kabukabumanさんのブログ
中国の景気対策で日本企業が潤うとは限らない
3/3のウォールストリート・ジャーナルによると
米中通商協議で追加関税の引き下げを検討中とのこと。
また3/5の中国全人代で具体的な景気刺激策が示されたことで
日本の中国関連銘柄に買い推奨のレポートが多く見られるようになりました。
しかし一旦ブレーキが掛かった中国経済が、そう簡単に立ち直れるかといえば
答えは「厳しい!」の一言に尽きると思います。
以下に産経新聞(3/5)の記事を転載します。
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全国人民代表大会(全人代=国会)が5日に開幕し、李克強首相は減税やインフラ投資などの景気対策を表明し、米国との貿易摩擦で冷え込みが際立つ景気を下支えする構えを示した。だが、中国経済をめぐっては過去の景気対策がもたらした過剰債務などの構造問題が横たわっており、李氏も「リスク」という言葉を連発して危機感をあらわにした。
「貿易摩擦により一部の企業の生産や経営、市場の期待が影響を被った」
米中貿易摩擦の影響を、李氏は政府活動報告でこう強調した。
昨秋から中国の経済指標は貿易摩擦深刻化で軒並み悪化し
昨年の実質国内総生産(GDP)は前年比6・6%増と28年ぶりの低水準に。
今年に入っても企業の景況感や個人消費は低迷傾向が続く。
そういった中、政府活動報告では大規模な減税の実施や、企業の「資金繰り難、資金調達コスト高」緩和、鉄道などのインフラ投資の拡大を表明。
ビッグデータや人工知能(AI)などの研究開発と応用を強化し
新興産業の発展を促すことなどが盛り込まれた。
特に強調したのは、小・零細企業を中心とした民間企業に向けた施策だ。
中小企業向けブロードバンドの平均使用料を15%、モバイルデータ通信の平均パケット料金を20%以上引き下げるといった細かい対策もあったが
景気悪化で拡大する不満を食い止める狙いもうかがわれる。
一方で、政府活動報告の随所に見られたのは「リスク」への警戒だ。
「近視眼的になって長期的発展の妨げとなる短期的な強い刺激策を講じ
新たなリスク要因を生み出すことも許されない」
李氏は「ばらまきをしない」など過度の景気対策を戒める言葉を繰り返した。
2008年のリーマン・ショック直後に打ち出した大型景気対策では、過剰債務や不動産バブルといった構造問題が深刻化。いずれも中国経済の致命傷になりかねないアキレス腱(けん)で、今年に入って習近平国家主席も「灰色のサイ」という金融用語を使い、将来大きな問題となる可能性が高いのに軽視されがちな潜在リスクへの警戒を強調した。
李氏は「今年わが国の発展が直面する環境は複雑さと厳しさが増す」との見通しを示したが、中国政府は景気悪化と経済リスクという2つの難題を前に今年も難しい経済運営を求められる。
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日本企業の中には米中貿易戦争の煽りを受け
業績の下方修正を余儀なくされたケースもあります。
株価も安値圏にある銘柄が多く、中国の景気対策が発表されると
国内の評論家やさん達が、こぞって中国関連株の買いを推奨し始めました。
確かにメンタル的には期待感が持てるかも知れませんが
米中貿易摩擦は米中新冷戦時代の号砲ともいえるものであり
中国政府も、今回の景気刺激策で経済成長率を維持出来るとは考えておらず
このことは上記の報道からも窺えます。
一方、貿易戦争の煽りを受け株価が低迷している日本企業を
絶好の仕込み時だと安易に判断するのは危険だと感じています。
最も懸念していることは外国資本の逃避で
例えばアップルの様な大規模企業が中国での生産を縮小したり
中規模企業が人件費の上昇を嫌って、他のアジア諸国へ生産拠点を移す。
こうした現象は既に起こっていることですが
米中覇権戦争に起因した中国包囲網が、今後さらに拍車を掛けると思います。
無論中国包囲網を日本だけ避けて通ることなど出来ませんから
日本の中国関連企業は様々な意思決定プロセスに於いて
政治判断を考慮せざるを得なくなると考えています。
中国に於ける売上比率が50%を超える村田製作所やTDK。
30%以上のローム、ヒロセ電機。
またインバウンド需要も含めると資生堂も中国偏重型と言えるため
こうした企業を中心に、中国事業の今後を見極める必要がありそうです。
(日経中国関連株50)
https://kabutan.jp/themes/?theme=%E6%97%A5%E7%B5%8C%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%A0%AA50
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kabukabumanさんへ
やっとDインバースが来たかと思えば
ノーポジの小生でした。
何時もながらに辛抱が足りておりません。
1月は勝ち越しで、2月は負け越しで
結果は、行って来いでしたね。
tukumodayoさん おはようございます。
私はチキンなのでダブルインバースもVIX短期先物も
万一に備えて含み損を抱えたまま握りしめています。
それにしても株は難しいですね。
辛抱が足りないと儲からず、辛抱し過ぎると損をする
一生かかっても極めるのは無理だとつくずく感じます。
因みに写真に写っている橋は角島大橋でしょうか。
不思議なことに、ここだけ海の色がコバルトブルーなので。。。
中国は公共投資による景気底上げを狙っているようですが、すでに優良なインフラ事業は少なく、回り回って債務の増大に繋がってしまいような気がします。
ケインズは、レンガを積み上げたり崩したりすることでも金が市中に出回り景気が良くなる、と言っていましたが、中国がやっていることはだんだんこれと似たようなバラマキになっているようです。
一番良い景気対策は構造改革なのでしょうが、共産党一党支配を続けるためにはそれは不可能なのでしょう。だんだん成長を続けるのが難しくなっているような気がします。
montontonさん コメント有難うございます。
李克強首相は「バラマキ」だと認めたく無い様ですが
盛んにリスクという言葉を使っているところをみると
手詰まり感が伝わって来ます。
個人的な見解ですが、米中貿易戦争は中国がかなりの犠牲を払わない限り
合意に達することはないと思います。
要は中国にそこまでの覚悟があるかどうかですが
習近平国家主席はトランプ大領の再選は無いと読んで
最低限の妥協点で決着させたいというのが本音だと推察しています。
しかしトランプ大統領より後釜候補の方がより対中強硬派ばかりなので
貿易摩擦はこれからも延々と続く様な気がします。
元々米中の覇権争いが貿易戦争の発端なので
米国はとことん中国を叩くのではないでしょうか。
中国はかなり追い詰められていると思います。