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17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は小幅反落、プレイド買い気配継続に見るIPO活況ぶり
・ドル・円は弱含み、米FOMC後のドル売り継続
・値下がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位がファナック<6954>
■日経平均は小幅反落、プレイド買い気配継続に見るIPO活況ぶり
日経平均は小幅反落。2.61円安の26754.79円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
16日の米株式市場でNYダウは小幅に反落し、44ドル安となった。11月の小売売上高が市場予想を下回ったほか、この日まで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和が見送られたことを受けて売りが出た。ただ、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が株価のバリュエーションについて過剰に懸念していないなどと述べ、引けにかけて下げ幅を縮小した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新。本日の日経平均はNYダウの下落を受けて12円安からスタートすると、寄り付き直後には26676.28円(81.12円安)まで下落する場面があった。一方でFRBが量的緩和を長期間継続する姿勢を示したことは安心感につながり、前場中ごろに一時26817.59円(60.19円高)まで上昇するなど、前日終値を挟みもみ合う展開となった。
個別では、富士フイルム<4901>が4%の下落。同社の「アビガン」について、新型コロナウイルスへの有効性を判断するのは困難との国の報告書がまとまったと報じられている。ANA<9202>やSUMCO<3436>も軟調ぶりが目立ち、ファーストリテ<9983>などは小安い。前日に東京都の新型コロナ新規感染者数が過去最多の678人となったことを受けてか、三越伊勢丹<3099>は5%の下落。また、三谷産業<8285>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、自社株買い実施方針が報じられたかんぽ生命保険<7181>は商いを伴って11%の上昇。売買代金トップの任天堂<7974>が4%、ソフトバンクG<9984>やエムスリー<2413>が3%の上昇となるなど、値がさグロース(成長)株は堅調ぶりが目立つ。また、ブラス<2424>は連日でストップ高を付けている。
セクターでは、空運業、鉄鋼、建設業などが下落率上位。半面、その他製品、海運業、情報・通信業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の63%、対して値上がり銘柄は33%となっている。
前場の日経平均は前日終値を挟み一進一退の展開となった。方向感に乏しいとも言えるが、年内最後の注目イベントだったFOMCをまずまず無難に通過したと受け止められているのだろう。最近の新型コロナ感染拡大を受けて今回のFOMCでの追加緩和に期待する向きも根強くあったかもしれないが、一方で市場関係者からは「ネガティブサプライズが出る可能性もある」などとの指摘が散見されていた。パウエル氏が現在の株価水準に懸念を示さず、量的緩和の長期化を示唆したことで、株高基調が続くとの期待を持ちやすい。
売買代金上位の動向や業種別騰落率を見ると、新型コロナ感染拡大で空運株を中心に売りが出る一方、任天堂やエムスリーなどの「ウィズコロナ」グロース株には積極的な買いが入っているようで、やはり投資姿勢が後退した印象は受けない。ただ、前日から先物市場の売買は非常に低調。FOMCを通過し、年末にかけて取引参加が減ることが見込まれ、やはり相場全体に大きな方向感は出にくいだろう。
前引けの東証株価指数(TOPIX)は0.07%の上昇となっており、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは実施されない公算が大きい。円相場は朝方強含みだったが、1ドル=103.30円近辺でひとまず上げ一服といった印象。アジア市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が小動きにとどまっており、後場の日経平均ももみ合いが続くとみておきたい。
こうしたなか、個人投資家によるIPO(新規株式公開)銘柄の物色は引き続き活発だ。本日はこの12月でも最も多い5社同時上場となったが、東証2部のオーケーエム<6229>は公開価格をやや上回る初値を付けてから上昇。ジャスダックのリベルタ<4935>は前場の取引終了前に公開価格を7割超上回る初値を付けた。マザーズのビートレンド<4020>、プレイド<4165>、かっこ<4166>はまだ買い気配のまま初値を付けていない。プレイドはブックビルディングで海外投資家の旺盛な需要が観測されていたが、それでも公募・売出しによる吸収金額が200億円を超える大型のマザーズIPOであることを考慮すると、ここまで買い気配が続いているのは圧巻というしかない。
来週もウェルスナビ(22日)やヤプリ(22日)といった注目のテック系ベンチャーのIPOがあるが、プレイドの活況ぶりはこれらへの期待を一段と高めそうだ。
ただ、新興株相場全体の上げが一服するなかで、公開価格の水準が案件ごとにかなり強弱分かれている印象がある。これが初値あるいはその後の値動きに大きな影響を与える可能性もあるだろう。短期売買と割り切るなら別だが、中長期での保有を検討する際はこの点も十分考慮しておきたい。
■ドル・円は弱含み、米FOMC後のドル売り継続
17日午前の東京市場でドル・円は弱含み、103円20銭台に値を下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)で期待に反してハト派色を弱めたことから、政策決定後のドル売りは継続。ただ、日経平均株価の上昇を受けた円売りで、ドルは大幅安を回避しているもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は103円28銭から103円56銭、ユーロ・円は126円05銭から126円30銭。ユーロ・ドルは1.2192ドルから1.2210ドル。
■後場のチェック銘柄
・シーズメン<3083>、アルプス物流<9055>など、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位がファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・豪・11月失業率:6.8%(予想:7.0%、10月:7.0%)
・豪・11月雇用者数増減:+9.00万人(予想:+4.00万人、10月:+17.88万人)
【要人発言】
・豪政府
「2020-21年に1977億豪ドルの財政赤字の見通し」
「2021年の実質GDP成長率を+4.5%と予想」
・ロバートソンNZ財務相
「NZドルの上昇は経済の強さを反映」
「NZドルの(現在の)水準について強い不快感はない」
<国内>
・日銀金融政策決定会合(18日まで)
<海外>
・17:30 スイス中銀が政策金利発表(-0.75%に据え置き予想)
<HH>
・日経平均は小幅反落、プレイド買い気配継続に見るIPO活況ぶり
・ドル・円は弱含み、米FOMC後のドル売り継続
・値下がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位がファナック<6954>
■日経平均は小幅反落、プレイド買い気配継続に見るIPO活況ぶり
日経平均は小幅反落。2.61円安の26754.79円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
16日の米株式市場でNYダウは小幅に反落し、44ドル安となった。11月の小売売上高が市場予想を下回ったほか、この日まで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和が見送られたことを受けて売りが出た。ただ、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が株価のバリュエーションについて過剰に懸念していないなどと述べ、引けにかけて下げ幅を縮小した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新。本日の日経平均はNYダウの下落を受けて12円安からスタートすると、寄り付き直後には26676.28円(81.12円安)まで下落する場面があった。一方でFRBが量的緩和を長期間継続する姿勢を示したことは安心感につながり、前場中ごろに一時26817.59円(60.19円高)まで上昇するなど、前日終値を挟みもみ合う展開となった。
個別では、富士フイルム<4901>が4%の下落。同社の「アビガン」について、新型コロナウイルスへの有効性を判断するのは困難との国の報告書がまとまったと報じられている。ANA<9202>やSUMCO<3436>も軟調ぶりが目立ち、ファーストリテ<9983>などは小安い。前日に東京都の新型コロナ新規感染者数が過去最多の678人となったことを受けてか、三越伊勢丹<3099>は5%の下落。また、三谷産業<8285>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、自社株買い実施方針が報じられたかんぽ生命保険<7181>は商いを伴って11%の上昇。売買代金トップの任天堂<7974>が4%、ソフトバンクG<9984>やエムスリー<2413>が3%の上昇となるなど、値がさグロース(成長)株は堅調ぶりが目立つ。また、ブラス<2424>は連日でストップ高を付けている。
セクターでは、空運業、鉄鋼、建設業などが下落率上位。半面、その他製品、海運業、情報・通信業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の63%、対して値上がり銘柄は33%となっている。
前場の日経平均は前日終値を挟み一進一退の展開となった。方向感に乏しいとも言えるが、年内最後の注目イベントだったFOMCをまずまず無難に通過したと受け止められているのだろう。最近の新型コロナ感染拡大を受けて今回のFOMCでの追加緩和に期待する向きも根強くあったかもしれないが、一方で市場関係者からは「ネガティブサプライズが出る可能性もある」などとの指摘が散見されていた。パウエル氏が現在の株価水準に懸念を示さず、量的緩和の長期化を示唆したことで、株高基調が続くとの期待を持ちやすい。
売買代金上位の動向や業種別騰落率を見ると、新型コロナ感染拡大で空運株を中心に売りが出る一方、任天堂やエムスリーなどの「ウィズコロナ」グロース株には積極的な買いが入っているようで、やはり投資姿勢が後退した印象は受けない。ただ、前日から先物市場の売買は非常に低調。FOMCを通過し、年末にかけて取引参加が減ることが見込まれ、やはり相場全体に大きな方向感は出にくいだろう。
前引けの東証株価指数(TOPIX)は0.07%の上昇となっており、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは実施されない公算が大きい。円相場は朝方強含みだったが、1ドル=103.30円近辺でひとまず上げ一服といった印象。アジア市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が小動きにとどまっており、後場の日経平均ももみ合いが続くとみておきたい。
こうしたなか、個人投資家によるIPO(新規株式公開)銘柄の物色は引き続き活発だ。本日はこの12月でも最も多い5社同時上場となったが、東証2部のオーケーエム<6229>は公開価格をやや上回る初値を付けてから上昇。ジャスダックのリベルタ<4935>は前場の取引終了前に公開価格を7割超上回る初値を付けた。マザーズのビートレンド<4020>、プレイド<4165>、かっこ<4166>はまだ買い気配のまま初値を付けていない。プレイドはブックビルディングで海外投資家の旺盛な需要が観測されていたが、それでも公募・売出しによる吸収金額が200億円を超える大型のマザーズIPOであることを考慮すると、ここまで買い気配が続いているのは圧巻というしかない。
来週もウェルスナビ(22日)やヤプリ(22日)といった注目のテック系ベンチャーのIPOがあるが、プレイドの活況ぶりはこれらへの期待を一段と高めそうだ。
ただ、新興株相場全体の上げが一服するなかで、公開価格の水準が案件ごとにかなり強弱分かれている印象がある。これが初値あるいはその後の値動きに大きな影響を与える可能性もあるだろう。短期売買と割り切るなら別だが、中長期での保有を検討する際はこの点も十分考慮しておきたい。
■ドル・円は弱含み、米FOMC後のドル売り継続
17日午前の東京市場でドル・円は弱含み、103円20銭台に値を下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)で期待に反してハト派色を弱めたことから、政策決定後のドル売りは継続。ただ、日経平均株価の上昇を受けた円売りで、ドルは大幅安を回避しているもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は103円28銭から103円56銭、ユーロ・円は126円05銭から126円30銭。ユーロ・ドルは1.2192ドルから1.2210ドル。
■後場のチェック銘柄
・シーズメン<3083>、アルプス物流<9055>など、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位がファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・豪・11月失業率:6.8%(予想:7.0%、10月:7.0%)
・豪・11月雇用者数増減:+9.00万人(予想:+4.00万人、10月:+17.88万人)
【要人発言】
・豪政府
「2020-21年に1977億豪ドルの財政赤字の見通し」
「2021年の実質GDP成長率を+4.5%と予想」
・ロバートソンNZ財務相
「NZドルの上昇は経済の強さを反映」
「NZドルの(現在の)水準について強い不快感はない」
<国内>
・日銀金融政策決定会合(18日まで)
<海外>
・17:30 スイス中銀が政策金利発表(-0.75%に据え置き予想)
<HH>
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