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丸運のニュース
■業績動向
1. 2021年3月期第2四半期累計の業績動向
丸運<9067>の2021年3月期第2四半期累計業績は、営業収益が前年同期比11.1%減の22,334百万円、営業損失は43百万円(前年同期は380百万円の利益)、経常損失は7百万円(同457百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は16百万円(同316百万円の利益)となった。
分野別では、一般貨物は企業間のBtoBビジネスであるため、コロナ禍による経済全体のダメージが直接影響している。農産品については、天候の影響を抑えるために加工業務に注力している。コロナ禍の影響で加工業務は弱含みとなったが、コロナ禍が収束すればスーパーやコンビニエンスストア関連ビジネスが拡大する見込みのため、将来的には巻き返しが期待できそうだと弊社では見ている。
(1) 貨物輸送
貨物輸送の営業収益は前年同期比13.5%減の13,294百万円、経常利益は同293百万円減の170百万円となった。価格改定の取り組みや既存顧客との取引深耕、新規顧客の獲得および国際貨物を含めた各取引の強化を図るなどに取り組んでいる。コロナ禍の影響を受けた巣ごもり消費の増加により通販需要などが増加した結果、食品の保管収入は増収となったものの、主力である自動車関連貨物の需要減により、アルミ、銅製品およびタイヤ補強用鋼線等の落ち込みが著しく、部門全体で減収減益となるなど、依然として事業環境は厳しい状況となっている。前年同期は台風や豪雨により利益ベースで40百万円強の影響が出、当四半期直近2年間に生じたマイナス分が消えたことがプラス要因となったが、コロナ禍の影響と相殺された格好となった。しかしながら、同社によると4月~5月が影響を最も受け、その後は回復基調であることから、下期以降は持ち直すことが期待できる。
(2) エネルギー輸送
エネルギー輸送の営業収益は前年同期比9.0%減の7,192百万円、経常損失は199百万円(前年同期は33百万円の利益)となった。2019年4月に静岡石油輸送(株)を連結子会社化したことが寄与したものの、石油部門、潤滑油・化成品部門ともにコロナ禍の影響を大きく受けた。同社によると5月が影響を最も受け、足元では回復傾向にあるものの、10月時点では前年同期比90%程度の回復にとどまっているようだ。しかしながら石油部門においては、2019年の暖冬の反動で寒くなれば巻き返しも可能と弊社では見ている。さらに、世間では「巣ごもり」消費の拡大が注目されているが、「巣ごもり」によって在宅時間が伸びれば、天候要因とは別に灯油の需要が拡大することは想像に難くない。その場合、同社の灯油輸送も拡大する可能性が高いと弊社では見ている。
(3) 海外物流
海外物流の営業収益は前年同期比5.3%増の769百万円、経常利益は11百万円増の12百万円となった。コロナ禍の影響により顧客の事業活動が停滞したことに加えて、米中貿易摩擦の影響から輸出入品の荷動きは低調に推移したものの、中国国内の保管や輸送については、回復基調にある。中国経済は世界でもいち早くコロナ禍から立ち直っており、自動車メーカー向けアルミ母材の輸送をはじめ、中国関係のビジネスは好調に推移している。中国向けは引き続き好調に推移すると見込まれており、下期も収益を支える柱となるだろう。なお、利益面においては、2020年3月期から取り組んできた自社での保管や輸送効率の改善等が貢献したものの、コロナ禍の影響を受けた。当面は海外物流事業の好調がカギを握ることになると弊社では見ている。
(4) テクノサポート
テクノサポートの営業収益は前年同期比3.3%減の1,057百万円、経常利益は同8百万円減の33百万円となった。受託業務部門は油槽所関連が堅調に推移したものの、製油所関連の定期修繕工事規模が前年度の実績を下回った。
(5) その他
その他の営業収益は前年同期比4.3%減の20百万円、経常損失は23百万円(前年同期は82百万円の損失)となった。
2. 2021年3月期通期の業績予想
2021年3月期通期については8月5日に発表した業績予想を据え置き、営業収益が前期比5.1%減の48,100百万円、営業利益が同43.4%減の600百万円、経常利益が同42.5%減の700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同51.4%減の440百万円を見込んでいる。
一方、財務体質は良好である。有利子負債を抑える傾向にあり、財務面は安定している。2020年3月期末の自己資本比率は55.6%、2021年3月期第2四半期末では58.4%と50%以上の高水準が続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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1. 2021年3月期第2四半期累計の業績動向
丸運<9067>の2021年3月期第2四半期累計業績は、営業収益が前年同期比11.1%減の22,334百万円、営業損失は43百万円(前年同期は380百万円の利益)、経常損失は7百万円(同457百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は16百万円(同316百万円の利益)となった。
分野別では、一般貨物は企業間のBtoBビジネスであるため、コロナ禍による経済全体のダメージが直接影響している。農産品については、天候の影響を抑えるために加工業務に注力している。コロナ禍の影響で加工業務は弱含みとなったが、コロナ禍が収束すればスーパーやコンビニエンスストア関連ビジネスが拡大する見込みのため、将来的には巻き返しが期待できそうだと弊社では見ている。
(1) 貨物輸送
貨物輸送の営業収益は前年同期比13.5%減の13,294百万円、経常利益は同293百万円減の170百万円となった。価格改定の取り組みや既存顧客との取引深耕、新規顧客の獲得および国際貨物を含めた各取引の強化を図るなどに取り組んでいる。コロナ禍の影響を受けた巣ごもり消費の増加により通販需要などが増加した結果、食品の保管収入は増収となったものの、主力である自動車関連貨物の需要減により、アルミ、銅製品およびタイヤ補強用鋼線等の落ち込みが著しく、部門全体で減収減益となるなど、依然として事業環境は厳しい状況となっている。前年同期は台風や豪雨により利益ベースで40百万円強の影響が出、当四半期直近2年間に生じたマイナス分が消えたことがプラス要因となったが、コロナ禍の影響と相殺された格好となった。しかしながら、同社によると4月~5月が影響を最も受け、その後は回復基調であることから、下期以降は持ち直すことが期待できる。
(2) エネルギー輸送
エネルギー輸送の営業収益は前年同期比9.0%減の7,192百万円、経常損失は199百万円(前年同期は33百万円の利益)となった。2019年4月に静岡石油輸送(株)を連結子会社化したことが寄与したものの、石油部門、潤滑油・化成品部門ともにコロナ禍の影響を大きく受けた。同社によると5月が影響を最も受け、足元では回復傾向にあるものの、10月時点では前年同期比90%程度の回復にとどまっているようだ。しかしながら石油部門においては、2019年の暖冬の反動で寒くなれば巻き返しも可能と弊社では見ている。さらに、世間では「巣ごもり」消費の拡大が注目されているが、「巣ごもり」によって在宅時間が伸びれば、天候要因とは別に灯油の需要が拡大することは想像に難くない。その場合、同社の灯油輸送も拡大する可能性が高いと弊社では見ている。
(3) 海外物流
海外物流の営業収益は前年同期比5.3%増の769百万円、経常利益は11百万円増の12百万円となった。コロナ禍の影響により顧客の事業活動が停滞したことに加えて、米中貿易摩擦の影響から輸出入品の荷動きは低調に推移したものの、中国国内の保管や輸送については、回復基調にある。中国経済は世界でもいち早くコロナ禍から立ち直っており、自動車メーカー向けアルミ母材の輸送をはじめ、中国関係のビジネスは好調に推移している。中国向けは引き続き好調に推移すると見込まれており、下期も収益を支える柱となるだろう。なお、利益面においては、2020年3月期から取り組んできた自社での保管や輸送効率の改善等が貢献したものの、コロナ禍の影響を受けた。当面は海外物流事業の好調がカギを握ることになると弊社では見ている。
(4) テクノサポート
テクノサポートの営業収益は前年同期比3.3%減の1,057百万円、経常利益は同8百万円減の33百万円となった。受託業務部門は油槽所関連が堅調に推移したものの、製油所関連の定期修繕工事規模が前年度の実績を下回った。
(5) その他
その他の営業収益は前年同期比4.3%減の20百万円、経常損失は23百万円(前年同期は82百万円の損失)となった。
2. 2021年3月期通期の業績予想
2021年3月期通期については8月5日に発表した業績予想を据え置き、営業収益が前期比5.1%減の48,100百万円、営業利益が同43.4%減の600百万円、経常利益が同42.5%減の700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同51.4%減の440百万円を見込んでいる。
一方、財務体質は良好である。有利子負債を抑える傾向にあり、財務面は安定している。2020年3月期末の自己資本比率は55.6%、2021年3月期第2四半期末では58.4%と50%以上の高水準が続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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