■115円に戻しても、あくまでも「自立反発」

著者:平野朋之
投稿:2016/02/16 11:47

■安易なカウンタートレードには注意が必要


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■昨日は東京市場で記録的な日経平均株価の上昇で
リスク選好的な展開となり、終日「ドル買い円売り」と
なりました。

また、春節あけの上海総合の立ち上がりも、安値から
切り返し、落ち着きを取り戻す取引になっています。

■やはり、切り返す背景になっているのがECBや
日銀による追加緩和策への期待感が株式市場への
安堵感を与え、リスク選好的な動きになっていると
みられています。


■しかし、これで完全に底打ちしたと判断するには
基本的にはまだ早いとみています。

というのも来月の米国FOMCでの利上げ見送りや
先週のイエレン議長の議会証言でのマイナス金利発言も
あるだけに、見送りどころか利下げが起きた場合、
ドル売り一色の金融マーケットになるとみています。


■米国の来月のFOMCまでの経済指標次第では
更なるボラティリティが拡大する恐れもあるだけに
ドル円の動きも、今まで以上に強烈な展開をみせる
可能性があります。

先週の小売売上高以外の米国の経済指標は、
悪化しているだけに、好転する可能性は低いと
みています。


■その考えになっているのがやはり、原油価格の
低迷にあります。

もし、長期間低迷を続けた場合、ディスインフレ
へ発展、産油国経済の更なる悪化、そして米国の
シェール石油も採算割れで、今以上に景気が
悪化する恐れも否定できません。

原油価格も併せてみておくことは、いつも以上に
強くおすすめします。


■本日は、チャート的にも先週木曜日から
下髭陽線をつけ、昨日は髭の少ない陽線をつけて
いるだけに安心感のなかで、115円をトライする
可能性があるとみています。




■テクニカルでは、昨日もお伝えしたように
自立反発局面でのフィボナッチでご説明しましたが、
戻り23.6%(113.55円)をあっさりと突破し、38.2%
(115.10円)へとトライしかかっています。

一目均衡表転換線やボリンジャーバンド-1σ(114.56円)に
集まっているので、この辺りが、本日の第一上値抵抗
ポイントであるとみています。

下値に関しては、昨日の安値(113.27円)
がターゲットになりそうです。


■いずれにしても、「自立反発」なので、この
「円売りドル買い」が継続するとはみていないだけに、
戻り売りを探したい今週であると考えています。

無理なカウンタートレードには注意が必要です。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想