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オリエントコーポレーションのニュース
■会社概要
1. 沿革
東京センチュリー<8439>は、1964年に旧(株)日本勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ<8411>)が中心となり設立した東京リース(株)と、1969年に伊藤忠商事<8001>と旧(株)第一銀行(現みずほフィナンシャルグループ)などが設立したセンチュリー・リーシング・システム(株)が2009年4月に合併したことにより発足し、現在の体制となった。
その後、富士通<6702>、IHI<7013>、日本電信電話<9432>、京セラ<6971>、オリエントコーポレーション<8585>など、パートナー企業との積極的なアライアンスやM&Aの活用により事業基盤を拡大してきた。
2. 企業特長
同社の強みとして、以下の3点が挙げられる。
(1) 規制に縛られない経営環境で時代に合わせたビジネスを創出できること。
(2) 国内外パートナー企業と協働し、世界37の国と地域でグローバルに事業を展開していること。
(3) 高度な専門性を有する人材を備え、挑戦的できる組織風土を有していること。
上記(1)に関して補足すると、銀行法の影響を受けるリース会社は、業務に一定の制約を受けている。一方で、同社はみずほグループの顧客基盤・有利な調達環境を活用できるとともに、業務の制約を受けず自由に事業領域を拡大できることが、同業他社と比較した際の大きなアドバンテージと考える。
3. 事業内容
同社の事業構成の実態や戦略的な動きを理解するためには、経営管理上の事業分野別で見るのが適している。事業分野別では、「国内リース事業分野」、「スペシャルティ事業分野」、「国内オート事業分野」、「国際事業分野」の4つに区分される。従来からの基幹事業である「国内リース事業分野」はセグメント資産残高の42.1%を占めているが、成長性・収益性の高いそれ以外の3事業分野の伸びが著しいことから、構成比は年々低下傾向にある。
各事業分野の概要は以下のとおりである。
(1) 国内リース事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は1兆4,030億円。従来からの基幹事業であり、グループの総合力(ネットワーク)と強固な顧客基盤を生かし、情報通信機器や工場内の設備などあらゆる設備・機器のリースに対応している。
国内リース事業分野は、国内低金利の環境下、リース・金融などの既存事業に加え、先進的ビジネスに果敢に挑戦することで、採算性の維持向上を実現していると考えている。
具体的には、優良パートナーと手掛けるロボットレンタル・IoT・サブスクリプションビジネスの着手・展開などであり、金利環境に左右されにくい高収益ビジネスを着実に創出している点は、優良パートナーとの強固な関係と同社の人材力の高さに基づくものと見ている。今後も高収益事業を新たに創出することで、更に採算性が向上することを期待している。
(2) スペシャルティ事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は9,756億円。高い専門性が要求される一方で収益性も高いことから、同社は、成長期待分野と位置付け飛躍的にスペシャルティ事業を拡大させてきた。プロダクツは「船舶・航空機」、「環境・エネルギー」、「不動産」、「その他」の4つに分類される。
同業も同じようなプロダクツを展開しているものの、特色は、世界のプロフェッショナルと肩を並べていける専門性の高い人材を有し、優良パートナーと一緒にダイナミックに事業に取り組んでいる点と見ている。スペシャルティ事業分野は、国内外優良パートナーとの更なる協働により、引き続き同社の成長期待分野として業績伸長に貢献するものと考えている。
「船舶・航空機」の2018年3月末のセグメント資産残高は4,956億円。そのうち、世界的に市場が拡大している航空機分野の比重が大きい。2014年に航空機リース大手のCIT Group Inc.との合弁事業を開始してから残高を拡大させてきた。当該合弁事業は現在解消しているが、2017年12月に新たに持分法適用関連会社となった米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group(以下、ACG)と一体となりビジネスを進めていく。
「環境・エネルギー」の2018年3月期末のセグメント資産残高は1,090億円。京セラとの合弁事業を中心に、国内で多数の太陽光発電事業を手掛けており、将来的には国内トップクラスの規模で稼働する見込である。太陽光発電事業のセグメント資産残高は638億円で75ヶ所(出力規模235.5MW)が稼働済みであるが、今後も大型発電所が順次稼働していく予定であり、同社決算への貢献度が一層高まるものと考えている。
「不動産」の2018年3月期末のセグメント資産残高は2,903億円。有力企業とのパートナーシップのもと商業施設や物流施設向けを中心に土地・建物のリース・ファイナンス、アセットマネジメントを行っている。
2018年7月には総合不動産会社である神鋼不動産を連結子会社とし、開発、保有・管理、出口までの「ライフサイクルマネジメント」を実現。また、持分法適用関連会社である日土地アセットマネジメント(株)および提携先である日本土地建物(株)とのシナジー発揮を目指す。
(3) 国内オート事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は5,158億円。法人・個人向けオートリース及びレンタカー事業をバランスよく展開している。日本カーソリューションズ(株)(法人向けでは業界3 位)と(株)オリコオートリース(個人向け専業として業界トップ)、ニッポンレンタカーサービス(レンタカー業界3位)の連結子会社3社による車両管理台数(総数)は、約64万台に上る業界トップクラスの体制を構築している。
「所有」から「使用」へと自動車に対するニーズが変化をみせるなか、オートリースの市場規模は拡大している。米国と比べてオートリースの利用比率は小さく、特に個人向けオートリースの拡大余地は大きいと考えている。
レンタカー市場もインバウンドやビジネス需要の増加を背景に平均7%の成長率で推移しているなど、業績拡大余地は大きい。
なお、既存ビジネスの一層の拡大とともに、オート関連業界に大きな変化を起こしている、自動運転、IoT、シェアリングエコノミーなどについても、同社はこれら新領域に挑戦するための準備も進めている。同社が標榜する「オート事業総合No.1」に向けて着実に進展することも感じられるなど、成長への勢いは、一層増していると見ている。
(4) 国際事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は4,357億円。合併以降、東アジア・アセアンを中心にネットワークを拡大するなど大きな成果を上げてきたが、2016年6月に米国の大手独立系リース会社のCSIリーシング社を連結子会社化したことで大きく伸張。海外ネットワークも世界37の国と地域に拡大している。
同社が進める地場優良企業等とのアライアンス戦略の核心は、同社の強みとパートナー企業の持つシナジーにある。パートナー企業の顧客基盤と情報収集力を活用し、そこに同社のファイナンスノウハウを融合する相乗効果により、ビジネスが飛躍的に成長していると見ている。また、後述するように、ライドシェアビジネスや FinTech事業など、新領域のビジネス分野にも積極的に取り組んでおり、今後も経済成長が期待される東アジア・アセアンを中心に、グローバルベースにて同社ビジネスは大きく成長するものと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 沿革
東京センチュリー<8439>は、1964年に旧(株)日本勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ<8411>)が中心となり設立した東京リース(株)と、1969年に伊藤忠商事<8001>と旧(株)第一銀行(現みずほフィナンシャルグループ)などが設立したセンチュリー・リーシング・システム(株)が2009年4月に合併したことにより発足し、現在の体制となった。
その後、富士通<6702>、IHI<7013>、日本電信電話<9432>、京セラ<6971>、オリエントコーポレーション<8585>など、パートナー企業との積極的なアライアンスやM&Aの活用により事業基盤を拡大してきた。
2. 企業特長
同社の強みとして、以下の3点が挙げられる。
(1) 規制に縛られない経営環境で時代に合わせたビジネスを創出できること。
(2) 国内外パートナー企業と協働し、世界37の国と地域でグローバルに事業を展開していること。
(3) 高度な専門性を有する人材を備え、挑戦的できる組織風土を有していること。
上記(1)に関して補足すると、銀行法の影響を受けるリース会社は、業務に一定の制約を受けている。一方で、同社はみずほグループの顧客基盤・有利な調達環境を活用できるとともに、業務の制約を受けず自由に事業領域を拡大できることが、同業他社と比較した際の大きなアドバンテージと考える。
3. 事業内容
同社の事業構成の実態や戦略的な動きを理解するためには、経営管理上の事業分野別で見るのが適している。事業分野別では、「国内リース事業分野」、「スペシャルティ事業分野」、「国内オート事業分野」、「国際事業分野」の4つに区分される。従来からの基幹事業である「国内リース事業分野」はセグメント資産残高の42.1%を占めているが、成長性・収益性の高いそれ以外の3事業分野の伸びが著しいことから、構成比は年々低下傾向にある。
各事業分野の概要は以下のとおりである。
(1) 国内リース事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は1兆4,030億円。従来からの基幹事業であり、グループの総合力(ネットワーク)と強固な顧客基盤を生かし、情報通信機器や工場内の設備などあらゆる設備・機器のリースに対応している。
国内リース事業分野は、国内低金利の環境下、リース・金融などの既存事業に加え、先進的ビジネスに果敢に挑戦することで、採算性の維持向上を実現していると考えている。
具体的には、優良パートナーと手掛けるロボットレンタル・IoT・サブスクリプションビジネスの着手・展開などであり、金利環境に左右されにくい高収益ビジネスを着実に創出している点は、優良パートナーとの強固な関係と同社の人材力の高さに基づくものと見ている。今後も高収益事業を新たに創出することで、更に採算性が向上することを期待している。
(2) スペシャルティ事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は9,756億円。高い専門性が要求される一方で収益性も高いことから、同社は、成長期待分野と位置付け飛躍的にスペシャルティ事業を拡大させてきた。プロダクツは「船舶・航空機」、「環境・エネルギー」、「不動産」、「その他」の4つに分類される。
同業も同じようなプロダクツを展開しているものの、特色は、世界のプロフェッショナルと肩を並べていける専門性の高い人材を有し、優良パートナーと一緒にダイナミックに事業に取り組んでいる点と見ている。スペシャルティ事業分野は、国内外優良パートナーとの更なる協働により、引き続き同社の成長期待分野として業績伸長に貢献するものと考えている。
「船舶・航空機」の2018年3月末のセグメント資産残高は4,956億円。そのうち、世界的に市場が拡大している航空機分野の比重が大きい。2014年に航空機リース大手のCIT Group Inc.との合弁事業を開始してから残高を拡大させてきた。当該合弁事業は現在解消しているが、2017年12月に新たに持分法適用関連会社となった米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group(以下、ACG)と一体となりビジネスを進めていく。
「環境・エネルギー」の2018年3月期末のセグメント資産残高は1,090億円。京セラとの合弁事業を中心に、国内で多数の太陽光発電事業を手掛けており、将来的には国内トップクラスの規模で稼働する見込である。太陽光発電事業のセグメント資産残高は638億円で75ヶ所(出力規模235.5MW)が稼働済みであるが、今後も大型発電所が順次稼働していく予定であり、同社決算への貢献度が一層高まるものと考えている。
「不動産」の2018年3月期末のセグメント資産残高は2,903億円。有力企業とのパートナーシップのもと商業施設や物流施設向けを中心に土地・建物のリース・ファイナンス、アセットマネジメントを行っている。
2018年7月には総合不動産会社である神鋼不動産を連結子会社とし、開発、保有・管理、出口までの「ライフサイクルマネジメント」を実現。また、持分法適用関連会社である日土地アセットマネジメント(株)および提携先である日本土地建物(株)とのシナジー発揮を目指す。
(3) 国内オート事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は5,158億円。法人・個人向けオートリース及びレンタカー事業をバランスよく展開している。日本カーソリューションズ(株)(法人向けでは業界3 位)と(株)オリコオートリース(個人向け専業として業界トップ)、ニッポンレンタカーサービス(レンタカー業界3位)の連結子会社3社による車両管理台数(総数)は、約64万台に上る業界トップクラスの体制を構築している。
「所有」から「使用」へと自動車に対するニーズが変化をみせるなか、オートリースの市場規模は拡大している。米国と比べてオートリースの利用比率は小さく、特に個人向けオートリースの拡大余地は大きいと考えている。
レンタカー市場もインバウンドやビジネス需要の増加を背景に平均7%の成長率で推移しているなど、業績拡大余地は大きい。
なお、既存ビジネスの一層の拡大とともに、オート関連業界に大きな変化を起こしている、自動運転、IoT、シェアリングエコノミーなどについても、同社はこれら新領域に挑戦するための準備も進めている。同社が標榜する「オート事業総合No.1」に向けて着実に進展することも感じられるなど、成長への勢いは、一層増していると見ている。
(4) 国際事業分野
2018年3月末のセグメント資産残高は4,357億円。合併以降、東アジア・アセアンを中心にネットワークを拡大するなど大きな成果を上げてきたが、2016年6月に米国の大手独立系リース会社のCSIリーシング社を連結子会社化したことで大きく伸張。海外ネットワークも世界37の国と地域に拡大している。
同社が進める地場優良企業等とのアライアンス戦略の核心は、同社の強みとパートナー企業の持つシナジーにある。パートナー企業の顧客基盤と情報収集力を活用し、そこに同社のファイナンスノウハウを融合する相乗効果により、ビジネスが飛躍的に成長していると見ている。また、後述するように、ライドシェアビジネスや FinTech事業など、新領域のビジネス分野にも積極的に取り組んでおり、今後も経済成長が期待される東アジア・アセアンを中心に、グローバルベースにて同社ビジネスは大きく成長するものと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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