562円
東京個別指導学院のニュース
日経平均は4日続伸。282.00円高の26457.56円(出来高概算4億8951万株)で前場の取引を終えている。
10日の米株式市場でダウ平均は186.45ドル高(+0.55%)と反発。スウェーデン中央銀行主催のフォーラムにおいて、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長からタカ派な発言が出なかったことで、安心感から買いが先行。ただ、ボウマンFRB理事が追加利上げの必要性を主張すると長期金利が上昇し、主要株価指数は一時下落に転じる場面があった。一方、根強いインフレピークアウト期待に加え、中国経済の再開などで景気悪化懸念も後退し、再びプラス圏に上昇すると、終盤にかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は+1.00%と3日続伸。米国株高を引き継いで日経平均は186.65円高からスタート。為替の円安進行に加えて、安川電機<6506>の決算などを材料にハイテクを中心に買い戻しが入り、午前中ごろには26479.99円(304.43円高)まで上値を伸ばした。
個別では、決算を受けて安川電機が大幅高となり、ファナック<6954>、キーエンス<
6861>も急伸。米SOX指数の続伸を好感し、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ルネサス<6723>、HOYA<7741>が大きく上昇し、イビデン<4062>、村田製<6981>、TDK<6762>などハイテクも上昇。日本製鉄<5401>、三井物産<8031>、INPEX<1605>、DOWA<5714>など景気敏感株も総じて高い。ほか、インフォマート<2492>、SREHD<2980>、インソース<6200>、MSOL<7033>を筆頭にSHIFT<3697>などグロース株の上昇が目立つ。
ベイカレント<6532>は外資証券による買い推奨が観測され大幅高。富士通<6702>による保有株売却の可能性が報じられたことで、株式売却に伴うプレミアムに対する期待が先行した富士通ゼネラル<6755>は急伸した。
一方、エーザイ<4523>、第一三共<4568>、JT<2914>、日本郵政<6178>などのディフェンシブ系の一角のほか、資生堂<4911>、JAL<9201>、マツキヨココ<3088>などのインバウンド関連が軟調。キユーピー<2809>、コジマ<7513>、東京個別<4745>、リソー教育<4714>は決算を受けて大きく下落。MonotaRO<3064>は月次動向が嫌気されて大幅安となった。
セクターでは、精密機器、鉄鋼、電気機器が上昇率上位となった一方、空運、パルプ・紙の2業種が下落となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の84%、対して値下がり銘柄は12%となっている。
本日の東京市場では主要株価指数が揃って上昇。前日の海外市場において、パウエルFRB議長の講演を無難に通過したことや、米長期金利が上昇する中でも米ナスダック指数が3日続伸したことが安心感を誘い、明日の米12月消費者物価指数(CPI)の発表を前に買い戻しが優勢となっているもよう。安川電機の決算を材料にハイテク関連に買い戻しが入っていることも指数を押し上げている。
一方、日経平均は大幅に4日続伸しているが、依然として下向きの25日移動平均線を大きく下回っており、買い戻しの域を出ていない。マザーズ指数は大幅高で、一気に100日、75日、25日の各移動平均線を捉えてきているが、ちょうど日足一目均衡表での厚い雲の下限付近のところまで戻していて、そろそろ戻り待ちの売りが出やすい水準ともみられる。
他方、懸念される材料は日々相次ぐ。昨日は、世界銀行が2023年の世界成長率見通しを1.7%と予想し、昨年6月時点の見通しからほぼ半減させた。これはリーマンショックの影響があった2009、10の両年の縮小に次ぎ過去30年ほどで3番目の低成長に値するという。
また、ボウマンFRB理事が追加の利上げの必要性を主張したことに加え、米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、政策金利が6%まで引き上げられる確率が50%あるなどと発言した。
こうした中でも、市場は依然として年後半からの利下げ転換を予想しており、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)の織り込みも依然として5%未満にとどまっている。こうした状況を受け、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、投資家は楽観的であり、市場の予想とFRBの見通しとの間の乖離について、これをチキンレースであるとした上で、市場はチキンゲームの敗者になるなどと語ったという。
ただ、こうした頑なFRB高官らの姿勢はあくまでポーズに過ぎないと考えられる。米国の物価水準は依然として高いとはいえ、CPIや平均時給の伸びには明確なピークアウトが見られてきている。一方で、米12月ISM非製造業(サービス業)景気指数が景況感縮小の50割れの水準に一気に下降してくるなど景況感・景気の変調も著しい。
ISMサービス業景気指数の50割れは大寒波の影響による一過性要因の可能性もあるが、個人消費の減退が主因である可能性もある。米国ではすでにコロナ禍での財政給付によって貯めた資金が使い果たされ、貯蓄率はコロナ前の水準を下回るまでに落ち込んでいる。一方でリボルビング支払いなど消費者信用残高が急速に増えている。ここから、米ISMサービス業景気指数の50割れは景況感悪化による個人消費の腰折れによる可能性もゼロではないと推察される。
今後も、米国でのCPIと雇用統計での平均時給の伸びの減速が続く一方で、ISMサービス業景気指数の50割れが続くようであれば、米雇用者数の割合で製造業の4−5倍程も占めるサービス業の悪化は深刻と思われ、FRBもいつまでもタカ派なポーズを取っていられなくなるだろう。今後出てくる指標次第ではあるが、チキンレースにFRBが負ける可能性もあり、その場合は株式市場の底入れが期待されてくる。ただ、短期的にはここから1カ月程度は、経済指標よりも、今後本格化する企業決算に対する見極めが重要と思われ、チキンレースに負けたFRBの利上げ停止・利下げ転換による相場底入れにはもう少し時間がかかろう。
(仲村幸浩)
<AK>
10日の米株式市場でダウ平均は186.45ドル高(+0.55%)と反発。スウェーデン中央銀行主催のフォーラムにおいて、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長からタカ派な発言が出なかったことで、安心感から買いが先行。ただ、ボウマンFRB理事が追加利上げの必要性を主張すると長期金利が上昇し、主要株価指数は一時下落に転じる場面があった。一方、根強いインフレピークアウト期待に加え、中国経済の再開などで景気悪化懸念も後退し、再びプラス圏に上昇すると、終盤にかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は+1.00%と3日続伸。米国株高を引き継いで日経平均は186.65円高からスタート。為替の円安進行に加えて、安川電機<6506>の決算などを材料にハイテクを中心に買い戻しが入り、午前中ごろには26479.99円(304.43円高)まで上値を伸ばした。
個別では、決算を受けて安川電機が大幅高となり、ファナック<6954>、キーエンス<
6861>も急伸。米SOX指数の続伸を好感し、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ルネサス<6723>、HOYA<7741>が大きく上昇し、イビデン<4062>、村田製<6981>、TDK<6762>などハイテクも上昇。日本製鉄<5401>、三井物産<8031>、INPEX<1605>、DOWA<5714>など景気敏感株も総じて高い。ほか、インフォマート<2492>、SREHD<2980>、インソース<6200>、MSOL<7033>を筆頭にSHIFT<3697>などグロース株の上昇が目立つ。
ベイカレント<6532>は外資証券による買い推奨が観測され大幅高。富士通<6702>による保有株売却の可能性が報じられたことで、株式売却に伴うプレミアムに対する期待が先行した富士通ゼネラル<6755>は急伸した。
一方、エーザイ<4523>、第一三共<4568>、JT<2914>、日本郵政<6178>などのディフェンシブ系の一角のほか、資生堂<4911>、JAL<9201>、マツキヨココ<3088>などのインバウンド関連が軟調。キユーピー<2809>、コジマ<7513>、東京個別<4745>、リソー教育<4714>は決算を受けて大きく下落。MonotaRO<3064>は月次動向が嫌気されて大幅安となった。
セクターでは、精密機器、鉄鋼、電気機器が上昇率上位となった一方、空運、パルプ・紙の2業種が下落となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の84%、対して値下がり銘柄は12%となっている。
本日の東京市場では主要株価指数が揃って上昇。前日の海外市場において、パウエルFRB議長の講演を無難に通過したことや、米長期金利が上昇する中でも米ナスダック指数が3日続伸したことが安心感を誘い、明日の米12月消費者物価指数(CPI)の発表を前に買い戻しが優勢となっているもよう。安川電機の決算を材料にハイテク関連に買い戻しが入っていることも指数を押し上げている。
一方、日経平均は大幅に4日続伸しているが、依然として下向きの25日移動平均線を大きく下回っており、買い戻しの域を出ていない。マザーズ指数は大幅高で、一気に100日、75日、25日の各移動平均線を捉えてきているが、ちょうど日足一目均衡表での厚い雲の下限付近のところまで戻していて、そろそろ戻り待ちの売りが出やすい水準ともみられる。
他方、懸念される材料は日々相次ぐ。昨日は、世界銀行が2023年の世界成長率見通しを1.7%と予想し、昨年6月時点の見通しからほぼ半減させた。これはリーマンショックの影響があった2009、10の両年の縮小に次ぎ過去30年ほどで3番目の低成長に値するという。
また、ボウマンFRB理事が追加の利上げの必要性を主張したことに加え、米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、政策金利が6%まで引き上げられる確率が50%あるなどと発言した。
こうした中でも、市場は依然として年後半からの利下げ転換を予想しており、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)の織り込みも依然として5%未満にとどまっている。こうした状況を受け、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、投資家は楽観的であり、市場の予想とFRBの見通しとの間の乖離について、これをチキンレースであるとした上で、市場はチキンゲームの敗者になるなどと語ったという。
ただ、こうした頑なFRB高官らの姿勢はあくまでポーズに過ぎないと考えられる。米国の物価水準は依然として高いとはいえ、CPIや平均時給の伸びには明確なピークアウトが見られてきている。一方で、米12月ISM非製造業(サービス業)景気指数が景況感縮小の50割れの水準に一気に下降してくるなど景況感・景気の変調も著しい。
ISMサービス業景気指数の50割れは大寒波の影響による一過性要因の可能性もあるが、個人消費の減退が主因である可能性もある。米国ではすでにコロナ禍での財政給付によって貯めた資金が使い果たされ、貯蓄率はコロナ前の水準を下回るまでに落ち込んでいる。一方でリボルビング支払いなど消費者信用残高が急速に増えている。ここから、米ISMサービス業景気指数の50割れは景況感悪化による個人消費の腰折れによる可能性もゼロではないと推察される。
今後も、米国でのCPIと雇用統計での平均時給の伸びの減速が続く一方で、ISMサービス業景気指数の50割れが続くようであれば、米雇用者数の割合で製造業の4−5倍程も占めるサービス業の悪化は深刻と思われ、FRBもいつまでもタカ派なポーズを取っていられなくなるだろう。今後出てくる指標次第ではあるが、チキンレースにFRBが負ける可能性もあり、その場合は株式市場の底入れが期待されてくる。ただ、短期的にはここから1カ月程度は、経済指標よりも、今後本格化する企業決算に対する見極めが重要と思われ、チキンレースに負けたFRBの利上げ停止・利下げ転換による相場底入れにはもう少し時間がかかろう。
(仲村幸浩)
<AK>
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