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*14:23JST 新興市場見通し:上値の重い展開か、IPOはW TOKYOなど計11社
■週末にかけて崩れる
今週の新興市場はほぼ横ばい。米国市場の休場などで手掛かり材料難のなか、週明けは幕間繋ぎの物色から大幅高となり、マザーズ指数は年初来高値を更新。その後も週半ばまでは堅調に推移した。しかし、週後半は大幅下落が続き、それまでの上昇分を全て吐き出した。英イングランド銀行(中央銀行)やノルウェー中銀が大幅利上げに踏み切り、世界的な利上げ機運の高まりが投資家心理を悪化させた。また、月末に向けた需給環境の悪化を見越した先回りの利益確定売りで日経平均などが崩れるなか、新興株にも手仕舞い売りが広がった。なお、今週の騰落率は、日経平均が-2.74%だったのに対し、マザーズ指数は-0.01%、東証グロース市場指数は-0.09%だった。
個別では、直近の新規株式公開(IPO)銘柄であるGlobee<5575>のほか、生成AI(人工知能)サービス「ChatGPT」のAPIを活用した法人向けAIチャットの提供を開始すると発表したエーアイ<4388>、パナソニックHD<6752>傘下の海外販売会社とECディストリビューション契約を締結したAnyMind<5027>が週間上昇率ランキング上位に入った。一方、特段の材料がないなか、連騰劇を見せていたプログリット<9560>が週末にかけて値崩れし、週間下落率のトップとなった。前週に決算を受けて急伸したGA technologies<3491>も手仕舞い売りに押されて大きく下落。週間売買代金ランキングで1、2位に入った直近IPOのABEJA<5574>やVTuber関連として高値更新を続けていたカバー<5253>も週後半に崩れるなど、地合いの悪化の影響を受ける銘柄が多かった。
■消去法的買いに期待も流動性リスクも意識
来週の新興市場は上値の重い展開か。国内では月末にかけての年金基金のリバランス(資産配分の調整)目的の売りのほか、7月上旬には上場投資信託(ETF)運用会社による分配金捻出のための換金売りなどを背景に需給環境の悪化が予想されている。3月末比で株価上昇率の大きい東証プライム市場の主力株を中心に需給悪化が予想される一方、新興株には消去法的な買いが向かう可能性も想定される。ただ、先物・オプション取引の決済期日が重なるクアドラプル・ウィッチングを過ぎてからは堅調だった米株式市場も変調の兆しを見せてきている。相場全体の地合いが悪化すると、流動性リスクの高い新興株も影響を受けずにはいられないだろう。
また、足元では半導体株として注目を集め、個人投資家からの人気も高く信用買い残が積み上がっていた東証プライムのソシオネクスト<6526>が22日にストップ安まで売られるなど、目先の株価ピークアウト感を漂わせている。さらに、新興株でも上値追いが続いていたプログリットが急に値崩れするなど、個人投資家の含み損の悪化が懸念される事象がいくつか発生している。
個人投資家心理が悪化し、既存の新興株の上値の重さが意識されるなか、来週もIPOが11社と多いため、投資家の物色はこれらIPO銘柄に集中しやすいだろう。その他についても、既存銘柄よりは新規上場後の日が浅く、まだ株価水準としての落ち着きどころを探っている、ボラティリティーの高い直近IPO銘柄への物色が主体となりそうだ。今週の東証グロース市場案件のIPO銘柄であるシーユーシー<9158>、アイデミー<5577>、リアルゲイト<5532>、まだ値付かずのARアドバンストテクノロジ<5578>などに注目したい。
<FA>
今週の新興市場はほぼ横ばい。米国市場の休場などで手掛かり材料難のなか、週明けは幕間繋ぎの物色から大幅高となり、マザーズ指数は年初来高値を更新。その後も週半ばまでは堅調に推移した。しかし、週後半は大幅下落が続き、それまでの上昇分を全て吐き出した。英イングランド銀行(中央銀行)やノルウェー中銀が大幅利上げに踏み切り、世界的な利上げ機運の高まりが投資家心理を悪化させた。また、月末に向けた需給環境の悪化を見越した先回りの利益確定売りで日経平均などが崩れるなか、新興株にも手仕舞い売りが広がった。なお、今週の騰落率は、日経平均が-2.74%だったのに対し、マザーズ指数は-0.01%、東証グロース市場指数は-0.09%だった。
個別では、直近の新規株式公開(IPO)銘柄であるGlobee<5575>のほか、生成AI(人工知能)サービス「ChatGPT」のAPIを活用した法人向けAIチャットの提供を開始すると発表したエーアイ<4388>、パナソニックHD<6752>傘下の海外販売会社とECディストリビューション契約を締結したAnyMind<5027>が週間上昇率ランキング上位に入った。一方、特段の材料がないなか、連騰劇を見せていたプログリット<9560>が週末にかけて値崩れし、週間下落率のトップとなった。前週に決算を受けて急伸したGA technologies<3491>も手仕舞い売りに押されて大きく下落。週間売買代金ランキングで1、2位に入った直近IPOのABEJA<5574>やVTuber関連として高値更新を続けていたカバー<5253>も週後半に崩れるなど、地合いの悪化の影響を受ける銘柄が多かった。
■消去法的買いに期待も流動性リスクも意識
来週の新興市場は上値の重い展開か。国内では月末にかけての年金基金のリバランス(資産配分の調整)目的の売りのほか、7月上旬には上場投資信託(ETF)運用会社による分配金捻出のための換金売りなどを背景に需給環境の悪化が予想されている。3月末比で株価上昇率の大きい東証プライム市場の主力株を中心に需給悪化が予想される一方、新興株には消去法的な買いが向かう可能性も想定される。ただ、先物・オプション取引の決済期日が重なるクアドラプル・ウィッチングを過ぎてからは堅調だった米株式市場も変調の兆しを見せてきている。相場全体の地合いが悪化すると、流動性リスクの高い新興株も影響を受けずにはいられないだろう。
また、足元では半導体株として注目を集め、個人投資家からの人気も高く信用買い残が積み上がっていた東証プライムのソシオネクスト<6526>が22日にストップ安まで売られるなど、目先の株価ピークアウト感を漂わせている。さらに、新興株でも上値追いが続いていたプログリットが急に値崩れするなど、個人投資家の含み損の悪化が懸念される事象がいくつか発生している。
個人投資家心理が悪化し、既存の新興株の上値の重さが意識されるなか、来週もIPOが11社と多いため、投資家の物色はこれらIPO銘柄に集中しやすいだろう。その他についても、既存銘柄よりは新規上場後の日が浅く、まだ株価水準としての落ち着きどころを探っている、ボラティリティーの高い直近IPO銘柄への物色が主体となりそうだ。今週の東証グロース市場案件のIPO銘柄であるシーユーシー<9158>、アイデミー<5577>、リアルゲイト<5532>、まだ値付かずのARアドバンストテクノロジ<5578>などに注目したい。
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