松尾バナナさんのブログ
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圧縮比14.0
昨日、マツダの新型エンジンの発表がありました。
>電動アシスト無しで30km/リットル…デミオ 新型
http://response.jp/article/2010/10/20/146689.html
何年も前から、この新型エンジンの開発についての情報が、
マツダから流されてきました。
敢えて、私が取り上げるほどのことでもないのですが、
新型エンジンについて面白い傾向が見られましたので、書いてみました。
それは、このキャビティ(頭頂部の凹み)付のピストン形状と、
http://response.jp/article/img/2010/10/20/146657/288055.html
>量産用ガソリンエンジンとして世界で初めて圧縮比14.0の高圧縮を達成した。
この圧縮比14.0という異例な圧縮比です。
http://response.jp/article/2010/10/20/146657.html
それはまさに、レシプロエンジン(ガソリンエンジン)がディーゼルエンジンへ接近するかのようです。
この事例とは全く反対に、
ディーゼルエンジンがレシプロエンジン(ガソリンエンジン)へ接近するものがあり、以前から注目を集めていました。
それは、三菱自動車の新型低圧縮ディーゼルエンジンです。
>乗用車ディーゼルエンジンとしては最も低い圧縮比 14.9に設定する、、
http://www.mitsubishi-motors.com/jp/spirit/technology/library/diesel.html
ここに断面図が出ています。
当然コモンレールの直噴ですので、これもキャビティ(頭頂部の凹み)付のピストンを持っています。
またエンジンの断面図を見ると、従来はガソリンエンジンで主に使われていた、ツインカムシャフト、4バルブ、ロッカーアーム機構に工夫をしたバルブコントロールシステムが、見て取れるでしょう。
まさに、レシプロエンジン(ガソリンエンジン)とディーゼルエンジンが、
それぞれに持ちうる技術を共有化し始めたようです。
昔は、それぞれを扱う技術部門では全く技術体系が違ったものでした。
枯れた技術に近づきつつあるかと思われた自動車用の内燃機関技術でしたが、
どうやら新たな革新局面に入ったようです。
もちろん、トヨタ、ホンダ、日産も、
同様の研究開発アプローチは行っていることでしょう。
これからの各社のエンジン技術の展開がとても楽しみです。
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関連銘柄:
マツダ(7261) 三菱自動車工業(7211)
計算上は年間12000km(月1000km)走っても、400リットルで済むことに。月に一回満タンにすれば十分。凄い・・・
目指している事例があります。
これは高温作動のガスタービンで発電し、さらにその排気熱で蒸気タービンを回し、発電するといったコンバインドサイクル発電です。
東京電力の火力発電所の記事です。
>熱効率約61%を実現する1,600℃級コンバインドサイクル発電(MACC2発電)の導入に向けて、環境アセスメントを実施しており、2016年度に川崎火力発電所、2020年度以降に五井火力発電所にて運転開始する予定です。
熱機関は、より高温で動作させると熱効率が良くなります。
簡単言えば、「熱を吸収して、仕事に変換する」には都合が良いわけです。
「1,600℃級」を東電が目指すのは、そのためです。
マツダの新型エンジンの高圧縮比も、それを狙ったものでしょう。
また、ディーゼルのように、燃料をじわっと燃やすやり方も、熱効率が良くなります。
ディーゼルの排気ガス温度は、ガソリンエンジンよりかなり低いのですが、
それは熱を、ガソリンエンジンより多くの割合で使った証です。
「高温で、じわっと燃やす」
ガソリンでは非常に難しいことなのですが、近年様々な周辺技術が進歩し、
今回、マツダが先鞭をつけたようです。
現在二次電池を使ったHV車や、EV車がもてはやされています。
個人の懐的には、二次電池の寿命とかなり高額の交換費用、
環境的には、重金属汚染のおそれ、
また、最近では中国の資源戦略の問題も顕在化して、
今後の自動車の大勢を占めるか、
実は疑問視しています。
自動車エンジンの新しい革新が、
これから始まることに期待しています。
円高で低迷している自動車株も、将来は暗くない?