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―ヤフーなど大手も続々参入、にわかに姿を現してきた暗号資産のもう一つの市場を追え―
NFT サービスの提供に向けた動きが目立ってきた。ヤフーはLINEと連携し、年内にもネットオークションサービス「ヤフオク」上でNFTアイテムの取り引きを可能にする。同じく個人間取引サービスを提供するメルカリ <4385> [東証M]も子会社を設立し、NFTなどブロックチェーン 分野での取り組みを進めている。春先に投資テーマとして急浮上したNFTだが、ここにきて実際のサービスが続々と立ち上がってきており、今後一般に広く普及していくことになりそうだ。関連銘柄の今を追った。
●「ヤフオク」でNFT取り扱い開始へ
Zホールディングス <4689> 傘下のヤフーは7月27日、同じく傘下のLINEとNFT領域で連携すると発表した。今冬に、LINEが独自開発したブロックチェーンを基盤としたNFTアイテムを「ヤフオク」で出品・落札できるようにする。LINEは昨年からデジタル資産を管理するためのウォレットを提供しており、今年6月には同ウォレット内でNFTアイテムの取り引きサービスを始めている。両社は今回の連携により、多くの人が気軽に売買できるNFTマーケットプレイスを提供するとしており、NFT領域における二次流通市場の拡大を目指す。
今年に入りNFT分野への参入が相次いでいる。メルカリは4月に、仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーン関連の事業を手掛ける子会社メルコインを設立した。フリマアプリでの売り上げ金のビットコイン受け取り機能や金融サービスの提供をはじめ、NFTなどにも取り組んでいく構えだ。GMOインターネット <9449> も傘下のGMOフィナンシャルホールディングス <7177> [JQ]などと共同出資会社を設立し、近くNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」を提供する。
また、電通グループ <4324> は7月、ブロックチェーンを活用したアート作品の流通システムなどを手掛けるスタートバーン(東京都文京区)と共同でNFT事業の構築支援サービスを開発したと発表した。エイベックス <7860> は4月にNFT事業への参入を発表し、自社開発のブロックチェーンを用いたNFT事業基盤「A trust」の提供を行っている。
●取り組み加速させるマネックスG
関連銘柄の中核に位置づけられるのがマネックスグループ <8698> だ。同社はビットコイン関連株の代表格でもあるが、仮想通貨交換業を手掛ける子会社コインチェックを通じてNFT関連の取り組みを加速させている。今春にNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」の提供を始めたほか、サイバーエージェント <4751> やGunosy <6047> とNFT事業で連携していくことを打ち出している。直近では、国内初となるIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を実施し、Link-U <4446> の出資先であるHashPalette(ハッシュパレット、東京都港区)が資金調達を行ったことが話題となった。ハッシュパレットはエンターテインメント分野に特化したNFTプラットフォームの開発を手掛けており、同事業のコンソーシアムにはコインチェックやリンクユーをはじめ、セレス <3696> などが名を連ねている。
●マーケットプレイスの開設続々
UUUM <3990> [東証M]は7月、子会社がNFTマーケットプレイス「HABET(ハビット)」のベータ版を今夏にオープンすると発表した。インフルエンサーやアーティスト、ゲーム、アニメなど幅広いジャンルの人物やキャラクターのデジタルトレーディングカードを発行・売買することができるもので、コンテンツパートナーとして電通グループやTBSホールディングス <9401> 、米ユニバーサル・ミュージック・グループ日本法人、吉本興業(大阪市中央区)などが参画している。
モバイルファクトリー <3912> は7月6日にNFTマーケットプレイス「ユニマ」をリリースした。同サービスは、動画やアートなどデジタルデータをNFT化し、販売までをワンストップで行えるNFT生成・販売プラットフォーム。同社は今後、出版社やゲーム企業との提携や協業を図る方針にあり、既にサービス開始前の6月にはブロックチェーンゲーム企業のCryptoGames(東京都渋谷区)と資本・業務提携し、ユニマをはじめNFT・ブロックチェーン事業の拡大を目指していく方針にある。
アエリア <3758> [JQ]は7月26日に音楽専門NFTマーケットプレイス「The NFT Records」β版の提供を開始した。アーティストの楽曲やデジタルグッズを購入でき、決済には日本円だけでなくドルやウォンにも対応した。同マーケットプレイスには、前述のエイベックスが手掛けるNFT事業基盤「A trust」が採用されている。
●アクセルMなどにも注目
アクセルマーク <3624> [東証M]は8月12日、NFTを活用したJリーグオフィシャルライセンスゲームの提供を行うことを明らかにした。同社は、オルトプラス <3672> 子会社のOneSports(ワンスポーツ)と新作ゲームを共同開発しており、今回ワンスポーツがJリーグとライセンス契約を締結したことで、プロスポーツリーグライセンスを使用する国内初のブロックチェーンゲームとして提供することとなった。同ゲームは、LINE Blockchainプラットフォーム上でサービス提供される予定となっている。
gumi <3903> はモバイルオンラインゲームの開発が主力だが、NFT関連株の一角としてマーケットの視線を集めている。春先に、出資先のdouble jump.tokyo(ダブルジャンプトーキョー、東京都新宿区)とスクウェア・エニックス(東京都新宿区)がNFTデジタルシールの開発や販売などで協業することが明らかとなり、これを受けて物色人気化した経緯がある。同社はブロックチェーン分野にいち早く参入し、関連ベンチャーや仮想通貨への投資を積極展開しており、引き続き今後の動向からは目が離せない。
メディアドゥ <3678> は、3月に資本・業務提携した出版取次大手のトーハン(東京都新宿区)とともに、NFTを活用した「デジタル付録」のサービス展開を目指している。年内にも提供を始める予定で、会社側ではKADOKAWA <9468> や講談社、集英社、小学館などと企画を推進中としており、今後の展開に期待が高まる。同社は、同じく年内をメドにNFTマーケットプレイスのサービス開始も予定している。
また、直近にNFT事業への参入を発表したピアラ <7044> 、アート分野でのNFT事業を手掛けるShinwa Wise Holdings <2437> [JQ]、シンガポールのブロックチェーン企業と共同でNFT関連の取り組みを進めるクリーク・アンド・リバー社 <4763> 、このほか関連銘柄として、マイネット <3928> 、クシム <2345> [東証2]、マーチャント・バンカーズ <3121> [東証2]、GameWith <6552> 、ピクセルカンパニーズ <2743> [JQ]などが挙げられる。
株探ニュース
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