私が初めて株を買ったのは15年前のことで
銘柄はツムラとファーストリテイリングでした。
その後5年間放置し、どちらも運良くテンバーガーに。
その利益を元手に、2005年から本格的にこの世界に足を踏み入れました。
当初は無免許運転同然にも関わらず、やることは結構大胆で
仕手株やライブドア・ショックで大きな痛手を負いましたが
幸いにも地合いに恵まれ、最初の2年は冷や汗をかきながらも何とか黒字で終えることが出来ました。
因みに2005年~2006年は「猿でも儲かる相場」だと言われていましたから
投資を始めたタイミングがたまたま良かったとしか言い様がありません。
しかしこの2年間を、ただボーッと過ごしていた訳ではなく
株の世界で生き残るために試行錯誤を繰り返していました。
そこで辿り着いたのが株式投資に「目標管理」の概念を持ち込むことでした。
つまり勝率に拘らず、年間収支の黒字だけを考え、地合いに応じて投資戦略を変えるというものです。
それ以来、損切りに対する抵抗は全く無くなり、塩漬けによる機会損失も回避出来る様になりました。
ところで、当時私の勝率は3割程度だったので
取り敢えず3勝7敗で年間収支を黒字に出来る方法を考えました。
単純に計算すれば、一年間で100銘柄売買した時、そのうちの30銘柄に70%以上の資金を配分すれば
理論上、勝率3割でも年間収支は黒字になる可能性があります。
そこで今度は「ニッパチの法則」に目を付け、2割の銘柄に80%の資金を投入しようと考えました。
私はこの方法を「分散型集中投資」と勝手に名付けました。
つまり単なる分散投資は利益に繋がり難いと判断した訳です。
但し、銘柄に限らず、セクターやテーマ単位で資金を集中特化することもあります。
テーマ別最大の成功例は東証と大証の合併が記憶に新しいところです。
実力が正当に評価されていないと判断した、大証単独上場銘柄上位19銘柄に資金の80%を注ぎ込み
アベノミクスの追い風にも恵まれて、翌年平均株価は2倍を超えました。
投資を始めてから利確するまでに1年以上を要したこの企画は
私の株歴の中で、最も充実した投資だったと思います。
しかしこの様な成功例が得られる機会は滅多に無く
集中的に資金を注ぎ込めるテーマやセクターは1年を通して数回変わるのが普通です。
ですから、絞り込みが出来ない時は、銘柄単位でメリハリを付けた投資配分を行います。
例えば、フィデリティ投信やブラックロックといった
バリュー投資を中心とした外資系ファンドが買っている銘柄に資金配分を高くしたり
運良く「お宝銘柄」と思われる銘柄に出会った時は「ニッパチの法則」を適用します。
無論、「お宝銘柄」に遭遇出来るチャンスは極稀なので
今でも「お宝探し」は私にとって株式投資で唯一の醍醐味です。
結局、今まで私が3割の勝率で10年間黒字を続けて来れたのは
集中投資をした銘柄にことごとく助けられたためで
相場観は無くても、銘柄選択を誤らない限り利益を出し続けることが可能だということを
証明出来たのではないかと感じています。
これからも「負けない曲り屋」を目指して頑張ろうと思います。