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いつか来た道
私は今、少し心配していることがあります。それは、ここ数年の上昇相場、ここ最近の円安で、相場(為替も含む)で儲けるのなんて簡単と個人の投資家が相場を舐めているきらいがあるのではないか、ということです。
一例を言えば、最近FXで儲けた、ないし儲けようというようなタイトルの本をよく見かけますが、素人がこれにレバレッジをかけて収益の柱にしようなどという行為は、とても正気の沙汰とは思えません。プロの世界をなめています。(レバレッジを1にして、分散投資の一環として外債の変わりに保有するという行為は理解できますが。)
為替は、国と国との相対的な関係の上に成り立つものであって、株式取引の業績のようなある意味、絶対的な指標が存在しないこと、どう見ても理不尽な理由(クーデター、政権交代、通貨切り下げ、切り上げ等。株式投資でもこれらは影響を与えるが、戦争の勃発でない限り影響は限定的。)で大きく動くことから、素人は絶対手を出してはいけないとその道のプロから厳しく教えられたことがあります。
また、日本は輸入大国であり、沢山のものを外国からの輸入に頼っているのです。以前にも書きましたが、このような国の通貨が安くなると、一物一価の法則(※)によって、その国は何れ必ずインフレへと向かい、お金の価値が目減りして私たちの生活に重大な影響を与えるのです。(もうガソリン価格等で影響は出ています。)
このことをきちんと理解せずに、単にお金を儲ける手法として、自分だけが儲かればよいかのような行為には賛成はできません。また、上記のことを理解した上で、自分だけが儲かればよいかのような行為を平気で行う人が多くいるのであれば、その国の未来も明るいとは言えません。
最近の円安は、日本個人投資家の海外投資(グロソブ等の外債を含む)による影響が大とのことですが、為替の本質、怖さを理解しないで小手先のFX取引にうつつを抜かしていると、そのうち大火傷をする人が一杯出るような気がします。
バブル崩壊のときのような、’いつか来た道’にならなければいいのですが。
(※)タイムラグはあるにせよ、同価値の品物は、最終的には世界中どこでも同じ価格で取引されるようになるという経済学の法則。
10年前の円安では外貨預金ブームになってたし、やっぱり歴史は繰り返すんでしょうね(~▽~)
しかし儲けようと外貨に投資すればするほど、円資産の価値は相対的に下がっていって実質的に貧しくなるのは皮肉な話ですね。対ドル、対ユーロで1年で10%くらい円は下がっているので、円資産しか持たない私としては、もう勘弁してくれって気持ちです。
私はFX、外貨預金、先物などはやらないつもりですが、やっている人の気持ちも知りたくて今朝の日記に書いてみました。素人を巧みに誘う業者も問題ですが、仕組みや背景などを知らずに単に「上がるか下がるか」ということしか頭になくレバをかけて大勝負する人が多いのは大問題だと思います。PCの前がディーリングルームと勘違いしている人が多すぎるのは怖いことです。大やけどで済めばいいですけど即死する人も大量に出てくる可能性は否定できません。
今のところは他人事ですが、こういう警鐘に耳を貸さない投資家は注意しなければならないでしょうね。