kabukabumanさんのブログ

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中国経済を揺るがす新たな問題


<ロイターの記事より抜粋>

中国社会科学院によると、起業家の第1世代が引退を迎える年齢に差し掛かり

今後3─8年で300万以上の民間企業(家族経営)が後継者問題に向き合う必要が出てくる。


「経営のプロ」が少なく、創業者一族が事業乗っ取りを恐れて

外部からの経営トップ招へいを嫌う傾向がある中国では、特に大きなリスクと言える。

国内企業の買収なども少なく、第1世代の起業家にとって引退に向けた選択肢は限られている。


資産調査会社「Wealth-X」の推計によると

第1世代の起業家らが築いた事業の価値は6110億ドル(約60兆円)に上る。

このため、後継者をめぐる危機は

世界第2位の経済大国となった中国の成長エンジンに大きなブレーキとなる可能性も出ている。


香港中文大学のジョセフ・ファン教授は「ある国のすべての企業が同じ時期に後継者問題を抱えれば

その国にとってシステミックリスクにつながる」と指摘し

「後継者問題にうまく対処できなければ、国内経済には打撃となる」と警告する。

 

ところで最近の中国は殆どの家庭が一人っ子の様ですが

富裕層の子供(経営者の子息など)は海外で教育を受けるケースが多く

教育期間が終わっても留学先で興味を持った職に付く傾向があるのだそうです。

つまり親の事業を継ぐ子供が少なく、その結果一代で事業を終えてしまう民間企業が

今後続出する恐れがあるという訳です。

 

因みに中国の民間企業数は1000万社に上ると言われていますが

そのうち800万社が家族経営だそうで

単純に計算すれば三分の一以上に当たる家族経営企業が存続の危機に直面することになります。

 

さらに中国は少子高齢化が進み労働力も減少傾向にありますが

賃金だけは上昇を続けているため海外企業にとってもメリットが薄れ始めています。

無論300万社に及ぶ家族経営企業が全て廃業する訳ではないにしても

中国経済に及ぼす影響は大きく、海外企業も撤退し始めればダメージは計り知れません。

 

現在はシャドーバンキングに揺れている中国経済ですが、こうした新たな問題が表面化してくると

最終的な目標である「理想的な共産主義」の確立は遠のく一方で

再び悪い社会主義に向かうのではないかという心配が生じます。

そしてそうなる前に中国政府がどの様な対応をするかが今後の大きな焦点だと思います。

 

さて今週の相場ですが

今週の四半期決算及び本・中間決算発表企業は1127社の予定で(ピークは9日)

7~8日は日銀金融政策決定会合が開かれることから

会合の結果と主要企業の決算に注目したいところです。

 

 

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