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―先端半導体投資の拡大も追い風、英系ファンドの地銀株買いに思惑も―
22日の日経平均株価 は前日比170円高の2万8115円と続伸。4営業日ぶりに終値で2万8000円台を回復した。株式市場には年末高に向けた期待も高まるが、そんななか市場で注目されているのが、海外投資家の動向だ。年初から日本株を売り越し基調にあった海外筋は、足もとでは買い姿勢を強め秋口以降の上昇を引っ張った。果たして、海外投資家は年末に向け買いを継続するのか。また、狙われる銘柄群とは何か。
●海外筋は10月以降、1兆500億円強の買い越しに
足もとの日経平均株価は10月3日のザラ場安値2万5621円を底に反発基調を強め、2万8000円台を回復してきた。この上昇を演じた主役は、海外投資家だ。東証が発表する投資部門別売買動向によると、海外投資家は9月第4週まで3兆5000億円強の大幅な売り越しを記録していた。しかし、10月第1週から11月第2週までの6週間で1兆500億円強の買い越しに転じた。この間、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]やソニーグループ <6758> [東証P]、任天堂 <7974> [東証P]など海外投資家の主な買い対象となりやすい日本の代表銘柄が組み込まれた「TOPIXコア30」の上昇率は、日経平均株価をアウトパフォームしている。
この海外投資家の日本株の買い要因となったのは、米10月消費者物価指数(CPI)が予想を下回るなどインフレ懸念が後退したことが大きい。更に10月の中国共産党大会を経て「改革開放路線」の後退を懸念して、香港株が急落するなか「中国に流入していた投資資金が日本市場に向かった」(アナリスト)と見る声がある。
●半導体設備投資の拡大もプラス要因
足もとの米中分断で、中国に対抗するため米国などで先端半導体を製造する動きが強まっていることも、日本株にはプラスとの観測も出ている。台湾積体電路製造(TSMC)
また、米CPIの上昇率が鈍化しドル安・円高の方向に振れたことで、ドル建ての日経平均株価が上昇したことも海外投資家にとって、日本株を買いやすい状況にしたとの見方もある。日経平均株価は円ベースで足もとでは前年末比2%安程度だが、急激な円安でドル建てでは一時3割近くの下落となっていた。ただ、急激なドル高・円安が一服したことで、ドル建て日経平均株価は10月中旬から1割強上昇している。特に「世界に分散投資している海外の長期投資家にとって、円の反発は日本株の見直し要因になる」(市場関係者)という声も出ている。
●海外ファンドは京都銀や滋賀銀など地銀株に注目も
今後の市場動向は依然不透明感は強いが、「短期筋のヘッジファンドなどを中心に年末にかけ買いを仕掛ける可能性も」(同)との期待もある。株価が強含めば、先物ベースでの買い戻しが見込める。また、現物では海外投資家は2021年に3400億円強の買い越しだったが、20年は3兆3000億円強の売り越しで、22年もここまで2兆5000億円近い売り越しとなっている。海外投資家のポートフォリオに占める日本株のウエイトは低下しており一定水準まで買い戻すことへの期待は強い。
では、海外筋が攻勢をかけるとすれば、どんな銘柄が予想されるのか。ひとつは、東エレクやレーザーテック <6920> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]など半導体製造装置や村田製作所 <6981> [東証P]やTDK <6762> [東証P]などのような国際優良株だ。また、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ
更に、市場関係者が注目しているのが、海外ファンドの動向だ。英系のシルチェスター・インターナショナル・インベスターズは足もとでニッパツ <5991> [東証P]や飯田グループホールディングス <3291> [東証P]、スズケン <9987> [東証P]などを買い増しているが、特に日本の地銀株への攻勢が話題となっている。京都銀行 <8369> [東証P]や滋賀銀行 <8366> [東証P]、岩手銀行 <8345> [東証P]などの大株主となり、6月の株主総会で特別配当の実施を求め否決されている。同ファンドの今後の地銀株への対応が注目を集めている。また、米系のブラックロックは三井不動産 <8801> [東証P]や明治ホールディングス <2269> [東証P]、日東電工 <6988> [東証P]、オリンパス <7733> [東証P]などを買っているほか、同じく米系のフィデリティ投信はフリークアウト・ホールディングス <6094> [東証G]や円谷フィールズホールディングス <2767> [東証P]などを買い増している。
株探ニュース
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