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明電舎のニュース
日経平均は3日ぶり反落。155.91円安の27412.24円(出来高概算3億8351万株)で前場の取引を終えている。
前日29日の米国株式相場は反落。ダウ平均は68.30ドル安の30335.67ドル、ナスダックは49.20ポイント安の12850.22ポイントで取引を終了した。追加経済対策への期待感から大きく上昇して寄り付いた。しかし、史上最高値付近で利益確定の売りも目立ち失速。また、現金給付額を2000ドルに引き上げる案が阻止されたため失望感が広がり下落に転じた。米国株安を受けた今日の東京株式市場は、売りが先行した。今日で今年の取引が終了し明日から年末年始の4連休となることに加え、昨日の日経平均が700円を超す大幅高となった後ということ、また、外為市場で1ドル=103円30銭台と昨日15時頃に比べ30銭ほど円高・ドル安に振れたこともあり、利益確定売りが出やすく、前場は概ね売りが優勢だった。
個別では、円高傾向を嫌気した日産自<7201>やホンダ<7267>などの自動車株やソニー<6758>、キヤノン<7751>などの輸出株の一角が安く、日本製鉄<5401>やJFE<5411>の鉄鋼株や三菱マ<5711>などの非鉄株など景気敏感色の強い銘柄が下げた。また、早期退職者募集を発表し収益環境の厳しさが再認識された板硝子<5202>、21年2月期第3四半期(20年3-11月)営業利益が前年同期比25.8%増となったが通期予想の据え置きなどが嫌気されたスギHD<7649>も軟調だった。
一方、第3四半期累計の営業利益が11.08億円と中間期段階の44.10億円の赤字から黒字に転じたアダストリア<2685>が12%を超す大幅高となったほか、市場環境の改善を映して国内証券が目標株価を引き上げたマルマエ<6264>、千葉市のICT技術を活用した農業計画に協力すると発表したITbookHD<1447>、5Gスマホ向け水晶振動子の量産開始が報じられた日電波<6779>、コンビニに個室型ワークブースを設置・サービス開始すると発表したブイキューブ<3681>、高いテーマ性や利益の質を評価し国内証券が目標株価を引き上げた明電舎<6508>、想定以上の収益改善評価で国内証券が格上げしたしまむら<8227>、貸借銘柄に選定されたと発表した恵和<4251>が上げた。
セクターでは、鉄鋼、鉱業、繊維製品、医薬品、機械などが値下がり率上位。一方、空運業、海運業、電気・ガス業、石油石炭製品、証券商品先物が値上がりした。
東証1部の値下がり銘柄は全体の62%、対して値上がり銘柄は32%となっている。
昨日の東京株式市場で日経平均は714円高。1990年8月以来、約30年4カ月ぶりの高値更新ということで、テレビなどでも盛んに報じていた。たしかに大方の予想を上回る上げ幅だったが、市場では、売り方の買い戻しや短期筋の値幅取りを背景とした先物主導の上げとの見方も多かったようだ。先物主導の相場の場合には日経225先物が使われることが多いため、日経平均の変動率がTOPIXのそれより大きくなる傾向があるとされる。日経平均がTOPIXの何倍の水準化を見た指標である「NT倍率」は、昨日の大引けで15.154。12月1日の15.148を上回り今年最大となった。ちなみに、昨日の寄り付き段階ではNT倍率は15.016だった。昨日の取引時間中にNT倍率が随分上昇したことが分かる。昨日の上昇相場が日経平均主導であり、おそらく先物主導だったということだろう。
先物主導の相場は、逆回転が始まると一気に巻き戻しが進む可能性があり、年明けは少し注意が必要かもしれない。米経済対策の現金給付増額案の行方が気になることに加え、米国では年明けに政治・経済のイベント予定が多い。1月4日の東京市場大発会の翌日5日には米ジョージア州の上院決選投票と12月米ISM製造業景況指数発表、6日には12月ADP全米雇用リポート発表とFOMC議事要旨公表、7日は12月ISM非製造業景況指数発表、そして8日に12月米雇用統計発表。年明けの米国では政治・経済イベントがいきなり全開となる。このほか、東京市場が休場の間に中国でもPMIなどの重要経済統計が発表される。
これらのイベントに加え、現下、コロナ警戒が怠れない。年末から年始にかけて感染者数の推移が注目されるが、正月休みの間は、おそらくPCR検査数が少なくなるのだろう。そして、1月4日以降は検査がフル稼働となるとの指摘がある。三が日に症状が出ても検査を受けられなかった人が4日以降、検査に殺到する。その結果は1月6日頃から判明する。想定外の人数になる可能性も否定できない。米議会選挙や経済統計、コロナ感染者数など、年明け早々、株価を揺らす材料が集中しそうだ。これにどう備えるか。今年の取引もあと2時間半。熟慮し急ぎ対応する必要があるかもしれない。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。来年の相場上昇への期待感が強い一方、上述のように年末年始のスケジュールを警戒する向きは少なくない。4連休を前にあえてポジションを傾ける向きは多くないと見られ、市場では次第に見送りムードが強くなりそうだ。
(小山 眞一)
<AK>
前日29日の米国株式相場は反落。ダウ平均は68.30ドル安の30335.67ドル、ナスダックは49.20ポイント安の12850.22ポイントで取引を終了した。追加経済対策への期待感から大きく上昇して寄り付いた。しかし、史上最高値付近で利益確定の売りも目立ち失速。また、現金給付額を2000ドルに引き上げる案が阻止されたため失望感が広がり下落に転じた。米国株安を受けた今日の東京株式市場は、売りが先行した。今日で今年の取引が終了し明日から年末年始の4連休となることに加え、昨日の日経平均が700円を超す大幅高となった後ということ、また、外為市場で1ドル=103円30銭台と昨日15時頃に比べ30銭ほど円高・ドル安に振れたこともあり、利益確定売りが出やすく、前場は概ね売りが優勢だった。
個別では、円高傾向を嫌気した日産自<7201>やホンダ<7267>などの自動車株やソニー<6758>、キヤノン<7751>などの輸出株の一角が安く、日本製鉄<5401>やJFE<5411>の鉄鋼株や三菱マ<5711>などの非鉄株など景気敏感色の強い銘柄が下げた。また、早期退職者募集を発表し収益環境の厳しさが再認識された板硝子<5202>、21年2月期第3四半期(20年3-11月)営業利益が前年同期比25.8%増となったが通期予想の据え置きなどが嫌気されたスギHD<7649>も軟調だった。
一方、第3四半期累計の営業利益が11.08億円と中間期段階の44.10億円の赤字から黒字に転じたアダストリア<2685>が12%を超す大幅高となったほか、市場環境の改善を映して国内証券が目標株価を引き上げたマルマエ<6264>、千葉市のICT技術を活用した農業計画に協力すると発表したITbookHD<1447>、5Gスマホ向け水晶振動子の量産開始が報じられた日電波<6779>、コンビニに個室型ワークブースを設置・サービス開始すると発表したブイキューブ<3681>、高いテーマ性や利益の質を評価し国内証券が目標株価を引き上げた明電舎<6508>、想定以上の収益改善評価で国内証券が格上げしたしまむら<8227>、貸借銘柄に選定されたと発表した恵和<4251>が上げた。
セクターでは、鉄鋼、鉱業、繊維製品、医薬品、機械などが値下がり率上位。一方、空運業、海運業、電気・ガス業、石油石炭製品、証券商品先物が値上がりした。
東証1部の値下がり銘柄は全体の62%、対して値上がり銘柄は32%となっている。
昨日の東京株式市場で日経平均は714円高。1990年8月以来、約30年4カ月ぶりの高値更新ということで、テレビなどでも盛んに報じていた。たしかに大方の予想を上回る上げ幅だったが、市場では、売り方の買い戻しや短期筋の値幅取りを背景とした先物主導の上げとの見方も多かったようだ。先物主導の相場の場合には日経225先物が使われることが多いため、日経平均の変動率がTOPIXのそれより大きくなる傾向があるとされる。日経平均がTOPIXの何倍の水準化を見た指標である「NT倍率」は、昨日の大引けで15.154。12月1日の15.148を上回り今年最大となった。ちなみに、昨日の寄り付き段階ではNT倍率は15.016だった。昨日の取引時間中にNT倍率が随分上昇したことが分かる。昨日の上昇相場が日経平均主導であり、おそらく先物主導だったということだろう。
先物主導の相場は、逆回転が始まると一気に巻き戻しが進む可能性があり、年明けは少し注意が必要かもしれない。米経済対策の現金給付増額案の行方が気になることに加え、米国では年明けに政治・経済のイベント予定が多い。1月4日の東京市場大発会の翌日5日には米ジョージア州の上院決選投票と12月米ISM製造業景況指数発表、6日には12月ADP全米雇用リポート発表とFOMC議事要旨公表、7日は12月ISM非製造業景況指数発表、そして8日に12月米雇用統計発表。年明けの米国では政治・経済イベントがいきなり全開となる。このほか、東京市場が休場の間に中国でもPMIなどの重要経済統計が発表される。
これらのイベントに加え、現下、コロナ警戒が怠れない。年末から年始にかけて感染者数の推移が注目されるが、正月休みの間は、おそらくPCR検査数が少なくなるのだろう。そして、1月4日以降は検査がフル稼働となるとの指摘がある。三が日に症状が出ても検査を受けられなかった人が4日以降、検査に殺到する。その結果は1月6日頃から判明する。想定外の人数になる可能性も否定できない。米議会選挙や経済統計、コロナ感染者数など、年明け早々、株価を揺らす材料が集中しそうだ。これにどう備えるか。今年の取引もあと2時間半。熟慮し急ぎ対応する必要があるかもしれない。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。来年の相場上昇への期待感が強い一方、上述のように年末年始のスケジュールを警戒する向きは少なくない。4連休を前にあえてポジションを傾ける向きは多くないと見られ、市場では次第に見送りムードが強くなりそうだ。
(小山 眞一)
<AK>
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