上下に窓 ボックス相場になりやすい
先週末の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 33.18 ドル高の34798.00、ナスダック総合指数は 4.54 ポイント安の 15047.70 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 30075 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はもみ合いスタートを想定。先週末の終値近辺から始まると思われる。
日経平均の日足チャートでは先週末、窓を空けて上昇。強気相場に転じており、一連の下落相場が終了したことを意味している。ただ、上下に窓が空いているため、短期的にはこれらを埋めやすい。ボックス相場になりやすく、一時的に株価は振れることになるだろう。
株価上昇の背景となっているのが、中国・恒大集団の影響がひとまず限定的とみられていること。引き続きデフォルト懸念は強いものの、銀行が早期に貸倒引当金を設定。過度な警戒感は抑えられている。新型コロナの新規感染者も減少しており、マーケットは「経済正常化」への期待を高めている。足元で再び円相場が1ドル=110 円台に乗せてきていることも、輸出関連株に買い安心感を強めさせている。
あとは期末の需給要因だ。28 日(火)に権利付き最終日、29 日(水)には権利落ち日、そして 30 日(木)には3月決算企業の中間期末を迎え、翌1日(金)には日経平均採用銘柄の入れ替えがある。機関投資家のポジション変更、思惑に株価が左
右されやすく、一時的に乱高下する場面もあるだろう。
そして注目のニュースが、中国が暗号資産を全面禁止したことだ。ビットコインは一時急落する場面もあったが、その後はやや持ち直す形となっている。ただ、この問題に関しては、ある程度、読める流れ。そもそも仮想通貨、暗号資産は現在の国際決済銀行(BIS)をトップとした通貨管理体制から外れるものであり、既得権益を持っている通貨当局からしてみれば、目の上のタンコブ。完全にジャマな存在であった。ただ、電子決済などの仕組み自体は有益なものであり、今は「泳がしている」状態。そのうち「1暗号資産=1ドル」のような完全固定相場となり、その仕組み自体を乗っ取る可能性が高い。今回の件は、お金で人々を支配する通貨管理体制を強化するための「重要な1ページ」となりそうだ。
【今日のレポート銘柄】
日本郵船<9101>
インティメート・マージャー<7072>
ソフトバンク G<9984>
Birdman<7063>
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