jojuさんのブログ
★世界経済の現状(金融政策の有効性と財政出動の無意味さ)
欧州景気も底を打ったかもしれない感が出てきた。
米国景気は金融緩和縮小が話題になるほど前向きである。
中国景気は不透明だが、ゆるやかなバブル崩壊路線が続きそうである。 ほぼ完全な政府管理市場なうえ、不良債権処理余力が中央政府にあること、共産政権不安定要因になる急激なバブル崩壊は是が非でも防ごうとすることから(当面)波乱要因になる可能性は小さい(緩やかなバブル崩壊路線=バブル継続路線になりがちなので、将来的には中国経済と日本の国防に対する大波乱要因になるかも、、(--;)。
加えて、先進国企業は総じて言えば中国市場依存率はそれほど高くない。
また、今回景気回復局面は、中国バブル崩壊で資源高が抑えられる点で、前回景気回復時よりも不安定さが減っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
欧州、中国の不良債権処理が遅れており、それが投資資金回収の動きになって新興国の金融市場に変調をきたしている。
しかし、多くの国が金融緩和路線を取っているので、不良債権の累増は抑えられ、金融変調が足を引っ張っても、世界の実態経済は緩やかに回復していく可能性が高い。
巨大不良債権があっても、現下の世界経済の状況はデフレ的金融政策で不良債権を累増させた90年代日本の状況とかなり違う。
90年代日本は財政出動、景気対策をがんがんやったが、金融政策が悪く、景気低迷、不良債権累増は反転しなかった。
ことほぞ左様に景気に対して金融政策は重要なのです。
だから、「不良債権」=「90年代日本シナリオ」とは限らない(日本人はそういう条件反射をしがちだが)。
一方、財政出動は景気に大して重要ではない、、、それは金融政策で通貨価値を過大にされてしまえば無効化するから。 それは、景気に対して一時的効果しか持たないから。
景気に対する金融政策の重要性と財政出動の無意味さ、、このことは、90年代日本とリーマン後、金融政策一本で急速回復した米国経済を見れば歴然である(米国は地方政府の財政引き締めを中央政府の財政支出で均衡させた。トータルでは財政出動無しと同じ)。
金融政策というベースが無ければ景気は回復しないし、その場合、財政出動は単なる無駄使いになり、利権バラマキと不公正の拡大、政府財政の悪化、大増税を招くだけ、、、それは歴史的事実ですでに証明されている。
だから、多くの国は失業率急増(10%とか)が無ければ財政出動を行わない。(これ以上ない低水準の失業率4%で財政出動をガンガンやるアベノミクスは、この点で壮大な実験である。 一方、アベノミクスの金融政策はどの国でもやってるインフレ目標政策、しかも過小気味のインフレ目標政策(日本の物価統計にはインフレ率が高めに出る誤差がある)なので見るべきものはなく、実験でもなんでもない。 世界の有識者は馬鹿な日本向けにはふざけたコメントしかしないwので、彼らのコメントを真に受けず、データと自分の頭を駆使して咀嚼すべきである)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
流動性リスクが大幅に低下した中での緩慢な景気回復。 これが世界経済の現状であり、総じてこの流れがさらに続く可能性が高い(一方、日本経済は金融緩和が十分でないまま、増税と財政出動がなされる可能性に注意すべき)。
シリア、地震などは投機筋のスパイスになっても世界経済の大局的な流れにほとんど影響しない。 むしろ、恰好の買い場を提供してくれることになりがち。
景気において重要なのは金融政策だからです(財政出動、財政政策は中長期で成長率低下要因になる点で重要であるw その詳細は前の日記に書いたとおり)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
添付図はそれぞれ「各国と比較した日本の成長率の凋落状況」、「日本の経済規模、名目GDPが拡大しないのに日本の政府支出が激増している状況(財政出動ガンガン路線)」、「オイルショック以降、ほぼ一貫して日本の金融が各国に対し引締め的な状況にあること(マネタリーベース増大率、通貨供給量が低目、つまりは引締め的金融政策であり通貨高、円高、デフレ路線)」を示す。
日本国民が幾ら勤勉で真面目でも、政府の経済政策がおバカではそれは報われない。 しかし、そういう政治家を選び続けてきたのもまた日本国民なのです。
経済に詳しくなること、自分の頭で考えること、、、それがこの逆境からの最高の反転策。
-
タグ:
そうでない政治家がいないので選びようがない、というのが実態でしょうか。
なので、最後の、
> 日本国民が幾ら勤勉で真面目でも、政府の経済政策がおバカではそれは報われない。 しかし、そういう政治家を選び続けてきたのもまた日本国民なのです。
> 経済に詳しくなること、自分の頭で考えること、、、それがこの逆境からの最高の反転策。
のところは、文脈から、”政治を正すために”「経済に詳しくなること、自分の頭で考えること、」という意味にも読めますが、私は、”政治に頼らず自分を成長させる、自分を守るために”「経済に詳しくなること、自分の頭で考えること、」ってことかなぁと思いました。
↑↑↑
いますよ。
今のとこ、みんなの党がそれに該当します。
生活が良くなるか否かには、個人の努力よりも経済政策の良し悪しの影響が大きいです。
高度成長期は普通の人もどんどん豊かになりましたが、ここ20年代はそこそこ有能なヒトもリストラされてます。
仮に、企業が利潤を追求し、政治は民の幸せを訴求する、という目標が間違ってないとすると、そのためにとる方法が間違っているのでしょうね。
間違うこと自体も自然な流れとすると、禅問答みたいだけど、そこで新しい種も生まれるのでしょうね。
↑↑
方法云々でなく、それ以前に政治家や官僚の目標が間違ってると思います。
それは、国民は政治家や公務員を税金で養ってるのに、国民益を増やそうとせず利権を増やす政治家を選んでいるからです。
利権を求める少数の有権者に対し、それ以外の有権者が意思統一できてないからそうなる。
それ以外の有権者が左翼カルトやら宗教カルトに走るから、おかしくなる。
利権は当然ながら(利権=少数利得ゆえ、利権足りうるので、利権カルトでは国民益は増えない)、左翼も宗教も国民益増大につながらないことを知るべきだし、広めるべきでしょうね。
官僚は政治家が放置すれば、自然と目先の省益追求=利権追求になる「生き物」ですから、国民の選ぶ政治家がまずいのです、やっぱり。
振出しに戻る、ですね。
(間接)民主主義でもあるし、期待できる政治家の登場を待つしかないか。
みんなの党はよさそうには見えるのですが、民主党のよう、ということはないですか。日本の政治って、あっちに振れ、こっちに振れしながら、向上してないので、疑念ばかり大きくなる。