＜話題の焦点＞＝金融業界革新へ、フィンテックでもっと便利に

　ＩＴ（情報技術）と金融を融合させる「ＦｉｎＴｅｃｈ（フィンテック）」が注目されている。明確な定義は確立されていないが、金融分野に強みを持つＩＴベンチャー企業などを指す場合が多い。ＩＴを活用することで便利な金融サービスを提供するベンチャー企業が次々と生まれており、金融業界に革新をもたらす可能性がある。

　手数料無料のオンライン決済サービス「ＳＰＩＫＥ」などを手掛けるメタップス<6172.T>が８月２８日に東証マザーズ市場に新規上場したことや、個人向け自動家計簿サービスなどを手掛けるマネーフォワード（東京都港区）がテレビＣＭを開始したことなどを通じてフィンテックの認知度は確実に高まっている。マネーフォワードを巡っては８月２５日に、静岡銀行<8355.T>とＳＢＩホールディングス<8473.T>が資本業務提携を発表した。

　一方、大手企業も黙っていない。富士通<6702.T>は８月２７日、金融サービスのオープンイノベーションを加速させるコンソーシアム「ファイナンシャル　イノベーション　フォージャパン（ＦＩＦＪ）」を設立。金融機関５４社、フィンテック企業４７社が参加し、共通サービス基盤の開発・提供などを目指す。

　メガバンクでは三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>が８月３日に、米シリコンバレーでベンチャー企業の支援を手掛けるプラグアンドプレイと提携。三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ<8306.T>は６月にフィンテックに特化したコンテストを開催し、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>は７月から新サービス創出を目的としたアクセラレートプログラムをスタートさせている。

◆主なＦＩＦＪ参加企業

●金融機関
横浜銀<8332.T>
みずほ<8411.T>
オリコ<8585.T>
オリックス<8591.T>
野村<8604.T>
第一生命<8750.T>

●フィンテック企業
アスカネット<2438.T>
ブレインパッド<3655.T>
ＣＴＣ<4739.T>
凸版印<7911.T>
大日印<7912.T>
ＳＣＳＫ<9719.T>


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）