日経平均はダブルトップになる?!

著者:斉藤紀彦
投稿:2017/12/12 16:38

早々に上抜かないと・・・

前場のTOPIXがプラスで終わっていたことから日銀のETF買いは入らないと判断され、後場は売りに押されてジリ安となりました。

東証1部の売買代金は2兆5106億円と後場はやや盛り返しましたが、騰落銘柄数は値上がり910銘柄、値下がり1024銘柄、日経225採用銘柄は値上がり120銘柄、値下がり100銘柄となっています。

日経ジャスダック平均株価は4日続伸して1990年8月2日以来ほぼ27年4ヶ月ぶりの高値となり、東証マザーズ指数も4日続伸していますので、個人投資家を中心に新興市場は堅調です。

日経平均の安値はボリンジャーバンドの+1σ(今日現在:22820円)まで迫ったところで下げ止まりましたが、その後も戻りは限定的でした。

米国株時間外取引はほぼ堅調でしたが、ドル円がやや円高方向だったことや中国株をはじめとするアジア株が総じて軟調だったことも投資家心理を冷やしました。

もちろんあすまで開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)や、15日発表の日銀短観なども控えて様子見になりやすいというのもありますが、またハイテク株が軟調なことも気になります。

また株価チャート的には1日の戻り高値22994.31円ときょうの高値22994.33円がほぼ同値で並んだことで、上昇一服を示唆するダブルトップになったこともよくありません。

早々にこれを上抜かないと、5日線(今日現在:22658円)や25日線(今日現在:22577円)を意識した調整が起こりやすいですし、勢いがつけば22000円近辺までの下げもありえます。

騰落レシオ6日やストキャスティクス9日など、一部のテクニカル指標が高値圏を示唆し始めていますし、海外投資家が徐々にクリスマス休暇に入って市場参加者も減ってきていることにも注意が必要です。

きのうも書きましたが、過去の利上げ局面ではFOMC後に円高ドル安に振れていることにも注意が必要となります。

基本的には戻りがあれば大型株は利益確定を進めるというスタンスで変わりなく、押し目があったときに買うのは中小型株だと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想