元祖SHINSHINさんのブログ
ブログ
TPP あてがわれた平和の毒
著作権が問題になることを重々承知で、たびたび文章の引用をする。
ひとりでもいいから実際の書籍を手にする人が現れてほしいし、
この程度の引用で、著作権などとチンケなことをいうような著者であるわけがない。
そういう傑物の書いた書籍しか、引用なんぞしやしない。
************************************
(略)
戦後から今日まで続いた平和の中で顕在したものや、
江藤淳の指摘したアメリカの手によって『閉ざされた空間』のように隠匿されたものを含めて、
今日まで毎年続いてアメリカからつきつけられている「年次改革要望書」なるものの実態を見れば、
この国がアメリカに隷属し続けてきた、
つまりアメリカの「妾」にも似た存在だったことは疑いありません。
その間我々は囲われ者として、当然のこととしていかなる自主をも喪失しつづけてきたのです。
未だにつづいてアメリカから突きつけられる「年次改革要望書」なるものは、
かつて自民党が金丸信支配のもとで小沢一郎が幹事長を務めていた時代に始まりました。
あの年アメリカは日本経済の進展に苛立ち、
日米二国間で行う「日米構造協議」なるものを一方的にもちかけてきました。
これは本来先進国間の経済摩擦解消のためにもうけられたOECDやWTOといった
国際機関で行われるべきものですが、他の先進国も、
相手があの日本ならやらせておけということでまかり通ってしまった。
その内容はこまごま二百数十項目もあり、中には現金を夜にかけて持ち歩いてもさして危険のなかった
当時の日本の治安の実情も知らずに、夜の消費を促すために「ATMを昼間だけではなしに深夜まで動かせ」
などという的外れのものまでありました。
いずれにせよどれも一方的、勝手な要求で、私たち有志の議員はそれに対抗して百数十の対抗項目案を作り
日本からアメリカへの改革要望書としたが、それを発表する総務会を党の支配者たちはアメリカへの気兼ねで
会期末二週に渡って述べ三回流して発言を封じてしまいました。
しかたなしに我々は英訳した本文を外人記者クラブで発表せざるを得なかった。
これは日本の経済界には高く評価されましたが、当時日経連の会長で大学の先輩でもあった
鈴木永二氏に私は呼びつけられ、何でこんな大事なものをもっと早く発表しなかったのだと叱責されました。
発表が遅れたのはアメリカへの気兼ねで党の執行部が発表の場を潰したのですと説明したら
鈴木氏は激怒し、以来自民党を見限るようになってしまったものです。
あれ以来連綿とつづいているアメリカからの日本に対する改革要望書なるものの
現今の実態はつまびらかにしないが、ならばそれに対して日本からその相手に
どのような改革要望書が今出されているのだろうか。
国際経済機関に属している先進国で、
こうした主従関係にも似た関わりをアメリカと構えている国が他にあるわけがない。
トインビーはその著書『歴史の研究』の中で歴史の原理について明快にのべています。
「いかなる大国も必ず衰微するし、滅亡もする。
その要因はさまざまあるが、それに気づくことですみやかに対処すれば、多くの要因は克服され得る。
しかしもっとも厄介な、滅亡に繋がりかねぬ衰微の要因は、
自らに関わる重要な事項について自らが決定できぬようになることだ」と。
これはそのまま今日の日本の姿に当てはまります。
果たして日本は日本自身で重要な事柄についてアメリカの意向を伺わずに、
あくまで自らの判断でことを決めてきたことがあったのだろうか。
これは国家の堕落に他ならない。
そんな国家の中で、国民もまた堕落したのです。
***********************************
★「新・堕落論 ~我欲と天罰~」
石原慎太郎著 新潮新書 720円+税 2011.7.20初版 2011.9.5 第7刷
団塊の世代から終戦時小学生あたりの世代は、アメリカが民主主義をもたらしたと勘違いしてますね。
その世代が政治をやれば、アメリカに物申せないのはある意味当たり前とも言えます。
アメリカが日本に民主主義をもたらしたと思う人は
黒塗り教科書について考えて見れば良い。
長くなりますので、この辺で。アメリカの言論統制検閲はサンフランシスコ平和条約まで続き、その後も影響を与えて今に至りますね。
MADE IN JAPANではなく
WADE IN OCCUPIED JAPAN
の時代があり何を我が国がされたのか考えなくてはいけませんね。
うーたんスキーさん、コメントありがとうございます。
今まで石原さんのことをよくわかっていなかったのですが、
この書籍を読んで、惚れてしまいました。
他にも考えされる話が満載です。
それと、石原さんは触れいていなかったのですが、
「ルポ貧困大国アメリカ」を読んで以来、
アメリカの変質ぶりが、
あの大前研一さんの書いていた通りな事実であると認識し、
その上でこの石原さんの話を読むと、
益々胸にこたえてきます。
気がつけば、
日本にはアメリカの威を借るキツネばかりになってしまいました。
それに気がつかない毒されてしまった日本人の多さが、
こうした悲劇につながってしまったのだと思います。
もう間に合わないかもしれませんが、
自分のできることを続けようと思っています。
貴兄にも必ず神仏、先祖先人のご加護があります。←分かってらっしゃいますね。
大した事の出来ぬ身で有りますが、何があっても雄々しく清らかに生きて参りたいと思います。
リーマンショックのあった翌年正月、
なんと1億人が神社に参拝したというマスコミ報道がありました。
特別に意識していなくとも、
ごくごく自然に神社に足が向かうという行為が、
何かを物語っていますね。
きっとDNAに刻まれてきた、何かがあるのでしょう。
知りあいの焼き鳥屋さんを経営している台湾人も、
毎年神社に初詣でしています。
日本で生活を続けていると、
縁が縁を呼び出して外国人でも神社に行きたくなる
不思議な国が、日本なのかもしれません。
かように不思議な神社の話で、
最近読んで「ホホ~」と思ったことがあるので、
今晩あたり記事にしてみます。