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Sansanのニュース
*17:14JST 国内株式市場見通し:国内外で注目イベント相次ぎ、神経質な展開
■景気後退懸念と円高でリスクオフ強まる
今週の日経平均は週間で523.17円安(-1.87%)と3週ぶり反落。週足のローソク足は3週ぶりに陰線を形成。一方、13週線など主要な移動平均線上は維持した。
週前半は米個人消費支出(PCE)コアデフレーターの鈍化を好感した買いで堅調に推移。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」の主要加盟国が想定外の追加減産を決めたことでインフレ警戒感が高まったほか、日本銀行が発表した3月全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の業況判断指数(DI)が市場予想を下回ったが、これらの影響は限定的だった。一方、エネルギー関連株が買われたことに加え、東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に改善策を要請したことがバリュー(割安)株の買いを誘い、全体を下支えした。
しかし、週後半に大きく下落。米雇用動態調査(JOLTS)や米供給管理協会(ISM)の非製造業(サービス業)景況指数などが予想を下回ったことに加え、米銀大手の最高経営責任者(CEO)が金融システム不安の影響が長期化する可能性を警告したことが投資家心理を悪化させた。ほか、期初に特有の国内金融機関による益出しが相場の重しになったとの指摘も聞かれた。
■米物価指標、国内小売決算、米銀決算などに注目
来週の東京株式市場は弱含みか。重要イベントが多く、神経質な展開が続きそうだ。12日に米3月消費者物価指数(CPI)、13日には米3月卸売物価指数(PPI)が発表される。今週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だったが、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月21-22日開催)で示された政策金利見通し(ドットチャート)から、利上げは残すところあと1回と予測されるが、米CPIとPPIがこうした見方を裏付ける内容となるかに注目だ。
一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを相次いで主張した。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米物価指標が大きく上振れてしまうと、市場の織り込みがFRBの予想に引っ張られる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が強まりやすくなりそうだ。
12日には前回FOMCの議事要旨も公表される。前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは少なくないだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルは市場予想ほどには低くないとの見方が強まれば、株価にはマイナスと考えられる。
週末14日には米3月の小売売上高と鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。株式市場は直近の米経済指標の弱さに神経質に反応しているため、これらの指標結果次第ではさらに景気悪化を織り込む動きが加速する可能性があり、週末まで警戒感がくすぶる。
また、週末にはJPモルガン・チェースやシティ・グループなどの米国銀行の決算が発表される。貸倒引当金がどれほど積み上げられるのか、各社経営陣の経済先行きに対するコメントなどに注目だ。ネガティブな色合いが強いと、その後に本格化していく日米主力企業の1―3月期決算に対する警戒感が高まり、リスクオフの展開になる恐れがある。
国内では12-2月期決算が本格化する。イオンモール<8905>、J.フロント リテイリング<3086>、ABCマート<2670>、ファーストリテイリング<9983>などの小売企業のほか、ローツェ<6323>、SHIFT<3697>、Sansan<4443>など注目のハイテク・グロース(成長)株の決算も発表予定だ。4月5日から、中国からの渡航者に対する新型コロナ水際対策がさらに緩和され、インバウンド需要の本格回復が期待される中、百貨店などをはじめとしたリオープン関連は数少ない株価上昇トレンドを示すテーマ銘柄だ。半導体関連は年央からの市況底入れに対する期待、グロース株は米長期金利の先高観後退などが支援要因になるとみられ、全体的にポジティブな反応が先行するかどうかに注目だ。
一方、東京証券取引所が公表する裁定取引に係る現物ポジションによると、3月31日時点のネットベースでの裁定買い残高は1兆261.42億円と依然として高水準にある。米国株が崩れれば、海外投資家による先物売りが裁定売りを誘発する余地は大きいとみられ、需給面ではやや警戒しておきたい。
■景気ウォッチャー、米CPI、米小売売上高など
来週は10日に3月景気ウォッチャー調査、11日に中国3月CPI、12日に3月企業物価指数、2月機械受注、米3月CPI、米FOMC議事要旨、13日に中国3月貿易収支、米3月PPI、14日に4月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出、米3月小売売上高、米3月鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数、などが予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で523.17円安(-1.87%)と3週ぶり反落。週足のローソク足は3週ぶりに陰線を形成。一方、13週線など主要な移動平均線上は維持した。
週前半は米個人消費支出(PCE)コアデフレーターの鈍化を好感した買いで堅調に推移。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」の主要加盟国が想定外の追加減産を決めたことでインフレ警戒感が高まったほか、日本銀行が発表した3月全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の業況判断指数(DI)が市場予想を下回ったが、これらの影響は限定的だった。一方、エネルギー関連株が買われたことに加え、東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に改善策を要請したことがバリュー(割安)株の買いを誘い、全体を下支えした。
しかし、週後半に大きく下落。米雇用動態調査(JOLTS)や米供給管理協会(ISM)の非製造業(サービス業)景況指数などが予想を下回ったことに加え、米銀大手の最高経営責任者(CEO)が金融システム不安の影響が長期化する可能性を警告したことが投資家心理を悪化させた。ほか、期初に特有の国内金融機関による益出しが相場の重しになったとの指摘も聞かれた。
■米物価指標、国内小売決算、米銀決算などに注目
来週の東京株式市場は弱含みか。重要イベントが多く、神経質な展開が続きそうだ。12日に米3月消費者物価指数(CPI)、13日には米3月卸売物価指数(PPI)が発表される。今週末に発表された米3月雇用統計は概ね市場予想に一致する結果だったが、20万人を超える非農業部門雇用者数の増加、平均時給の前月比でのプラス傾向、失業率の低下などから、労働市場の逼迫解消のペースが緩慢であることが示唆された。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月21-22日開催)で示された政策金利見通し(ドットチャート)から、利上げは残すところあと1回と予測されるが、米CPIとPPIがこうした見方を裏付ける内容となるかに注目だ。
一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを相次いで主張した。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米物価指標が大きく上振れてしまうと、市場の織り込みがFRBの予想に引っ張られる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が強まりやすくなりそうだ。
12日には前回FOMCの議事要旨も公表される。前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは少なくないだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルは市場予想ほどには低くないとの見方が強まれば、株価にはマイナスと考えられる。
週末14日には米3月の小売売上高と鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が発表される。株式市場は直近の米経済指標の弱さに神経質に反応しているため、これらの指標結果次第ではさらに景気悪化を織り込む動きが加速する可能性があり、週末まで警戒感がくすぶる。
また、週末にはJPモルガン・チェースやシティ・グループなどの米国銀行の決算が発表される。貸倒引当金がどれほど積み上げられるのか、各社経営陣の経済先行きに対するコメントなどに注目だ。ネガティブな色合いが強いと、その後に本格化していく日米主力企業の1―3月期決算に対する警戒感が高まり、リスクオフの展開になる恐れがある。
国内では12-2月期決算が本格化する。イオンモール<8905>、J.フロント リテイリング<3086>、ABCマート<2670>、ファーストリテイリング<9983>などの小売企業のほか、ローツェ<6323>、SHIFT<3697>、Sansan<4443>など注目のハイテク・グロース(成長)株の決算も発表予定だ。4月5日から、中国からの渡航者に対する新型コロナ水際対策がさらに緩和され、インバウンド需要の本格回復が期待される中、百貨店などをはじめとしたリオープン関連は数少ない株価上昇トレンドを示すテーマ銘柄だ。半導体関連は年央からの市況底入れに対する期待、グロース株は米長期金利の先高観後退などが支援要因になるとみられ、全体的にポジティブな反応が先行するかどうかに注目だ。
一方、東京証券取引所が公表する裁定取引に係る現物ポジションによると、3月31日時点のネットベースでの裁定買い残高は1兆261.42億円と依然として高水準にある。米国株が崩れれば、海外投資家による先物売りが裁定売りを誘発する余地は大きいとみられ、需給面ではやや警戒しておきたい。
■景気ウォッチャー、米CPI、米小売売上高など
来週は10日に3月景気ウォッチャー調査、11日に中国3月CPI、12日に3月企業物価指数、2月機械受注、米3月CPI、米FOMC議事要旨、13日に中国3月貿易収支、米3月PPI、14日に4月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出、米3月小売売上高、米3月鉱工業生産、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数、などが予定されている。
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