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ACSLのニュース
―年内に規制見直し、物流24年問題で活用期待も―
ドローンの普及に向けた動きがまた一段と進むことになる。昨年の「レベル4」解禁に続き、政府はこのほど飛行申請手続きの短期化をはじめとする規制緩和を打ち出した。人手不足が深刻化する物流業界など、さまざまな業界でドローンの活用を目指す動きが進んでおり、これを後押しする狙いがある。年内に見直しが行われる予定だ。政府や企業の動きが広がるなか、株式市場ではドローン関連株が折に触れ投資家の関心を集め、物色人気化する場面もみられる。関連銘柄には引き続き注目したい。
●申請手続き短期化など、経済対策に具体策盛り込む
政府は10月に開いた規制改革推進会議でドローンの規制を緩和する方針を示した。今月2日に閣議決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に具体策を盛り込み、今年中に目視内飛行の許可・承認申請手続きを短期化するほか、無人地帯での目視外飛行の規制見直しを行うとした。ドローンの安全で高速な自動・自律飛行を事業化し、山間や離島地域などでの生活物資の円滑な配送を目指す考えだ。
ドローン規制を巡っては昨年12月に改正航空法が施行され、住宅地などの有人地帯で操縦者が目視できない範囲まで飛ばせる「レベル4」飛行が解禁された。法改正とあわせ安全性を確保する機体認証制度と操縦ライセンス制度も創設され、ドローン普及に向けた環境は整った。今回の規制緩和によって、普及の流れは今後更に強まるだろう。ここ各メディアで話題にのぼる機会が多くなった「物流2024年問題」に関し、その解決策の一つとしてドローンの活用が期待されており、これに絡んで関連銘柄に思惑買いが向かう可能性もある。
●直近急動意のACSL、菊池製作
ACSL <6232> [東証G]は国産ドローンの専業メーカー。2018年の上場以来、ドローン関連の有力株として投資家の熱い視線を集め続けている。直近では10月20日に、経済産業省の令和4年度第2次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択されたことが材料視され、動意づく場面があった。同事業では小型空撮ドローンの飛行性能向上や、経済安全保障などを担保した機体や周辺システムの開発を行う。実施期間は今年11月~25年12月で、補助金額は最大約26億円だ。
菊池製作所 <3444> [東証S]は大手メーカー向けに試作品や金型の製作などを手掛けるが、子会社のイームズロボティクスでドローンの製造販売を展開している。同子会社が前述の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択されており、これを受け菊池製作も20日に株価を急動意させている。イームズロボティクスは同事業で物資輸送などに対応した高性能ドローンの開発を行う。実施期間は27年度までの5カ年間で、補助金額は最大約30億円となる。
●FIGやオプティム、双葉電なども
ドローン関連に位置づけられる銘柄は数多い。タクシー配車システムや半導体製造装置など幅広く事業を展開するFIG <4392> [東証P]は、グループ会社のciRobotics(シーアイロボティクス)で農薬散布や物資運搬、空撮向けの産業用ドローンを製造販売する。システム開発のオプティム <3694> [東証P]はドローンを用いた農業向けサービスを提供。電子部品製造の双葉電子工業 <6986> [東証P]は出光興産 <5019> [東証P]と共同で国産ドローンを開発し、事業化に向けた検討を進めている。
このほか、AIを活用して巡回・侵入監視を行うセキュリティードローン「セコムドローンXX(ダブルエックス)」を来春発売すると10月に発表したセコム <9735> [東証P]、KDDI <9433> [東証P]と自動運転車からドローンが離着陸する物流実証を9月に成功させたアイサンテクノロジー <4667> [東証S]、ACSLとVFR(名古屋市中村区)の2社と共同開発したACSL製ドローン「SOTEN(蒼天)」の訓練用シミュレーターを8月から販売している理経 <8226> [東証S]も見逃せない。
また、ドローン用エアバッグを手掛ける松屋アールアンドディ <7317> [東証G]、ドローン取扱事業者との提携を進めている動画制作サービスのファインズ <5125> [東証G]、ドローンサービスを展開するエアーズを今期子会社化したジョルダン <3710> [東証S]に加え、ドローン搭載用赤外線サーモグラフィーを開発する日本アビオニクス <6946> [東証S]、企業や自治体向けに業務用ドローン活用に関するソリューションを提供しているブイキューブ <3681> [東証P]、ドローンスクール検索サイト「コエテコドローン」を運営するGMOメディア <6180> [東証G]などもマークしたい。
株探ニュース
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