元祖SHINSHINさんのブログ
TPP ボッタクリ医療編
2005年の統計では、全破産件数208万件のうち、企業破産はわずか4万件に過ぎず、
残り204万件は個人破産、その原因の半数以上があまりに高額の医療費の負担だった。
(US Census Bureau 2006)
ごく普通の電気会社の技師として勤めていたホセも2005年に破産宣告をされた一人だ。
「原因は医療費です。2005年の初めに急性虫垂炎で入院して手術を受けました。
たった1日入院しただけなのに、郵送されてきた請求書は12,000ドル。
会社の保険ではとてもカバーしきれなくてクレジットカードで払っていくうちに、
妻の出産と重なってあっという間に借金が膨れ上がったんです」
★盲腸手術入院時の都市別総医療ランキング(AIU DATA 2000)
都市名 平均医療費 平均入院数
1 ニューヨーク 実費273万円 1日
2 ロサンゼルス 実費194万円 1日
3 サンフランシスコ 実費193万円 1日
4 ボストン 実費169万円 1日
5 香港 実費152万円 4日
6 ロンドン 実費114万円 5日
ホセの住むマンハッタン地区の医療費は特に同区外の2~3倍高く、
一般の初診料は150~300ドル、専門医を受診した場合には200~500ドル、
更に入院すると部屋代だけで一日薬2,000~3,000ドルかかる。
アメリカの国民一人当たりの平均医療費負担額は、
国民皆保険制度のある先進国と比較して約2.5倍高く、
2003年度のデータでは一人当たり年間5,635ドルになる。
民間の医療保険に加入してもカバーされる範囲はかなり限定的で、
いったん医者にかかると借金漬けになる例が多い。
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(以上、「ルポ貧困大国アメリカ」 堤未果著 岩波新書 700円+税
第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々 P65~67)
会社の給与明細から天引きされる労使折半の医療費部分、
この先10年まで上がると書いていないか?
今現在コマーシャルでやっている民間外資系の健康保険会社なども、
「一生保険料は上がりません」と謳ってはいるものの、そのうちどうなるかわかりやしまい。
こういう理屈で、この上にさらにTPPが解禁されると、
それに便乗した民間外資系の健康保険は、アメリカがドルを捨ててアメロにするときや、
同時に日本が破綻する時を見計らったように、保険料の爆上げをすることだろう。
今はただこの不況を利用して、激安で日本人を米系健康保険に引っ張り出し、
日本の生命保険会社がひとしきり潰れ切った後、
「非関税障壁」という、軍事力を盾にしたゴリ押しに負ければ、
保険料は爆上げされる可能性が強い。
オマケに、それら外資系保険会社は、なんだかんだイチャモンをつけて
いざという時になって保険料なんぞ、払いやしないのだ。
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「ひどいのは掛け金だけではありません。
保険会社はあれこれ理由をつけて支払いを拒否してくるんです」
(同P68)
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病気に備えて、年間で収入の10%に当たろうかという民間保険費を、
家族のために払い続けてきたというのに、いざというときに保険屋がケチるのだ。
オマケに、大病などわずらうものなら、
その後にかかる労使折半な医療費の高騰を嫌がって、
雇用されていた会社から解雇されるというのだ。
こんなわけだから、米国の貧民層数は年々爆増するばかり。
いつぞやかNHKで放映された話では、
あるITエンジニアが高血圧になり、またインドでの外注も手伝ってリストラされ、
年収2,000万円を失い、家も手放し、離婚して、今は動かないキャンピングカーに住んでいる。
(路上や車で寝ると違法とされており、彼はもう逮捕されたかもしれない・・・)
学生のころバイトしていたマクドナルドの店長をしているが、
年収は300万円に行かないそうだ。
「医療と消費税」を日比谷へ聞きに行った時には、
堤未果氏もパネラーとして話をしてくれたが、
高額な医療費、払えないと逮捕される法律も、国民の知らないうちに成立したという。
TPPに参加を決定した時、
結局は米国の法律に従わないといけなくなるのではないか?
国際裁判なんぞに訴えたところで、その裁判所はロック笛の牙城になっているのだ。
だとしたら瞬時に、こうしたアメリカ型社会が環太平洋諸国へ広まることだろう。