明日の株式相場に向けて=個人投資家が食欲の湧く材料株相場に
週明け28日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比18円安の2万9048円と小幅反落。値動きに覇気がないうえに、売買代金は前週24日木曜日と同様に2兆円大台を割り込む低調ぶりで、機関投資家目線で行けば「やる気の感じられない相場。肘をついてモニターを眺めているようなイメージ」(国内証券ストラテジスト)というのもうなずける。ところが、個別株ベースで細かく見ていけば決してそんなことはない。値上がり銘柄数が1466と全体の67%を占め、つまり3銘柄に2銘柄は上昇している状況だ。特に小型株指数の上昇が顕著であり、個人投資家にすれば先物主導ではるか上空を大型株だけが舞い上がっていくような相場よりも、よほど食欲の湧く地合いといってよさそうだ。
今週は日米の重要経済指標が相次ぎ、週末2日金曜日には6月の米雇用統計が控える。しかし、逆説的になるが「買い手控え要因」というものを探す気になれば株式市場は常に事欠かず、いくらでも拾ってくることができる。種を明かせば、相場は予定されたイベントスケジュールに合わせて律儀に波動を変えるようなことはしない。前方に大きなイベントがあったとして、それを意識はしても線を引いたようにきっちりとそのタイミングでトレンドが変化するようなことはむしろ稀である。
ひとたび潮の流れが発生すれば、見極めたい材料などお構いなしに相場は動く。今週がもし一進一退の動きを続けるとしたなら、それは日米の重要経済指標の結果を待っているからではなく、単に機が熟していないからということになる。
もっとも株式需給面では2万9000円近辺での滞留出来高が多く、ここを上に抜けるのは大変なことがこれまでの経緯で分かってきた。ただ、いずれはこのもみ合いを上下どちらかに放れる時が来ることは間違いなく、その時をイメージした投資戦略を組み立てていく必要がある。
また、日経平均やTOPIXの値動きに神経を集中させる必要性もない。東証2部指数は一足先に新値街道に突入しているし、一時はバランスを大きく崩したマザーズ指数もここにきて戻り足を鮮明化、既に日足一目均衡表の雲抜けだけでなく、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を日経平均に先んじて綺麗に上に突き抜けてきた。ジャスダック市場もしかりで、日経ジャスダック平均は、きょうの上げで今月21日の急落前の水準を上回り年初来高値更新に漕ぎつけている。当面は主力株の上値が見込みにくいという地合いであるならば、なおのこと中小型材料株に物色の矛先が向きやすいともいえる。
個別では水素関連の一角で人気化した木村化工機<6378.T>は13週移動平均線との上方カイ離を修正し、押し目買いチャンスとなっている可能性がある。また、フォーカスシステムズ<4662.T>も押し目買い対象として有力。こちらは3次電池の研究開発に関する特許出願を材料に6月中旬に急騰したが、その後は急速な調整を余儀なくされていた。1000円トビ台で売り一巡感も台頭、戻りに転じれば持ち前の俊足を発揮しそうだ。
このほか、きょうは東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>などの主力どころは売りに押されたとはいえ、半導体関連の中小型株に投資マネーが集結する傾向が強い。最近取り上げたものでは浜井産業<6131.T>やワイエイシイホールディングス<6298.T>が大きく買われている。この流れで、ミナトホールディングス<6862.T>にも注目しておきたい。産業用メモリーを主軸に展開するが、デジタルデバイス周辺機器などにも幅広く展開し今後に楽しみがある。業績も22年3月期は営業23%増益と回復色が強い。このほか、レーザー関連で緩んだところをすかさず拾われているのがジェイテックコーポレーション<3446.T>。次世代EUV露光装置分野でレーザーテック並みのキャパシティを有しているとの見方もあるようだ。また、これ以外にプログラミング教育関連でユナイテッド<2497.T>の上昇トレンドに勢い。同社はここ人気化顕著なメルカリ<4385.T>の大株主でもある。
あすのスケジュールでは、5月の有効求人倍率、5月の完全失業率、5月の商業動態統計速報値など。また、東証マザーズにオムニ・プラス・システム・リミテッド<7699.T>、Waqoo<4937.T>、BlueMeme<4069.T>が新規上場する。海外では4月の米S&Pコアロジック・ケースシラー住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
今週は日米の重要経済指標が相次ぎ、週末2日金曜日には6月の米雇用統計が控える。しかし、逆説的になるが「買い手控え要因」というものを探す気になれば株式市場は常に事欠かず、いくらでも拾ってくることができる。種を明かせば、相場は予定されたイベントスケジュールに合わせて律儀に波動を変えるようなことはしない。前方に大きなイベントがあったとして、それを意識はしても線を引いたようにきっちりとそのタイミングでトレンドが変化するようなことはむしろ稀である。
ひとたび潮の流れが発生すれば、見極めたい材料などお構いなしに相場は動く。今週がもし一進一退の動きを続けるとしたなら、それは日米の重要経済指標の結果を待っているからではなく、単に機が熟していないからということになる。
もっとも株式需給面では2万9000円近辺での滞留出来高が多く、ここを上に抜けるのは大変なことがこれまでの経緯で分かってきた。ただ、いずれはこのもみ合いを上下どちらかに放れる時が来ることは間違いなく、その時をイメージした投資戦略を組み立てていく必要がある。
また、日経平均やTOPIXの値動きに神経を集中させる必要性もない。東証2部指数は一足先に新値街道に突入しているし、一時はバランスを大きく崩したマザーズ指数もここにきて戻り足を鮮明化、既に日足一目均衡表の雲抜けだけでなく、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を日経平均に先んじて綺麗に上に突き抜けてきた。ジャスダック市場もしかりで、日経ジャスダック平均は、きょうの上げで今月21日の急落前の水準を上回り年初来高値更新に漕ぎつけている。当面は主力株の上値が見込みにくいという地合いであるならば、なおのこと中小型材料株に物色の矛先が向きやすいともいえる。
個別では水素関連の一角で人気化した木村化工機<6378.T>は13週移動平均線との上方カイ離を修正し、押し目買いチャンスとなっている可能性がある。また、フォーカスシステムズ<4662.T>も押し目買い対象として有力。こちらは3次電池の研究開発に関する特許出願を材料に6月中旬に急騰したが、その後は急速な調整を余儀なくされていた。1000円トビ台で売り一巡感も台頭、戻りに転じれば持ち前の俊足を発揮しそうだ。
このほか、きょうは東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>などの主力どころは売りに押されたとはいえ、半導体関連の中小型株に投資マネーが集結する傾向が強い。最近取り上げたものでは浜井産業<6131.T>やワイエイシイホールディングス<6298.T>が大きく買われている。この流れで、ミナトホールディングス<6862.T>にも注目しておきたい。産業用メモリーを主軸に展開するが、デジタルデバイス周辺機器などにも幅広く展開し今後に楽しみがある。業績も22年3月期は営業23%増益と回復色が強い。このほか、レーザー関連で緩んだところをすかさず拾われているのがジェイテックコーポレーション<3446.T>。次世代EUV露光装置分野でレーザーテック並みのキャパシティを有しているとの見方もあるようだ。また、これ以外にプログラミング教育関連でユナイテッド<2497.T>の上昇トレンドに勢い。同社はここ人気化顕著なメルカリ<4385.T>の大株主でもある。
あすのスケジュールでは、5月の有効求人倍率、5月の完全失業率、5月の商業動態統計速報値など。また、東証マザーズにオムニ・プラス・システム・リミテッド<7699.T>、Waqoo<4937.T>、BlueMeme<4069.T>が新規上場する。海外では4月の米S&Pコアロジック・ケースシラー住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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