■ロンドン、NYタイムにかけては戻りを試す動きも?

著者:平野朋之
投稿:2016/02/10 11:24

■今夜「利上げペース」に関するコメントは避ける可能性


---------------------------------------------------------

■昨日は、日経平均株価の大幅な下落からリスク回避が
強まり、更にNYタイムに入り原油先物が一時、
27ドルの水準まで下落したことを受けて114円前半まで
円が買われました。

しかし、引けにかけてはNY株式市場が値を戻すのと
同時に115円台前半まで戻っています。


■日本の長期金利マイナスが発生し、通常であれば
円を買う理由などは存在しないのですが、一時的な避難先と
して円が買われやすくなっている流れは、市場は
マイナス金利に対して疑問を投げかけていると考えています。

このマイナス金利の影響に関しての是非は色々ありますが、
預貯金にまで影響が出る可能性もゼロとはいえず、
既に郵貯銀行の普通預金の金利も下げはじめてきています。
高齢化する日本社会で唯一の「命の水」としてもらっていた
利息も途絶える可能性が出てきています。

この不満がアベノミクスに対する失敗との見方から
日本に信用不安につながる可能性もありそうです・・・。


■国内以外の要因で、供給過剰の長期化になりつつある
原油や中国の景気減速、米経済失速懸念も出始めてきている
ところに、日本の信用不安まで出るようであれば、
更にリスク回避を強めることになりそうです。


■本日は、10、11日の両日に開かれるイエレン議長の
議会証言に注目が集まります。

それまでは114円ミドルを挟んでの展開とみています。

■ここ最近の株式や原油価格の動向をみる限りは
「利上げペース」に関するコメントは金融混乱も含め、
避ける可能性があるとみています。

キーポイントとなるコメントが無ければ週末の
小売売上高に焦点が移り、一旦、相場的には戻る場面も
みられるものの基本的なトレンドは下降とみています。

つまり、戻り売りをしっかりと狙いたいところです。



■テクニカルでは、日足ベースを見ると下髭はつけた
ものの安心できるチャートには程遠く、むしろ120円が
遠くみえてしまいます。

上値ポイントはやはり116円とみておきたいと思います。

下値ポイントは週間足での一目均衡表の先行線を示す
下限スパンの114円と想定しても良いと思っています。

週間足チャートでは、ラウンドトップのように
被りだしてきているのがよくわかります。

114円を割れるようであれば更に、下げ足を強めるチャートと
みています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想