jojuさんのブログ

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★間接投資経路の金融政策は機能不全(財政ファイナンス)

 日本経済は昨年に引き続きマイナス成長化。

 低インフレでもあり、日銀の通貨供給不足は明らか。

 もしくは銀行でフ ン詰まり状態。

 日銀が国債購入で市場に資金を流しても、その資金が銀行で止まっている。


 銀行は財務省の縛りが強すぎ、その意向(景気抑制、税収抑制で増税推進)を忖度してるのか?

 それともあまりに景気抑制の金融政策が長すぎ、人口低迷で低成長化の宣伝が強すぎ、企業が銀行から借りようとしなくなっている、借りても日本国内の設備投資に回さなくなっているせいだろうか?

 はたまた、中国はじめ新興国が緩和政策を巨大化させる中で、先進国内への投資が増えにくくなっているせいだろうか?


 いずれが主因にせよ、とにかく、日本では銀行経由の間接投資を通じた金融政策が効きにくくなっている


 だから、日銀の通貨供給量に対し、インフレ率(景気)の感応性があまりに低い。 隣国・中国の金融緩和が巨大なことを割り引いても異常に低い

  (先進各国の中銀通貨供給(中銀資産)のGDP比の時系列比較からは日銀の通貨供給の伸びが急激

   と分かるが、それにインフレ率がほとんど感応していない。 これは日銀や黒田総裁が言うよう

   に構造問題、生産性の問題か? 否。 生産性が上がるから通貨流動性が上がるのでなく、通貨

   流動性が上がるからリスクテイク、技術開発、生産性向上となるので、構造問題ではない。 

   あくまで通貨流動性の問題である)


 金融政策の効率を上げるためには、銀行経路(間接投資経路)以外の別の通貨流通ルートを構築する必要がある。

 それが出来るのは政府だけだ。

 日本でマネーサプライを増やすには財政ファイナンス的なことをやらねば無理かも知れない


 財政ファイナンスは一般には国債暴落を引き起こすとされるが、日本国債の持ち主は銀行である。

 銀行が国債を投げ売ればその資金は市中に出る。

 マイナス金利を併用すれば一層そうなる。


 そうなると銀行資金が向かう先は株式、外債、貸付である。

 株高、円安、景気浮揚となり、税収は上がる。

 財政ファイナンスでも財政悪化にならない。

 国債借金の返済が行き詰まらないので、日銀が損を蒙ることもない。


 では、財政ファイナンスでも、国債売り、国債暴落、銀行経由の資金供給増大が起きなければどうだろう?

 その場合は、財政ファイナンスの支出で景気浮揚となるだけ。

 財政ファイナンスは巨額化するが、結局、どの経路をとっても景気浮揚になる。



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 財政ファイナンス経路での金融政策の最大の問題は市場原理を歪めがちなこと、それゆえ不良債権問題を引き起こしやすく、かつ中長期の成長性を損なうこと(潜在成長率の低下)、、、これらは将来的に国家のデフォルトにつながる

 この問題を回避するには、財政ファイナンス資金を公共事業でなく、期限付きクーポンなど市場原理が働くものに回すこと


 金融政策としての財政ファイナンスの支出規模は中銀の金融政策の一翼を担うものだから100兆円オーダーの巨額になる。

 中途半端な規模では1990年代の二の舞になる。

 中途半端な規模でないので、市場原理が働かない公共事業に使ってはいけない。

 公共事業に使えば、リーマンショック後の中国の巨額財政出動の二の舞になり、バブルと多くの不良債権を生むことになるだろう。



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 財政ファイナンスの巨額化は財政リスクを高めるので、過剰な財政ファイナンスは避けるべき

 インフレ率と資産価格水準を監視し、それが適正化する程度(コアコアインフレ率2%、日経PER20程度)に財政ファイナンスを抑えるべき


 また、財政ファイナンスが巨額化しないように、直接投資(株式市場)経由の通貨供給も増やすほうがいい。 現在、日銀がやっているETF購入は増額する必要がある。

 これも当然、中立株価水準(PER20程度)以下での購入とすべきで、それならば中長期で日銀BSを痛めることもない


 財政ファイナンス規模を抑えるべく、景気浮揚で政権基盤が強化された後は、(間接投資の機能不全の原因になっている)財務省の銀行規制も見直す必要があるだろう。 



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 日本では財務省による銀行規制の強さや、長期に亘る引き締め的金融政策と隣国・中韓の異常な金融緩和政策により、間接投資経路での金融政緩和が効きにくくなっている

 今後は他のアジア諸国も成長優先で金融緩和気味の政策を取る可能性が高く、日本や先進国の金融緩和が効きにくい状況は長期化するかも知れない。

 為替市場の非自由化(新興国)と金融の自由化(世界規模)が併存してる現状ではこれは回避しがたい。


 このように従前基準で異常な状況にあるとき、パラダイムシフトが起きてるときには、政府が金融緩和の一翼を担うしかなく、従前異常事態とされてきた財政ファイナンス政策が合理的になる

 金融緩和は、投資経路でなく消費経路で効かせるように変っていかざるを得ない(クーポン配布もETF購入も結局、消費者経路の通貨供給増大になり、それゆえ市場原理が働き、潜在成長率の低下や財政リスク上昇を招かない)




(補足)中国の巨大緩和政策と先進国(特に隣国・日本)の金融緩和政策の限界

 1980年代以降、中国は非常に巨大な金融緩和、莫大な通貨供給を行ってきた。今もそれは基本的に継続中である。 これは人民元の通貨安となり、他国、特に中国よりも生産性の高い国々(先進国)、特に隣国に対し、巨大な経済空洞化圧力・デフレ圧力・景気低迷圧力となってのしかかる。 そうならないためには、先進国、特に隣国・日本は巨大な金融緩和、莫大な通貨供給をしなければいけない。

 この通貨供給は、中央銀行が国債を購入することで、中央銀行により国債市場経由で成される。

 市場経由で成されるので市場原理を歪めないが(インターバンクに市場原理が働く)、国債購入で成されるので、累積国債発行額の制約がある。 この国債発行額の制約は、長期に亘る金融緩和不足で国内のインフレ期待が著しく低くなっている場合、それゆえ適正インフレ化(景気適正化)のための通貨供給量が莫大化する場合は、金融政策の壁になる。 国債不足で、適正インフレになる前に金融緩和困難になってしまう。

 中国が長期に亘る金融緩和でインフレ期待が高く、金融緩和により容易に物価上昇・景気上昇になるのに比し、日本はその真逆だから、対中国での金融緩和はすぐに(国債発行額の)壁にぶち当たることになる。 国債発行額の制約を取り除くには、政府が国債を大量発行し、支出を増やすしかない。 これは中国と類似の政策である。 違うのは、政府支出にも市場原理を働かすところ、それゆえ、国債大量発行でもデフォルト確率(財政破たん確率)が高まらないところである。

 もし、財政ファイナンス経路の金融政策がとられなければ、早晩、国債発行の壁に達し、金融緩和効果無しの論説が喧伝され、緩和政策そのものが放棄され、日本経済はますます沈むことになるだろう



(補足)財政ファイナンス的政策では減税政策は不可

 減税は消費につながるとは限らない。 先行き不安が強い場合(インフレ期待が低い場合)は特にそう。 なので、財政ファイナンス支出を減税を使っても市中の通貨量は確実に増えない。 減税への財政支出では、金融緩和との効率が悪くなり、財政膨張だけが進みやすく、財政破たん確率が高まる

 減税は生産性向上策、潜在成長率向上策として効果的だが、デフレ脱却時には適していない。 減税を行う最適なタイミングは、景気中立を維持できるようになってから

 

 





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