kabukabumanさんのブログ
マイ・メモ(2022年2月)
米国発の「ブルーウエーブ祭り」によって年明けに一段高となった世界の株式相場は、先週から足踏み状態だ。市場ではどこを向いても実体経済と株価の乖離に警鐘を鳴らす「バブル警戒論」が花盛りだ。投資家はここからさらに株を買い上げるのに二の足を踏んでいる。だが、果たして今の相場は多くが指摘するバブルといえるのだろうか。
今年に入り、著名投資家やエコノミストによるバブル警戒論を聞かない日は殆どない。
「2009年以来の長い強気相場が成熟し、本格的なバブルに発展した。南海バブル、1929年、2000年など金融史に残る巨大バブルの1つとして記録されることになると確信する」。米運用会社GMOの共同創業者であるジェレミー・グランサム氏は自社のホームページに記した。
日本の平成バブル、IT(情報技術)バブル、米サブプライム住宅ローンのバブル……。同氏のキャリアで3度起きたバブルの崩壊をいずれも的確に予想してきたという当代随一のバブル研究者の予言は説得力がある。
相次ぐバブル警戒論が共通して指摘するのは、コロナ禍を受けた世界的な金融緩和と財政出動が、実体経済と資産価格の格差を維持できないほど広げているという点だ。
「投資家はリスクが消えてしまったと信じ込んでいる」。米大手ヘッジファンド、バウポスト・グループ創業者のセス・クラーマン氏は、顧客向けの手紙でリスクに鈍感になった投資家を「ゆでガエル」にたとえた。
バブル警戒の論調はメディアにもあふれる。英フィナンシャル・タイムズ紙は「ランナウエー・マーケッツ(暴走する市場)」と題する連載を今週からスタートした。
バブルとは何か。人によって使う意味が異なったりするのでいま一度確認すると、資産価格がファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を大きく上回る状態が継続している相場状況を指す。株価の場合、企業の将来キャッシュフローの割引現在価値をはるかに超えている状態のことだ。
伝統的な経済学が想定する、経済合理性に従って動く経済人が株を売買するマーケットでは、こうしたバブルは起きようがない。だが他の人が自分よりも将来高く買ってくれるという合理的な期待を持てれば、人はファンダメンタルズから説明できない価格でも株を買う。80年代に経済学者のオリバー・ブランチャードとマーク・ワトソンが定式化した「合理的バブル」だ。
思惑通りにうまく売り抜けられた人が増えると、残りの人たちも市場に参加し始める。そして全員が強気相場に参加する頃には過剰な楽観心理が市場を支配し、ファンダメンタルズを誰も気にしなくなる。合理的バブルからユーフォリア(熱狂)への転換だ。
そして、ひょんなきっかけでみな我に返り、バブルは突然崩壊する。
今の株価は、こうしたバブルの生成過程のどこに位置するのだろうか。
株価は1株利益(EPS)とPER(株価収益率)の乗数だ。EPSをファンダメンタルズと考えれば、PERが投資家の楽観の度合いを示す。バブルが起きているかどうかは、一義的にはPERの推移をみればいい。
世界各国の株価指数が歴史的な高値を更新する中、実はPERは過去半年間はほぼ横ばいで推移している。つまり年明けまでの株価の上昇は、企業業績の改善によってもたらされているのだ。となれば、今の株価にはファンダメンタルズの裏付けがあり、バブルではないということになる。
それでも、バブル警戒論が相次ぐのはなぜか。
「今回のコロナ禍の特徴は、飲食や小売りをはじめとする中小企業の業績に大きな打撃を与える一方、上場企業は相対的に影響が小さいことだ」。SMBC日興証券の圷正嗣チーフ株式ストラテジストは指摘する。金融や製造業などグローバル企業から業績が悪化したリーマン・ショックとの大きな違いだ。
上場企業は企業数では全法人のたかだか1%以下でしかない。人々が肌で感じる景気の落ち込みに反し、上場企業の業績はそこまで落ち込んでいない。こうした中小企業と大企業の業績格差が株価と実体経済のギャップにつながり、コロナ禍による景気の落ち込みに反して株価が上がっているようにみえてしまう。
景気悪化の生活実感と裏腹に上がり続ける株価は、投資家にも強い違和感を与えている。
「市場が楽観的であることに対する顧客投資家の疑問や懸念がどんどん大きくなっている」。モルガン・スタンレーのクロスアセット・ストラテジスト、アンドリュー・シーツ氏は指摘する。
こうした機関投資家の楽観に転じられない慎重姿勢は、株の組み入れ比率の低さにも表れている。QUICK月次調査から算出したオーバーウエートからアンダーウエートを引いた日本株組み入れ比率は、中立をわずかに超えた程度だ。株価上昇とは裏腹に機関投資家の多くは、株の組み入れを上げきれずにいる。
こうした強気になりきれない人間の心理状態は、コンピュータープログラムによる機械の自動運用にも影響を与えている。
投資家の恐怖心理を映す米VIXは昨年3月に跳ね上がった後に徐々に下がってきたが、実はその後も警戒水準と平時の分かれ目とされる「20」は一度も下回っていない。26日時点でVIXの20超えは234営業日連続となり、世界金融危機が起きた08年6月~10年1月の402営業日連続に次ぐ記録だ。
VIXが示す株価の予想変動率(ボラティリティー)が十分下がりきらないため、市場のボラティリティーをもとに株の組み入れ比率を機械的に決める「リスクパリティ」と呼ぶコンピューター運用戦略は、株の組み入れ比率を上げ切れていない。
最近は投機的な株の売買が指摘される米個人投資家はどうだろうか。米Eトレードが運用資産100万ドル以上の顧客にアンケート調査をしたところ、意外な結果が出た。
アンケートによると今の株価を「完全なバブルだ」と答えた比率が16%、「いくらかバブルだ」が46%、「バブルの道をたどっている」が29%だった。つまり、一定規模の運用資産を持つ米個人投資家の9割が今の相場を「バブルか、バブルに近い」と冷静にみていることになる。
市場にあふれる警戒論が共通して指摘するバブルの証拠は、ビットコイン、テスラ株、上場時に中に何も入っていない特別買収目的会社(SPAC)の価格高騰だ。
だが冷静に考えれば、市場全体の規模と比べると、こうした資産の規模は小さい。ビットコインを初めとする暗号資産の時価総額は約1兆ドルで、世界株式市場の時価総額の約1%だ。
SPACの上場ブームについても同様だ。ゴールドマン・サックスの米国株ストラテジスト、デービッド・コスティン氏は「SPACへの熱狂が薄れても、市場全体に与えるリスクはほとんどない」と指摘する。
いま警戒論者たちがしきりに警鐘を鳴らしている対象は、市場のごく一部で起きている「局所バブル」ということになる。
参加者全員が楽観心理に包まれるユーフォリアを示す逸話として「靴磨きの少年」の話ほどわかりやすい事例はない。
1929年10月24日の「暗黒の木曜日」の3カ月前、ジョン・F・ケネディ大統領の父である大物相場師のジョセフ・ケネディは、ウォール街の靴磨きの少年と交わした会話によって弱気の判断を固めたという。
「相場はどうかね」というケネディの軽い問いかけに、少年は得意げに答えた。「上がっています。石油や鉄道を買いなさい。天井知らずです」
街頭で働く靴磨きまで株の投機にうかれているのを知り、ケネディは持ち株をすべて売却。程なく訪れた相場暴落で1ドルも損失を出さなかった。
多くの投資家がバブルを警戒する今の状況は「靴磨きの少年」のエピソードが示すような「総楽観」からはほど遠い。
ウォール街には「株式相場は不安の壁をよじ登る」という格言が語り継がれる。市場に先行きに慎重な弱気派が多いうちは相場はなかなか崩れず、強気相場は意外に長続きするという意味だ。
裏返せば、バブル警戒論を唱えている人たちが強気に転じたときこそが相場の天井ということになるが、そのタイミングはまだ先になりそうだ。
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<私見>
結論は、現状が株価バブルかどうかをPERで判断すればバブルではない。
確かに主要市場のPER(昨年末時点)に過熱感は見られません。
NYダウ=19.73 NK225=16.27(ドル換算) DAX=15.11
FT100=17.40 ハンセン=9.27 上海=15.50 SENSEX=26.62
しかしナスダック指数は 126.48、 どう考えてもバブルに思えます。
因みにSOX指数も2013年までは3桁(リーマンショック時は200pt)でした。
無論ハイテク企業の将来が明るいのは事実なので
どこからがバブルなのかと言われれば明確な答えはありません。
ただ1月のFOMCで、利上げ開始時期が3月に早まる可能性が高まったうえに
年内max7回(FOMCが開催される度)の利上げ懸念が生じたことで
株式市場は弱気一色になっているのが現状です。
但し株価の乱高下は短期筋によるアルゴリズム取引が原因だと思うので
荒れた相場が何時まで続くかは彼等のプログラム次第ですが
バブルの臭いがするナスダック指数は調整が長引く様な気がします。
そう考えると、東京市場はマザーズ指数の反転が「買い」のサインかと。
ところで米国のオミクロン感染はピークアウトを迎え
今後経済活動が徐々に正常化するだろうとの報道がありました。
一方で、中東紛争の激化とウクライナ問題の深刻化によって
WTI原油が1バレル100$を突破するのではないかと言われています。
従ってこうした原油価格に直結する地政学的リスクが沈静化しない限り
FRBによる年7回の利上げ懸念が消えることはないと思います。
しかし冷静に考えれば、世界的な低金利状態はまだまだ続く訳で
株式相場がバブルでないとすれば
既にバーゲンセールは始まっているのかも知れません。
(個人的には下げ止まりを確信するまで様子を見たいと考えています)
<今思い浮かべたい株式格言>
「休むも相場」「相場は明日もある」「漁師は潮を見る」
「もうはまだなり」「今日の安値が明日の高値」「株を選ぶ前に時を選べ」
「高値覚え 安値覚え」「眠られぬ株は持つな」「谷深ければ山高し」
そして
「事故は買い 事件は売り」
金融不安、地政学的リスク、戦争、伝染病はまさに大事件です!
2時間も削ったのですか~~~つらかったですね(*´Д`)
雪も積もり方が半端でないですね。。。
コロナは拡大で・・・
株はダダ下り・・・
きついですね( ;∀;)
すみません・・・ちこ姉さんのブログと混乱してしまいました<(_ _)>