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野村総合研究所のニュース
■今週の相場ポイント
1.日経平均は小幅続伸、一進一退の展開も最後に強さみせ年初来高値を更新
2.TOPIXは反落も、ファストリとSBGが日経平均の上昇を牽引
3.週前半は売買代金2兆円台割れが続くなど、低水準の商いが目立つ展開に
4.IMFの世界経済成長率引き下げで景気減速への警戒感が再燃する場面も
5.週末は予想された軟調地合いの思惑を覆し、ドル高・円安を追い風に上昇
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比63円(0.29%)高の2万1870円と小幅続伸した。TOPIXは反落しており、ファーストリテイリング <9983> とソフトバンクグループ <9984> の2銘柄だけで日経平均を256円押し上げた。
今週の株式市場は週を通じて薄商いのなか方向感の定まらない動きとなったが、閑散に売りなしの展開で日経平均は下値抵抗力を発揮し、週末12日(金)に強さをみせ終値で2万1800円台後半までに買われ年初来高値を更新した。
週明け8日(月)は寄り付きに日経平均が2万1900円をつける強調展開で始まったものの、その後は戻り売りに押され値を消す展開。前週に大きく水準を切り上げた反動もあって上値追いに慎重な地合いが露呈した。9日(火)は狭いレンジの往来で“気迷い相場”そのもの。ただ半導体関連株などが強い動きをみせ全体を支え、日経平均は小幅ながらプラス圏で着地した。10日(水)は米中貿易協議への不透明感がくすぶるなか、IMFの世界経済成長率見通しの引き下げが嫌気される形で安くなったが、日銀のETF買いなどが寄与して後場下げ渋る動きとなり、115円安ながらこの日の高値圏で引けた。ちなみに今週はここまで売買代金2兆円割れが続いた。そして、11日(木)はまたもや狭いレンジで漂うような相場つきとなり、結局日経平均は前日終値をわずかに上回った。週末は前日の米株市場が冴えず、国内に買い手掛かり材料が見当たらないなか冴えない展開が予想されたが、為替相場の円安進行が望外の慈雨となった。日経平均は終値ベースで前週末5日の2万1807円を上回り年初来高値を更新。もっともこの日の上昇分はファストリの大幅高によってもたらされたに等しく、値下がり銘柄数が値上がりを上回り、TOPIXは小幅ながらマイナスで引けるという“意気の上がらない新高値”であった。
■来週のポイント
円安が進んでいるうえ、昨日のNYダウが大幅反発していることから、来週は2万2000円を目指す展開が期待できそうだ。ただ、今週のTOPIXは反落しただけに、円安進行が一服すれば調整する場面もありそうだ。
重要イベントとしては、国内では17日朝に発表される3月貿易収支や19日朝に発表される3月消費者物価指数が注目される。海外では16日発表の米国3月鉱工業生産指数や17日に発表される中国の1-3月期GDPと3月鉱工業生産指数、同日発表の米国2月貿易収支に注視が必要だろう。
■日々の動き(4月8日~4月12日)
【↓】 4月 8日(月)―― 4日ぶり反落、朝高も主力輸出株に利益確定売り
日経平均 21761.65( -45.85) 売買高10億5743万株 売買代金 1兆8847億円
【↑】 4月 9日(火)―― 反発、狭いレンジでの往来も引けにかけプラス圏
日経平均 21802.59( +40.94) 売買高11億0544万株 売買代金 1兆9426億円
【↓】 4月10日(水)―― 反落、米株安・円高嫌気も後半下げ渋る
日経平均 21687.57( -115.02) 売買高11億2275万株 売買代金 1兆9674億円
【↑】 4月11日(木)―― 小反発、方向感定まらず狭いレンジの往来
日経平均 21711.38( +23.81) 売買高11億1171万株 売買代金 2兆0545億円
【↑】 4月12日(金)―― 続伸、円安など追い風に年初来高値更新
日経平均 21870.56( +159.18) 売買高11億0178万株 売買代金 2兆2522億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中で上昇はわずか3業種、日経平均は小幅続伸もTOPIXは反落で
(2)ファストリ <9983> 、SBG <9984> が日経平均上昇を牽引
(3)野村総研 <4307> など情報・通信や楽天 <4755> などサービスといった内需株の一角は堅調
(4)富士通 <6702> など電機、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株は低調も下値は限定的
(5)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感業種は反落
(6)三菱UFJ <8306> など銀行、大和 <8601> など証券といった金融株はさえない
(7)大和ハウス <1925> など建設業、菱地所 <8802> など不動産業は大幅安
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(3) 人工知能(AI)
3(7) バイオテクノロジー関連 ── オンコリスが中外薬と提携・ライセンス付与で賑わう
4(4) セルフレジ
5(新) 新紙幣 ──── 新規にテーマ設定、20年ぶりの紙幣刷新発表で注目度急上昇 ※カッコは前週の順位
株探ニュース
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