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トーセイのニュース
日経平均は4日ぶり反落。126.71円安の22587.73円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
連休明けとなった6日の米株式市場でNYダウは続伸し、459ドル高となった。中国政府系メディアの論説を受けて上海総合指数が大幅高となり、米株式市場でも買いが先行。6月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数が予想以上の改善を示すと、投資家心理が一段と上向いた。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日連続で過去最高値を更新。ただ、日経平均は前日、中国株高につれて400円超上昇しており、本日は利益確定売り優勢で64円安からスタートした。朝方は上海総合指数の動向を見極めたいとの思惑などから前日終値近辺でもみ合う展開だったが、前場中ごろを過ぎると22540.44円(174.00円安)まで下落する場面があった。
個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで3%超の上昇。出資先である中国アリババ集団や米レモネードの株価が大幅高となり、買い材料視されている。レーザーテック<6920>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株の一角も上げが目立ち、東エレク<8035>は連日の上場来高値更新で3万円台に乗せる場面もあった。その他では任天堂<7974>やキーエンス<6861>が堅調。主力行による金融支援が報じられたサンデンHD<6444>は急伸し、決算が好感されたキャリアリンク<6070>はストップ高水準での買い気配となっている。一方、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、ソニー<
6758>などが軟調。ガンホー<3765>やGMOクラ<3788>は急反落し、業績下方修正のトーセイ<8923>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、鉱業、医薬品、銀行業などが下落率上位。半面、精密機器、その他製品、サービス業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の70%、対して値上がり銘柄は27%となっている。
日経平均は前日までの上昇で足元のもち合いレンジ上限に到達。本日は一転して利益確定売り優勢の展開となっている。注目の上海総合指数は朝高後に伸び悩む場面が見られた。米非製造業景況感の急改善は投資家心理の支えとなるだろうが、6月雇用統計と同様にサプライズと捉える向きは少なくなってきているようだ。売買代金上位を見るとハイテクを中心とした値がさ株がおおむね堅調。ただ、ファーストリテやソニーが反落し、時価総額上位の自動車株や金融株も軟調となっている。米国では株高にもかかわらず長期金利が伸び悩み、バリュー(割安)株は買われにくいだろう。為替の円高進行も重し。業種別騰落率は値がさ株のインパクトで強弱分かれている印象だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆1000億円ほどと、米国の休場明けとあってやや増えている。
新興市場ではマザーズ指数が3日続伸しているが、1010pt近辺に位置する25日移動平均線水準で伸び悩んでいる。長期金利の伸び悩みやハイテク株高の流れが追い風となるだろうが、やはり先週の急落で株価トレンドや株式需給が悪化した銘柄が多いだけに、戻り待ちの売りが出やすい。こうしたなか、前期の好業績が確認されたSansan<4443>はマザーズ主力のなかでも株価が出遅れていたため、見直し買いが入りやすいだろう。本日マザーズへ新規上場したBエンジニア<7352>は買い気配が続いており、本日は初値が付きそうにない。
売り一巡後の上海総合指数は1%前後の上昇で推移し、円相場も1ドル=107.20円近辺で上げ一服となっている。外部環境は悪くないが、前引けの東証株価指数(TOPIX)
が0.48%の下落となったため、日銀による上場投資信託(ETF)買い実施は期待しづらい。今週は後述する需給イベントもあり、後場の日経平均は軟調もみ合いが続くとみておきたい。
さて、前日の日経平均は中国株高を手掛かりに大方の想定以上の上昇となった。ただ、東証1部売買代金は1兆8000億円程度にとどまり、現物株の売買はやや低調だったと言える。一方で先物手口を見ると、クレディ・スイス証券や野村證券が日経平均先物を買い越しており、これが日経平均の上昇をけん引したとみられる。商品投資顧問
(CTA)の持ち高はこのところロング(買い持ち)からショート(売り持ち)にやや傾いていたという。個人投資家が日経ダブルイン<1357>の持ち高を増やしていたことは既に当欄でも紹介したとおりで、これら投資家が持ち高解消に動いたのが前日の上昇の主因であると考えられる。
「こう着相場からの買い戻し主導での上放れ」は当欄で従前から予想しているシナリオだが、中国株高をきっかけに想定より早めに買い戻しの動きが出てしまった感はある。以前触れたとおり、今週は8日や10日を中心にETFの分配金捻出に絡んだ売りが7000億円規模で発生するとみられている。日経平均もいったんは下押しする可能性があるが、もち合いレンジ内での調整にとどまれば、株価変動率(ボラティリティー)の低下も進んでいるだけに更なる買い戻しを誘いそうだ。
なお、スペースの都合で本日は触りのみにとどめるが、米実質金利の低下などに伴うグロース(成長)株優位が続くものの、今月下旬からの4-6月期決算発表をきっかけに短期的なバリュー(割安)株のリバーサル(株価の反転上昇)の動きも出てくるだろう。しかし、決算発表一巡後は夏枯れでの波乱相場が警戒されるなか、グロース優位に戻るとみている。これらの話はまた次回以降としたい。
(小林大純)
<AK>
連休明けとなった6日の米株式市場でNYダウは続伸し、459ドル高となった。中国政府系メディアの論説を受けて上海総合指数が大幅高となり、米株式市場でも買いが先行。6月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数が予想以上の改善を示すと、投資家心理が一段と上向いた。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日連続で過去最高値を更新。ただ、日経平均は前日、中国株高につれて400円超上昇しており、本日は利益確定売り優勢で64円安からスタートした。朝方は上海総合指数の動向を見極めたいとの思惑などから前日終値近辺でもみ合う展開だったが、前場中ごろを過ぎると22540.44円(174.00円安)まで下落する場面があった。
個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで3%超の上昇。出資先である中国アリババ集団や米レモネードの株価が大幅高となり、買い材料視されている。レーザーテック<6920>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株の一角も上げが目立ち、東エレク<8035>は連日の上場来高値更新で3万円台に乗せる場面もあった。その他では任天堂<7974>やキーエンス<6861>が堅調。主力行による金融支援が報じられたサンデンHD<6444>は急伸し、決算が好感されたキャリアリンク<6070>はストップ高水準での買い気配となっている。一方、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>、ソニー<
6758>などが軟調。ガンホー<3765>やGMOクラ<3788>は急反落し、業績下方修正のトーセイ<8923>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、鉱業、医薬品、銀行業などが下落率上位。半面、精密機器、その他製品、サービス業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の70%、対して値上がり銘柄は27%となっている。
日経平均は前日までの上昇で足元のもち合いレンジ上限に到達。本日は一転して利益確定売り優勢の展開となっている。注目の上海総合指数は朝高後に伸び悩む場面が見られた。米非製造業景況感の急改善は投資家心理の支えとなるだろうが、6月雇用統計と同様にサプライズと捉える向きは少なくなってきているようだ。売買代金上位を見るとハイテクを中心とした値がさ株がおおむね堅調。ただ、ファーストリテやソニーが反落し、時価総額上位の自動車株や金融株も軟調となっている。米国では株高にもかかわらず長期金利が伸び悩み、バリュー(割安)株は買われにくいだろう。為替の円高進行も重し。業種別騰落率は値がさ株のインパクトで強弱分かれている印象だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆1000億円ほどと、米国の休場明けとあってやや増えている。
新興市場ではマザーズ指数が3日続伸しているが、1010pt近辺に位置する25日移動平均線水準で伸び悩んでいる。長期金利の伸び悩みやハイテク株高の流れが追い風となるだろうが、やはり先週の急落で株価トレンドや株式需給が悪化した銘柄が多いだけに、戻り待ちの売りが出やすい。こうしたなか、前期の好業績が確認されたSansan<4443>はマザーズ主力のなかでも株価が出遅れていたため、見直し買いが入りやすいだろう。本日マザーズへ新規上場したBエンジニア<7352>は買い気配が続いており、本日は初値が付きそうにない。
売り一巡後の上海総合指数は1%前後の上昇で推移し、円相場も1ドル=107.20円近辺で上げ一服となっている。外部環境は悪くないが、前引けの東証株価指数(TOPIX)
が0.48%の下落となったため、日銀による上場投資信託(ETF)買い実施は期待しづらい。今週は後述する需給イベントもあり、後場の日経平均は軟調もみ合いが続くとみておきたい。
さて、前日の日経平均は中国株高を手掛かりに大方の想定以上の上昇となった。ただ、東証1部売買代金は1兆8000億円程度にとどまり、現物株の売買はやや低調だったと言える。一方で先物手口を見ると、クレディ・スイス証券や野村證券が日経平均先物を買い越しており、これが日経平均の上昇をけん引したとみられる。商品投資顧問
(CTA)の持ち高はこのところロング(買い持ち)からショート(売り持ち)にやや傾いていたという。個人投資家が日経ダブルイン<1357>の持ち高を増やしていたことは既に当欄でも紹介したとおりで、これら投資家が持ち高解消に動いたのが前日の上昇の主因であると考えられる。
「こう着相場からの買い戻し主導での上放れ」は当欄で従前から予想しているシナリオだが、中国株高をきっかけに想定より早めに買い戻しの動きが出てしまった感はある。以前触れたとおり、今週は8日や10日を中心にETFの分配金捻出に絡んだ売りが7000億円規模で発生するとみられている。日経平均もいったんは下押しする可能性があるが、もち合いレンジ内での調整にとどまれば、株価変動率(ボラティリティー)の低下も進んでいるだけに更なる買い戻しを誘いそうだ。
なお、スペースの都合で本日は触りのみにとどめるが、米実質金利の低下などに伴うグロース(成長)株優位が続くものの、今月下旬からの4-6月期決算発表をきっかけに短期的なバリュー(割安)株のリバーサル(株価の反転上昇)の動きも出てくるだろう。しかし、決算発表一巡後は夏枯れでの波乱相場が警戒されるなか、グロース優位に戻るとみている。これらの話はまた次回以降としたい。
(小林大純)
<AK>
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