリューション事業に含まれている。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っているほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、Salesforceの画面開発ツールとなる「SkyVisualEditor」、他システムとのスムーズなデータ連携を実現する「DataSpider Cloud」、Salesforce上で提供するグループウェア「mitoco」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスク売上)に分けられ、2023年2月期のストック売上比率は前期の88%から91%まで上昇した。
2023年2月期のストック売上の内訳をサービス別で見ると、「DataSpider Cloud」が36%、「SkyVisualEditor」が29%、「mitoco」が27%と3製品で90%を超えている。「DataSpider Cloud」は顧客企業が自社で所有するオンプレミスのシステムと、Salesforceなど各種クラウドサービスのデータを自動連携するツールとなる。構成比率が前期の43%から36%と低下したのは、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い売上高を総額表示から純額表示に変更した影響※によるもので、実額ベースでは堅調に推移している。また、各企業が業務内容に合わせてSalesforceの画面を使い勝手の良いように簡単に仕様をカスタマイズできるツールである「SkyVisualEditor」は、業界のデファクト製品としての地位を確立している。
※セゾン情報システムズとの共同開発品であり、セゾン情報システムズのレベニューシェア分を2023年2月期より売上高及び売上原価から控除した。営業利益への影響は無い。
注力製品として開発を強化してきたグループウェアの「mitoco」も、コロナ禍を契機に様々な企業でテレワークの導入が進むなか、導入社数が着実に増加している。「mitoco」を導入すれば、Salesforceのライセンスを追加購入しなくても、Salesforceのカレンダーや取引先、取引先責任者などの情報を共有できるほか、営業部門が利用するSalesforceと、全社員が利用するスケジュールやワークフローシステム等の情報の分断がなくなり、顧客を中心に情報が一元管理されることで業務が効率化され、Salesforceの活用が一段と促進されることが最大の特徴となっている。2021年12月に経費清算、2022年8月に勤怠管理の機能も相次いでリリースするなど機能拡充も図っている。IT製品・クラウドサービスのユーザーレビュープラットフォーム「ITreview」の投稿をもとに評価の高かった製品・サービスを表彰する「ITreview Grid Award 2023 Spring」では、「Salesforce拡張機能部門」で最高評価の「Leader」を、「グループウェア部門」でも「High Performer」を受賞するなどユーザー評価は高く、認知度の向上とともに今後の成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業内容
テラスカイ<3915>の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2023年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で90.2%、営業利益で107.7%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が14%前後と比較的安定した水準で推移している。同事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率が15%程度となっており、開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性によって利益率が変動することになる。ここ数年は不採算プロジェクトも殆どなく、受注好調により稼働率も高水準が続いていることから、利益率も安定して推移している。特にSalesforce関連の案件に関しては国内トップクラスのエンジニアを抱えており、難易度の高い案件も手掛けることが可能なため、価格競争も受け難いポジションを確立している。
一方、製品事業の利益率は期によって変動が大きい。売上規模がまだ小さいため、売上高や開発費の増減が利益率に大きく影響を与えるためだ。特に、2022年2月期以降は大型案件が一巡したことや「mitoco」の開発費負担増により2期連続で赤字となったが、2024年2月期以降は開発費がピークアウトすることやストック収入の積み上がりにより、収益性も向上するものと予想される。
また、売上構成比をクラウド別で分けると2023年2月期はSalesforce関連が62%、IaaS関連(AWS、GCP等)が38%となった。Salesforce関連の売上構成比が2020年2月期の69%から7ポイント低下したが、これは製品事業において2020年2月期にSalesforce関連の大型導入案件の売上貢献があり、同プロジェクトが一巡したこと、子会社で展開するIaaS関連もリソース強化により順調に成長していることが要因であり、実額ベースではSalesforce関連の売上高も2ケタ成長を続けている。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システム等の要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、セールスフォースとSalesforceのライセンス販売契約を締結し、導入支援を展開している。Salesforceを中心としたクラウドシステムの累計導入実績は同社単体で6,500件超(グループで16,000件超)と国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野で強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。また、売上高の5割超は既存顧客からの保守・運用料や継続・追加開発案件で占められる。Salesforceを導入した場合、新機能の追加も含めて開発が継続するケースが大半であり、その場合は最初に導入支援を行ったクラウド・インテグレーターが継続して受注することになる。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも顧客要望があれば対応可能)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWS等のクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供している。そのほか、売上規模としてはまだ小さいがテラスカイ・テクノロジーズやCuon、リベルスカイ、Quemix、DiceWorks、タイ子会社の事業がソリューション事業に含まれている。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っているほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、Salesforceの画面開発ツールとなる「SkyVisualEditor」、他システムとのスムーズなデータ連携を実現する「DataSpider Cloud」、Salesforce上で提供するグループウェア「mitoco」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスク売上)に分けられ、2023年2月期のストック売上比率は前期の88%から91%まで上昇した。
2023年2月期のストック売上の内訳をサービス別で見ると、「DataSpider Cloud」が36%、「SkyVisualEditor」が29%、「mitoco」が27%と3製品で90%を超えている。「DataSpider Cloud」は顧客企業が自社で所有するオンプレミスのシステムと、Salesforceなど各種クラウドサービスのデータを自動連携するツールとなる。構成比率が前期の43%から36%と低下したのは、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い売上高を総額表示から純額表示に変更した影響※によるもので、実額ベースでは堅調に推移している。また、各企業が業務内容に合わせてSalesforceの画面を使い勝手の良いように簡単に仕様をカスタマイズできるツールである「SkyVisualEditor」は、業界のデファクト製品としての地位を確立している。
※セゾン情報システムズとの共同開発品であり、セゾン情報システムズのレベニューシェア分を2023年2月期より売上高及び売上原価から控除した。営業利益への影響は無い。
注力製品として開発を強化してきたグループウェアの「mitoco」も、コロナ禍を契機に様々な企業でテレワークの導入が進むなか、導入社数が着実に増加している。「mitoco」を導入すれば、Salesforceのライセンスを追加購入しなくても、Salesforceのカレンダーや取引先、取引先責任者などの情報を共有できるほか、営業部門が利用するSalesforceと、全社員が利用するスケジュールやワークフローシステム等の情報の分断がなくなり、顧客を中心に情報が一元管理されることで業務が効率化され、Salesforceの活用が一段と促進されることが最大の特徴となっている。2021年12月に経費清算、2022年8月に勤怠管理の機能も相次いでリリースするなど機能拡充も図っている。IT製品・クラウドサービスのユーザーレビュープラットフォーム「ITreview」の投稿をもとに評価の高かった製品・サービスを表彰する「ITreview Grid Award 2023 Spring」では、「Salesforce拡張機能部門」で最高評価の「Leader」を、「グループウェア部門」でも「High Performer」を受賞するなどユーザー評価は高く、認知度の向上とともに今後の成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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