明日の株式相場に向けて=「日本版ミーム銘柄」探し
きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均が反落。依然として狭いゾーンでのもみ合いで上下どっちに行くかを踊り場で見極めているような状況だ。全体売買代金も低調。ただ、個人投資家の物色意欲は失われていない。
個別株に目を向けると引き続き、「アフターコロナ劇場」があちらこちらで開演中である。ワクチン普及で先駆する米国では、経済活動の正常化期待が、“正常ではない”爆発的なリベンジ消費を生んでいる。「レストランの予約は新型コロナウイルス感染が拡大する以前の水準をも上回る状況で、押さえつけられていた分の反動がいかに強いかを物語っている」(国内証券ストラテジスト)という。国民性の違いもあり、日本でも同様の現象が起こるかどうかは未知数だが、見切り発車的でもそうした思惑が絡む銘柄に物色の矛先を向けるのは、短期トレーダーなら当然の感覚といえるのかもしれない。
そうしたなか、高級レストランを展開するひらまつ<2764.T>は直近5月中旬につけた安値151円からわずか3週間あまりで60%近い上昇パフォーマンスを演じた。継続疑義注記銘柄で機関投資家の保有も少なく戻り売りを浴びにくい一方、貸株調達による空売りなどが入っている場合は、買い戻しを誘発して踏み上げ相場の色彩を強めやすい。SNS連携の実態はともかく、「日本版ミーム銘柄」候補が外食系には多い。
同じ範疇ではペッパーフードサービス<3053.T>がある。きょうは、80円高はストップ高となる551円カイ気配に張り付いた。同社は立ち食いステーキ店で一世を風靡したが、その後は経営不振となり、新型コロナが追い打ちをかけ20年12月期は大幅赤字を余儀なくされた。直近の月次動向が前年同月比で大幅なプラスに転じているとはいえ、ここ最近の急騰はちょっとやそっとの理屈では追いつかない。それでも米ゲームストップなどと比べれば箱庭的な踏み上げレベルかもしれないが、「株は需給」を地で行く相場である。
この流れに乗って、やや後方から上昇ピッチを強めてきたのがクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387.T>。同社もまた継続疑義注記だが、まだ新値街道突入以前であるのを見計らって、足もと買いの勢いが加速している。いうまでもなく、こうした銘柄群は次期業績の回復期待が買いの根拠となっているため、予想PERが割高とか、足もとの業績が赤字であるとかは関係がない。現時点で今期以降の業績急回復に確信が持てない以上、多分にマネーゲーム的要素も強いことは理解しておかなければならない。
人材サービス関連株も軒並み動意している。コロナ禍の影響で収益環境は厳しいはずだが、これも“収束後”を見込んだ動きといえるかもしれない。総合人材大手のリクルートホールディングス<6098.T>が上場来高値を更新したのは象徴的で、このほかにもパソナグループ<2168.T>やパーソルホールディングス<2181.T>が堅調、テクノプロ・ホールディングスやエン・ジャパン<4849.T>なども買われている。人材関連の低位株ではnms ホールディングス<2162.T>やツナググループ・ホールディングス<6551.T>などがある。低位ではないが、リンクアンドモチベーション<2170.T>なども戻り足が鮮明だ。
日経平均は55円安だったが、中小型株の強さが目立った。きょうの値上がり銘柄数は1400弱で値下がり数のほぼ2倍に達した。また、TOPIXは6日続伸で、こちらの方が全体相場の地合いを映しているともいえそうだ。レーザーテック<6920.T>の急落は驚かされたが、幸いにも全体への影響は限られ、半導体関連の中小型株も動揺することなく力強さを発揮するものが多い。半導体ソケットの山一電機<6941.T>の上昇一服場面は狙えそうだ。
一方、マザーズ市場が復活の兆しをみせていることも見逃さないようにしたい。マザーズ指数はマドを開けて25日移動平均線を上回ってきた。これはバイオ関連株が一斉高で切り返してきたことが大きい。時価総額上位のバイオ関連ではアンジェス<4563.T>、そーせいグループ<4565.T>、ジーエヌアイグループ<2160.T>、ヘリオス<4593.T>、サンバイオ<4592.T>、セルソース<4880.T>などがある。
あすのスケジュールでは5月のマネーストックなど。海外では5月の中国消費者物価指数、5月の中国生産者物価指数など。米国では10年国債の入札が予定される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
個別株に目を向けると引き続き、「アフターコロナ劇場」があちらこちらで開演中である。ワクチン普及で先駆する米国では、経済活動の正常化期待が、“正常ではない”爆発的なリベンジ消費を生んでいる。「レストランの予約は新型コロナウイルス感染が拡大する以前の水準をも上回る状況で、押さえつけられていた分の反動がいかに強いかを物語っている」(国内証券ストラテジスト)という。国民性の違いもあり、日本でも同様の現象が起こるかどうかは未知数だが、見切り発車的でもそうした思惑が絡む銘柄に物色の矛先を向けるのは、短期トレーダーなら当然の感覚といえるのかもしれない。
そうしたなか、高級レストランを展開するひらまつ<2764.T>は直近5月中旬につけた安値151円からわずか3週間あまりで60%近い上昇パフォーマンスを演じた。継続疑義注記銘柄で機関投資家の保有も少なく戻り売りを浴びにくい一方、貸株調達による空売りなどが入っている場合は、買い戻しを誘発して踏み上げ相場の色彩を強めやすい。SNS連携の実態はともかく、「日本版ミーム銘柄」候補が外食系には多い。
同じ範疇ではペッパーフードサービス<3053.T>がある。きょうは、80円高はストップ高となる551円カイ気配に張り付いた。同社は立ち食いステーキ店で一世を風靡したが、その後は経営不振となり、新型コロナが追い打ちをかけ20年12月期は大幅赤字を余儀なくされた。直近の月次動向が前年同月比で大幅なプラスに転じているとはいえ、ここ最近の急騰はちょっとやそっとの理屈では追いつかない。それでも米ゲームストップなどと比べれば箱庭的な踏み上げレベルかもしれないが、「株は需給」を地で行く相場である。
この流れに乗って、やや後方から上昇ピッチを強めてきたのがクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387.T>。同社もまた継続疑義注記だが、まだ新値街道突入以前であるのを見計らって、足もと買いの勢いが加速している。いうまでもなく、こうした銘柄群は次期業績の回復期待が買いの根拠となっているため、予想PERが割高とか、足もとの業績が赤字であるとかは関係がない。現時点で今期以降の業績急回復に確信が持てない以上、多分にマネーゲーム的要素も強いことは理解しておかなければならない。
人材サービス関連株も軒並み動意している。コロナ禍の影響で収益環境は厳しいはずだが、これも“収束後”を見込んだ動きといえるかもしれない。総合人材大手のリクルートホールディングス<6098.T>が上場来高値を更新したのは象徴的で、このほかにもパソナグループ<2168.T>やパーソルホールディングス<2181.T>が堅調、テクノプロ・ホールディングスやエン・ジャパン<4849.T>なども買われている。人材関連の低位株ではnms ホールディングス<2162.T>やツナググループ・ホールディングス<6551.T>などがある。低位ではないが、リンクアンドモチベーション<2170.T>なども戻り足が鮮明だ。
日経平均は55円安だったが、中小型株の強さが目立った。きょうの値上がり銘柄数は1400弱で値下がり数のほぼ2倍に達した。また、TOPIXは6日続伸で、こちらの方が全体相場の地合いを映しているともいえそうだ。レーザーテック<6920.T>の急落は驚かされたが、幸いにも全体への影響は限られ、半導体関連の中小型株も動揺することなく力強さを発揮するものが多い。半導体ソケットの山一電機<6941.T>の上昇一服場面は狙えそうだ。
一方、マザーズ市場が復活の兆しをみせていることも見逃さないようにしたい。マザーズ指数はマドを開けて25日移動平均線を上回ってきた。これはバイオ関連株が一斉高で切り返してきたことが大きい。時価総額上位のバイオ関連ではアンジェス<4563.T>、そーせいグループ<4565.T>、ジーエヌアイグループ<2160.T>、ヘリオス<4593.T>、サンバイオ<4592.T>、セルソース<4880.T>などがある。
あすのスケジュールでは5月のマネーストックなど。海外では5月の中国消費者物価指数、5月の中国生産者物価指数など。米国では10年国債の入札が予定される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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