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国内株式市場見通し:日米金利上昇が重し、売買代金も減少し日経平均の動きは鈍い
*14:26JST 国内株式市場見通し:日米金利上昇が重し、売買代金も減少し日経平均の動きは鈍い
■エヌビディア決算は追い風とならず
今週の日経平均は週間で141.27円安(-0.36%)の38646.11円と下落。注目された米半導体大手エヌビディアの決算発表が市場予想を上回ったことから、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株を押し上げる材料となったが、多くの業種が上がるような全面高の展開とはならなかった。23日の米国市場では米経済指標が強かったことで米10年債利回りは4.49%まで上昇。金利上昇を嫌気した米ハイテク株下落の流れが東京市場にも波及し、週末は半導体株が総じて下落。為替が1ドル=157円台と円安ドル高が強まったものの、政府・日本銀行による円買い介入警戒が高まったことから日本株への追い風とはならなかった。
債券市場では、指標となる新発10年物国債の利回りが1.005%まで上昇し、2012年4月以来およそ12年ぶりに節目である1.000%を超えた。足元の円安推移などを受けて、日銀が早期の追加利上げや国債買入の減額に動くとの思惑が高まっており、株式市場では相場の急変が警戒されて積極的な売買は手控えられた。週末のプライム市場の売買代金は、日経平均が一時700円下落したにも関わらず、押し目買いは膨らまず3.8兆円ほどに留まった。
なお、5月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を384億円買い越したほか、TOPIX先物を1797億円売り越し、225先物は614億円売り越したことから、合計2027億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1093億円売り越すなど合計で518億円買い越し。なお、信託は現物を492億円と小幅に買い越した。
■31日にはMSCIリバランス
今週末24日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比4.33ドル高(+0.01%)の39069.59ドル、ナスダックは184.77ポイント高(+1.10%)の16920.80、S&P500は36.88ポイント高(+0.70%)の5304.72で取引を終了した。また、大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比200円高の38800円で取引を終えた。
日経平均は、75日移動平均線を下回ったが、右肩上がりに転じた25日移動平均線より上を維持している。日足の一目均衡表の雲下限が38396円と25日移動平均線とほぼ同じ水準であることで、38400円水準がサポートラインとして引き続き意識されよう。上値は重いが下値も固いといった地合いのため、下値警戒感はさほど感じられない。ただ、プライム市場の売買代金は4兆円前後に留まっており市場エネルギーは乏しい。エヌビディア決算をきっかけとした日経平均上昇、というシナリオが崩れた状況下、方向感が定まらない地合いが続くと想定する。
なお、30日には、TOPIX定期見直しに伴うリバランス、31日にはMSCI定期見直しに伴うリバランスがそれぞれ発生するため、週末にかけては売買代金が5兆円前後まで膨らむ可能性はある。MSCI定期見直しでは、アシックス<7936>が新規採用となるが、清水建設<1803>、シャープ<6753>、ヤマハ<7951>、東武鉄道<9001>、小田急電鉄<9007>など15銘柄が除外となる。指数インパクトが小さい銘柄ではあるが、日経平均採用銘柄が多く除外されることで31日大引けのタイミングは注意したいところだ。
■長期金利上昇でも銀行株は横ばい推移
長期金利上昇を受けて、株式市場では、三菱地所<8802>、三井不動産<8801>など不動産株の下げが目立つ。一方、代表的な金利上昇恩恵セクターである銀行株は、コンコルディアFG<7186>など地銀がやや買われたが、三菱UFJFG<8306>などメガバンクは横ばい推移と目立った動きは観測されなかった。
12年ぶりの水準まで長期金利が上昇したことに対して、市場は「脱デフレ」を好感するわけではなく、相場の急変などへの警戒感が先行しややネガティブな反応を示した。週明けの27日から28日にかけて、日銀金融研究所主催の国際コンファランスに植田和男日銀総裁など日銀関係者が出席することから、サプライズ発言への警戒感が強まった可能性もあろう。来週半ばに、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催前のブラックアウト期間入りするため、米政府高官の講演も多い。日米政府高官の発言によって日米金利が振らされる地合いは続きそうだ。
■30日に米1-3月GDP改定値発表
来週は、国内では、27日に3月景気動向指数(確報値)、28日に4月企業向けサービス価格指数、29日に5月消費者態度指数、31日に5月東京消費者物価指数(CPI)、4月失業率、鉱工業生産(速報値)、住宅着工件数などの発表が予定されている。なお、27-28日に日銀金融研究所主催の2024年国際コンファランスが開催される予定。
海外では、27日に独・5月IFO企業景況感指数、28日に豪・4月小売売上高、米・3月S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数、5月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日に豪・4月CPI、独・6月GFK消費者信頼感調査、5月CPI(速報)、米・5月リッチモンド連銀製造業指数、30日に欧・5月ユーロ圏景況感指数、4月ユーロ圏失業率、米・前週分新規失業保険申請件数、1-3月GDP(改定値)、4月卸売在庫(速報値)、4月中古住宅販売成約指数、週次原油在庫、31日に中・5月製造業/サービス業PMI、欧・5月ユーロ圏CPI(速報値)、米・4月個人所得、PCEデフレーター、5月シカゴ購買部協会景気指数などの発表が予定されている。
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今週の日経平均は週間で141.27円安(-0.36%)の38646.11円と下落。注目された米半導体大手エヌビディアの決算発表が市場予想を上回ったことから、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株を押し上げる材料となったが、多くの業種が上がるような全面高の展開とはならなかった。23日の米国市場では米経済指標が強かったことで米10年債利回りは4.49%まで上昇。金利上昇を嫌気した米ハイテク株下落の流れが東京市場にも波及し、週末は半導体株が総じて下落。為替が1ドル=157円台と円安ドル高が強まったものの、政府・日本銀行による円買い介入警戒が高まったことから日本株への追い風とはならなかった。
債券市場では、指標となる新発10年物国債の利回りが1.005%まで上昇し、2012年4月以来およそ12年ぶりに節目である1.000%を超えた。足元の円安推移などを受けて、日銀が早期の追加利上げや国債買入の減額に動くとの思惑が高まっており、株式市場では相場の急変が警戒されて積極的な売買は手控えられた。週末のプライム市場の売買代金は、日経平均が一時700円下落したにも関わらず、押し目買いは膨らまず3.8兆円ほどに留まった。
なお、5月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を384億円買い越したほか、TOPIX先物を1797億円売り越し、225先物は614億円売り越したことから、合計2027億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1093億円売り越すなど合計で518億円買い越し。なお、信託は現物を492億円と小幅に買い越した。
■31日にはMSCIリバランス
今週末24日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比4.33ドル高(+0.01%)の39069.59ドル、ナスダックは184.77ポイント高(+1.10%)の16920.80、S&P500は36.88ポイント高(+0.70%)の5304.72で取引を終了した。また、大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値比200円高の38800円で取引を終えた。
日経平均は、75日移動平均線を下回ったが、右肩上がりに転じた25日移動平均線より上を維持している。日足の一目均衡表の雲下限が38396円と25日移動平均線とほぼ同じ水準であることで、38400円水準がサポートラインとして引き続き意識されよう。上値は重いが下値も固いといった地合いのため、下値警戒感はさほど感じられない。ただ、プライム市場の売買代金は4兆円前後に留まっており市場エネルギーは乏しい。エヌビディア決算をきっかけとした日経平均上昇、というシナリオが崩れた状況下、方向感が定まらない地合いが続くと想定する。
なお、30日には、TOPIX定期見直しに伴うリバランス、31日にはMSCI定期見直しに伴うリバランスがそれぞれ発生するため、週末にかけては売買代金が5兆円前後まで膨らむ可能性はある。MSCI定期見直しでは、アシックス<7936>が新規採用となるが、清水建設<1803>、シャープ<6753>、ヤマハ<7951>、東武鉄道<9001>、小田急電鉄<9007>など15銘柄が除外となる。指数インパクトが小さい銘柄ではあるが、日経平均採用銘柄が多く除外されることで31日大引けのタイミングは注意したいところだ。
■長期金利上昇でも銀行株は横ばい推移
長期金利上昇を受けて、株式市場では、三菱地所<8802>、三井不動産<8801>など不動産株の下げが目立つ。一方、代表的な金利上昇恩恵セクターである銀行株は、コンコルディアFG<7186>など地銀がやや買われたが、三菱UFJFG<8306>などメガバンクは横ばい推移と目立った動きは観測されなかった。
12年ぶりの水準まで長期金利が上昇したことに対して、市場は「脱デフレ」を好感するわけではなく、相場の急変などへの警戒感が先行しややネガティブな反応を示した。週明けの27日から28日にかけて、日銀金融研究所主催の国際コンファランスに植田和男日銀総裁など日銀関係者が出席することから、サプライズ発言への警戒感が強まった可能性もあろう。来週半ばに、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催前のブラックアウト期間入りするため、米政府高官の講演も多い。日米政府高官の発言によって日米金利が振らされる地合いは続きそうだ。
■30日に米1-3月GDP改定値発表
来週は、国内では、27日に3月景気動向指数(確報値)、28日に4月企業向けサービス価格指数、29日に5月消費者態度指数、31日に5月東京消費者物価指数(CPI)、4月失業率、鉱工業生産(速報値)、住宅着工件数などの発表が予定されている。なお、27-28日に日銀金融研究所主催の2024年国際コンファランスが開催される予定。
海外では、27日に独・5月IFO企業景況感指数、28日に豪・4月小売売上高、米・3月S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数、5月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日に豪・4月CPI、独・6月GFK消費者信頼感調査、5月CPI(速報)、米・5月リッチモンド連銀製造業指数、30日に欧・5月ユーロ圏景況感指数、4月ユーロ圏失業率、米・前週分新規失業保険申請件数、1-3月GDP(改定値)、4月卸売在庫(速報値)、4月中古住宅販売成約指数、週次原油在庫、31日に中・5月製造業/サービス業PMI、欧・5月ユーロ圏CPI(速報値)、米・4月個人所得、PCEデフレーター、5月シカゴ購買部協会景気指数などの発表が予定されている。
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