下値警戒感根強く売り先行、200日線など抵抗線割り込む
明日の東京株式市場見通し
10日の東京株式市場は、引き続き海外株式市場や外国為替市場、原油先物相場など、海外要因に左右される展開が予想される。きょうの下げで、
日経平均株価がこれまでの下値抵抗ラインを割り込んだことから、市場参加者の警戒感は強まっており売り優勢で続落となる可能性が高い。
9日の
日経平均株価終値は、前日比191円53銭安の1万9301円07銭と大幅続落した。この結果、200日移動平均線(1万9485円=9日)と一目均衡表の基準線(1万9326円=同)の二つの主要な抵抗線を割り込り込み、下値警戒感が強まっている。今後、11月16日の安値1万9252円を下回ると、75日移動平均線の1万8770円や、11月2日安値の1万8641円を下値メドとして意識せざるを得なくなる。
市場関係者からは「今週末の特別清算指数(SQ)算出を前にして、株価指数先物との裁定取引に伴う現物株の買い残高が高水準のため、解消売りに対する警戒感が市場心理を悪化させている」との見方が出ていた。
9日の動意株
パスコ<9232>=大幅続伸。
同社はこの日、
奥村組<1833>の造成工事現場において、UAV(小型無人機、ドローン)を活用した工事進捗管理への適応実証実験を行い、高い成果を上げたことを発表した。今回、UAVを用いた現況測量で、土量管理に必要な10センチメートル以内の精度を確保し、計測(撮影)業務からモデル化までの作業時間を大幅短縮することを実現した。造成工事では、作業効率の向上と工期やコスト削減が課題のひとつとなっており、UAVの活用進展が期待される。
オリエントコーポレーション<8585>=急反発。
クレディセゾン<8253>が8日、自社株買いを発表。みずほ銀行からの持ち合い解消に伴う保有株売却に対応するものだが、同じく資本提携し、みずほグループが大株主になっているオリコに対してはカード事業の連携に向け、今後の関係を一段と強化するのでは、との期待も出ている。
ルネサスエレクトロニクス<6723>=後場急動意。
同社はきょう、自動運転時代のリアルタイム画像処理を可能にする内蔵SRAMを開発したと発表。これが材料視されているようだ。新たに開発した内蔵SRAMは、今後プロセスの微細化が進むにつれて困難になると予想される速度と安定動作の両立や省電力化、小面積化を実現。将来の先進運転支援システムや自動運転に求められるリアルタイム画像処理の性能向上に大きく貢献すると期待されている。
セメダイン<4999>=大幅高。
同社は8日の取引終了後、同社株式の29.61%を保有する筆頭株主の
カネカ<4118>が、同社に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の576円にサヤ寄せする格好となっている。今回のTOBはカネカによる連結子会社化を目的としており、買付予定数は321万2000株(上限321万2000株、下限は設定なし)。上限まで買い付けた場合、カネカの所有割合は51.01%となる。買付期間は12月9日から来年1月13日まで。なお、TOB成立後もセメダインは上場を維持する予定。
日本CMK<6958>=大幅高。
8日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ、目標株価を240円から420円へ引き上げた。構造改革に伴う固定費削減と、主力事業の車載向けPCB(プリント配線板)事業が拡大期入りすることを評価。今16年3月期通期連結営業利益は会社側計画と同様の2億円(前期実績6億4100万円)から1億円に引き下げているが、来期予想を21億円から30億円に引き上げている。
鉄人化計画
<2404>=反発。
同社は8日取引終了後、ミュージック配信やデジタル・コンテンツ・サービスを展開するレコチョク(東京都港区)と共同出資会社を設立すると発表した。映像と音楽を活用した新しい音楽体験サービスの提供を目的に来年度のサービス開始を目指す。新会社設立は12月11日(予定)で、出資比率は鉄人化計画、レコチョクそれぞれが50%ずつとなる。これに伴い中期的なビジネス展開力が高まるとの思惑が短期資金の買いを誘導している。
配信元: