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光通信のニュース
*14:02JST Pウォーター Research Memo(2):2016年の経営統合以降に急成長し宅配水業界で首位を独走する
■会社概要
1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界のトップ企業である。天然水製造が強みの旧ウォーターダイレクトと営業力が強みのエフエルシーが経営統合して誕生した。ウォーターダイレクトは創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまでを自社で完結させることで顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を採ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモンストレーション販売を展開し、顧客件数も順調に拡大してきた。2016年に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平社長である。天然水製造に強みを持つウォーターダイレクトと営業力に強みを持つエフエルシーが統合することで、宅配水業界の中でNo.1となり、その後も高い成長力を継続し独走している。2013年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格。2022年4月の東証再編においては、スタンダード市場に移行した。
※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字をとった造語。
安定成長を続ける宅配水市場において、市場シェア36%を超え同業他社を引き離す
2. 成長する宅配水市場と市場シェア
宅配水とは、サーバーとセットで供給されるミネラルウォーターで家庭や事業所などに宅配されるものを指す。2000年以降に普及が開始し、東日本大震災などの影響も追い風となり2012年頃までに急成長を遂げた。その後成長が鈍化した時期もあるが2015年以降成長軌道が回復し、2022年の市場規模は211,500百万円、2017年から2022年の6年間の年平均成長率は8.1%である。近年では2020年にコロナ禍の影響で在宅時間の増加に伴い宅配水の需要が増え、成長が続く。2022年の一段の市場規模の拡大は、業界各社が値上げを実施したことに起因する面が大きい(同社は値上げせず)。「冷温水が簡単に利用できる」、「日本の良質な天然水が定期的に自宅まで配達される」、「災害に備えた備蓄水としての役割」といった利便性や安全性等によって、宅配水(ウォーターサーバー)への認知度が高まっており、市場環境は良好である。国内の世帯普及率は8.1%と同社では推計しており、今後もさらなる普及が期待できる。
配送方式別に見ると、2000年代にリターナブル方式(容器を再利用する)で市場が形成され、2010年代からは1WAY方式(使い切り容器)がより成長しており、2018年に1WAY方式がリターナブル方式を逆転した。日本宅配水&サーバー協会「日本の宅配水業界統計データ」によると、2022年の市場規模はリターナブルで84,000百万円、1WAYで127,500百万円と1WAYの規模が大きい。同社は1WAY方式を採用しており、1WAY市場の成長をけん引する存在だ。宅配水業界の同業他社としては、リターナブル方式を主とするナック<9788>のクリクラ事業、アクアクララ(株)、1WAY方式を採用する富士山の銘水(株)がある。1WAY方式が伸びている背景としては、使い切りボトルであるため衛生面で安心であるのに加え、回収の必要がないため顧客や物流事業者の負担も軽減でき、より利便性が高いことが挙げられる。
同社は2016年時点(統合直後)では宅配水市場顧客数シェア11.8%で業界3位だったが、3年後の2019年には24.2%と躍進し2位以下を引き離す存在となった。直近の2022年には、宅配水市場顧客数シェアは32.0%となった。そして宅配水市場の成長率は年8%(過去5年平均)であるのに対し、同社の売上成長は年16%(過去5年平均)を超えることから、今後シェアはさらに向上することが予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界のトップ企業である。天然水製造が強みの旧ウォーターダイレクトと営業力が強みのエフエルシーが経営統合して誕生した。ウォーターダイレクトは創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまでを自社で完結させることで顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を採ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモンストレーション販売を展開し、顧客件数も順調に拡大してきた。2016年に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平社長である。天然水製造に強みを持つウォーターダイレクトと営業力に強みを持つエフエルシーが統合することで、宅配水業界の中でNo.1となり、その後も高い成長力を継続し独走している。2013年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格。2022年4月の東証再編においては、スタンダード市場に移行した。
※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字をとった造語。
安定成長を続ける宅配水市場において、市場シェア36%を超え同業他社を引き離す
2. 成長する宅配水市場と市場シェア
宅配水とは、サーバーとセットで供給されるミネラルウォーターで家庭や事業所などに宅配されるものを指す。2000年以降に普及が開始し、東日本大震災などの影響も追い風となり2012年頃までに急成長を遂げた。その後成長が鈍化した時期もあるが2015年以降成長軌道が回復し、2022年の市場規模は211,500百万円、2017年から2022年の6年間の年平均成長率は8.1%である。近年では2020年にコロナ禍の影響で在宅時間の増加に伴い宅配水の需要が増え、成長が続く。2022年の一段の市場規模の拡大は、業界各社が値上げを実施したことに起因する面が大きい(同社は値上げせず)。「冷温水が簡単に利用できる」、「日本の良質な天然水が定期的に自宅まで配達される」、「災害に備えた備蓄水としての役割」といった利便性や安全性等によって、宅配水(ウォーターサーバー)への認知度が高まっており、市場環境は良好である。国内の世帯普及率は8.1%と同社では推計しており、今後もさらなる普及が期待できる。
配送方式別に見ると、2000年代にリターナブル方式(容器を再利用する)で市場が形成され、2010年代からは1WAY方式(使い切り容器)がより成長しており、2018年に1WAY方式がリターナブル方式を逆転した。日本宅配水&サーバー協会「日本の宅配水業界統計データ」によると、2022年の市場規模はリターナブルで84,000百万円、1WAYで127,500百万円と1WAYの規模が大きい。同社は1WAY方式を採用しており、1WAY市場の成長をけん引する存在だ。宅配水業界の同業他社としては、リターナブル方式を主とするナック<9788>のクリクラ事業、アクアクララ(株)、1WAY方式を採用する富士山の銘水(株)がある。1WAY方式が伸びている背景としては、使い切りボトルであるため衛生面で安心であるのに加え、回収の必要がないため顧客や物流事業者の負担も軽減でき、より利便性が高いことが挙げられる。
同社は2016年時点(統合直後)では宅配水市場顧客数シェア11.8%で業界3位だったが、3年後の2019年には24.2%と躍進し2位以下を引き離す存在となった。直近の2022年には、宅配水市場顧客数シェアは32.0%となった。そして宅配水市場の成長率は年8%(過去5年平均)であるのに対し、同社の売上成長は年16%(過去5年平均)を超えることから、今後シェアはさらに向上することが予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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